ふるさとの手帖

市町村一周の旅

地元が大変な時に旅を続けるのか。

馴染みある場所。

僕の地元は岡山県倉敷市だ。美観地区やジーンズ、観光地としての知名度も最近上がった。今回の雨、実家は大丈夫だったけど特に被害を受けた真備町は家から10キロほど離れた場所だ。野球部の頃よく真備まで自転車で試合に行っていた。友達も実家がある。

僕の通う広島大学は広島県東広島市だ。東広島も他の広島の地域も多くの死者が出た。大学は今週ずっと休講、いつ始まるか分からない。山陽本線もあと数ヶ月はこのまちを走らない。

愛媛県大洲市
愛媛県西予市
愛媛県宇和島市

愛媛県の大洲市や西予市、宇和島市、今回の旅で訪れた場所だ。写真を撮った場所はいま残っているのかな、少なからずそうではない。ニュースを見ながらモヤモヤした気持ちになる。

地元と離れていたけど。

日本一周の旅に出て100日と一週間ほど経った。いまは北海道にいる。こっちも雨が続いていたけど、西日本の雨の被害をずっと見ていて、ずっと見ていた。

広島大学では「ゆかたまつり」という大きなお祭りを直前に控えていたけれど、結局中止になった。祭りがあるはずだった日曜日、皮肉にも僕は北海道で学園祭に連れて行ってもらった。お世話になっていた方の息子の学園祭だったから。声を張る売り子、ゆかたを着た人、何よりそのお祭りの雰囲気を感じるたびに知っている人たちの顔がなんどもよぎった。

旅を続けるのか。

自分はどうするべきなのか考えた。旅をやめて倉敷に帰ることもできる。それは日本一周を止めることに等しい。スポンサーになって応援してくれた方もいる。

答えの出ないまましばらく北海道を走った。倉敷市のナンバープレートを見ていろいろな人が心配して声をかけてくれた。けど僕は元気だ。大変なのは現場にいる人たちで僕じゃない。

旅の続き。

雨の後、親は旅を続けろと言ったけどそれは傲慢だと思った。
けど旅を自粛する。っていう感覚も傲慢で嫌だと思った。

だから、旅を続ける中でもできることをしようと思う。写真でふるさとを伝えることが僕の旅の意味だ。これまでに350の市町村をまわった。一つ一つのまちが同じことはない。そこにあるあたりまえの毎日を残すこと。どんな小さなまちでもそこを故郷とする人がいる。自分の思いを写真に変えて多くの人に伝えることが、小さいけど僕のできることだと少なからず思う。

また、上のステッカーを作って業者さんにお願いしたので、それができたらバイクに貼って走ろうと思う。少しでも西日本のことを気にかけてくれてくれたら。外でもSNSでも広告塔のような形で発信して、他の地域の人にまちを応援してもらえたらと思う。

西日本のことを忘れずに、前を向いて走っていきたい。

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