今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【86/171】
訪れた旧市町村の数【907/2,094】 総計【993/2,264】スーパーカブの総走行距離
24453km
朝7時45分に、南さつま市の加世田を出発した。今日は南さつま市と南九州市を進んでいこう。
最初にやってきたのは、旧大浦町。旧加世田市から南西に進み、15kmほど進んだところで市街地に入った。地名には「浦」とついているので、海沿いに市街地が広がっているのかなと思ったら、市街地は低い山並みに囲まれた平地にあり、とても穏やかだった。田んぼも広がって、気持ちのいい風景だ。
独自の雰囲気持つ、後浜展望所。ー旧笠沙町。(南さつま市)
旧大浦町の市街地も、地図で見れば十分に薩摩半島の南西の端っこにあるけれど、もっと西に進むと小さく出っ張った地形があり、そこに旧笠沙町が広がっている。その出っ張った地形は「野間半島」だ。
野間半島の北に位置する集落は山も海も近く、道もうねうねしていてコロコロと景色が入れ替わる。狭い道も大きなバスがゆっくりと通って行った。山裾の低いところ高いところ、いずれも隙間を埋めるように住宅が広がっていた。
さらに、今度は野間半島の南側へ移動し、後浜展望所という場所へ向かった。遠目からでも巨大な岩が見えて、そこが展望所だと直感。到着すると、やはり大きな三角形をした巨大な岩に圧倒される。1月の震災で影響を受けてしまった、珠洲市の見附島を思い浮かべた。独特で、自分の雰囲気を持っている岩だ。
野間半島の山道を抜けて。ー旧坊津町。(南さつま市)
後浜展望所から、次に旧坊津町を目指す。地図を見ると、旧坊津町は野間半島の南海岸沿いを東に進んだ方角にあるので、半島の南側の道を行こうかと思ったものの、ナビは行きで通った半島の北側の道を指して、最後に南へ降りてくるルートを指すのだった。
ナビが言いたいことはすぐにわかった。相当、道が悪いのだろう。たぶん、北側の道の方が多少遠回りでも、平坦なのだろう。こういうとき、どっちを選ぶかみたいなのを決めているわけじゃない。今の状況の中で、どうしようかなあと考えてみて、せっかくだから南側の悪い道を選んだ。そっちも通ってみなきゃ、野間半島がわからないとも思ったし。
永遠にアップダウンが繰り返されて、大変だったけれど、ようやく長い山道を抜けて、旧坊津町の市街地に入った。市街地は泊郷と坊郷の二つの地域が隣り合わせで、どちらも味のある港町だった。市街地からは枕崎市も近い。ここにこうした暮らしがあるのだなあと。
番所鼻自然公園まで、青空も間に合った。ー旧頴娃町。(南九州市)
旧坊津町から22キロほど東に進み、今度は旧頴娃(えい)町を目指す。途中、枕崎市を通過したので、鰹を食べたいなあともちろん思ったけれど、今回は時間があまりないので諦めよう。
さて、旧頴娃町では番所鼻自然公園へ向かった。前回の旅でも訪れたことがある公園で、枕崎市の「薩摩富士」こと開聞岳を一望できる。
それで、まったく信じてもらえないだろうが、青空の下の開聞岳をよしっ、撮り切れたと思った1分後には、本格的に雲が太陽を覆いはじめたのだった。空を見上げたら、さっきまでの晴れが嘘のような曇りだ。「怖い」と思った。これを、偶然や思い込みと言ってしまえば話は早い。でも、ほんとうにドンピシャなタイミングだったから。開聞岳に会釈した。
湧水と静かなまちなみを歩く。ー旧川辺町。(南九州市)
旧頴娃町は、南九州市で最も海沿いに広がっているまちだった。そして、次に向かった旧川辺町は、最も内陸部に広がっているまちだ。旧知覧町を抜けて旧川辺町の市街地へ入る。ファミレスやコンビニもあって、市街地はまちらしい雰囲気でありながら、少し離れると穏やかな田園風景を眺めることができた。
清水の湧水を訪れたあと、雨が降りはじめた。さっきまで青空だったのに、早いな、って。
武家屋敷と、知覧特攻平和会館。ー旧知覧町。(南九州市)
最後にやってきたのは、旧知覧町だ。まず、武家屋敷の通りに入る前に、車道沿いの街路樹が見事に整えられていて、すごい存在感だった。ささやかなところが細かくて丁寧で、そして、大胆でもあるのが、鹿児島県だ。
順路通りに従って、武家屋敷の庭園をそれぞれ見ていく。なんだろうこの庭園の迫力は。山と海、大地のうねり。庭園が表す世界は、阿蘇みたいに圧倒的な世界観のように思えた。電線がないので、庭園の木々が空へどこまでも伸びていくようで。ここに、今も日常の暮らしがあるのだなあ。
知覧は本土最南端の特攻基地だった。兵舎の中で書かれた寄せ書きを読む。なんて達筆な字だろう。母親宛ての手紙を読む。なんて素直な言葉だろう。
ごく普通の日常を大切にしなきゃ、そんなこと、わかってるって、いくらでも言えるさ。でも…と、ね。というわけで、今日の散策はここまで。知覧に着く頃には雨も降りました。南さつま市と南九州市が、ぐっと身近になった1日です。
本日のひとこと
後浜展望所で、野生のタヌキとの距離が近かったです(写真撮れず)。
後浜展望所で、野生のタヌキとの距離が近かったです(写真撮れず)。
(終わり。次回へ続きます)
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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