ふるさとの手帖

市町村一周の旅

暮らしの中にある横浜。【旧市町村一周の旅(神奈川県・32日目)】

暮らしの中にある横浜。【旧市町村一周の旅(神奈川県・32日目)】
手書きですみません。現在は横浜市の赤い丸を進んでいます。泉区→戸塚区→栄区→金沢区→磯子区の5つ。
2023.05.09

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【29/175】

29/175
16.57%
訪れた旧市町村の数【140/2,091】
140/2091
6.70%
総計【169/2,266】
169/2266
7.46%

スーパーカブの総走行距離
3,350km(およそ、東京からベトナムまで3674km)

2023年5月9日(火)(日本一周32日目)

2日間は雨で休んだ。いざ休むと、もっと休みたいなあ、という気持ちが、生まれないこともない。しかし、月曜日から仕事が始まるのと同じで、晴れていたら旅は進むのである。

さて、今日は横浜市の泉区、戸塚区、栄区、金沢区、磯子区の5つを巡った。緑もそばに感じる丘陵地の団地から、久しぶりに見た横浜の海まで。ひとつの市でありながら多様な顔を持つ横浜、その中にある暮らしを探しに行こう。

横浜市泉区

横浜市泉区
人口約15万4千人

最初に訪れたのは泉区。人口は15万人ほど。緑園都市、弥生台、いずみ野、いずみ中央、ゆめが丘、と相鉄いずみ野線が通り、地下鉄ブルーラインも通っている。斜面を埋め尽くすように並ぶ住宅地を眺めていると、まちが開発されてきたことを感じる。

泉区へ。

中丸家長屋門。

「中丸家長屋門」を訪れた。明治中期の門で、横浜市の歴史的建造物にも認定されている。現在も住んでいる方——と言ってもおそらく中丸家の方なのだろうが——がいるらしく、中には入らない。門の先を少しだけのぞいてみると、右手に人力車があった。この辺りは阿久和川沿いに位置し、河川と家の景観も馴染んでいる。立派な門から、家はずいぶん栄えたのではないかと想起された。

いずみ中央駅辺りへ。

駅の周囲は細い和泉川に沿って木々も並び、水辺に近づくこともできる。朝の通勤と通学の時間帯だったので、犬の散歩をさせるのんびりした人もいれば、ダッシュで駅に向かって走る人もいた。

泉区役所。
いずみ中央駅。

猫さんも。

横浜市戸塚区

横浜市戸塚区
人口約27万5千人

戸塚区は横浜市の中で面積が最も大きい。振り返れば、前回市町村一周の旅をしたときは、横浜市において戸塚駅周辺を訪れた。理由は当時知り合いが戸塚区の明治学院大学に通っていて、駅の近くに住んでいたので、泊まらせてもらえることになり、そのまま戸塚駅を巡ったのである。確か電車に乗って川崎駅まで行き、川崎市も巡った。そうした回り方で、「横浜市と川崎市を巡った」とチェックをつけていたわけで、今、あらためて区を巡っている。

別の方からは、「戸塚区楽しみにしてます!」と、先日連絡をもらった。その期待に見合うかは自信がないけれど、ぼくはぼくで、自分の思い出の中にある戸塚区を巡れたことが楽しかったと、先に伝えておく。

戸塚中継所。

小学生の頃から箱根駅伝が好きで、駅伝を走る自分を想像したこともあった。陸上すらしなかったので、結局それは想像に過ぎなかったけれど、今でも箱根駅伝の様子は気になる。昔は駒澤大学が好きだったから、2023年に久しぶりに駒澤大学が総合優勝したときは、嬉しかったものだ。もちろん、どの大学も好きである。

中継所のそばには、釣具屋さんや崎陽軒やラーメン屋さんがある。

駅伝を見ない人には伝わらないかもしれないが…。

中継所に立ち、ここで数々のドラマが繰り広げられていることを想像すると、いや、結局は想像しようがしまいが、箱根駅伝に関わりがある場所、というだけで、「パァンパパパパァン〜♪」と、あの曲(正確には、久石譲さん作曲の『Runner of the Spirit』)が、脳内で流れ出すのであった。

戸塚駅へ。

原付を停める場所に迷ったが、無事に空きのある駐輪場へ辿り着き、戸塚駅周辺を歩いた。

トツカーナは、駅直結のショッピングモールだ。

横浜では黄色い神奈中バスを、何度も見る。

長い行列はおそらく大学へ。

おそらく、明治学院大学へ向かうバスへの行列が、神社の初詣の如く、並んでいた。

朝は多くの人で混雑していて、戸塚区は大きな生活の場なのだなあと、ひとつの市のように感じたのであった。

住宅地もずらりと並ぶ。
舞岡公園も訪れた。

舞岡公園は、田園も残されている公園で、ちょうど小学生たちが、田んぼの体験にやって来ていた。指導するおじさんが「今日はしろかきをやります」と言っていて、田植えだけではなく、その前の段階から順番に指導しているのだなと、参加したくなった。

横浜市栄区

横浜市栄区
人口約12万2千人

今度は栄区へ向かう。地図で見てもわかるが、区の境界線の多くを鎌倉市と接していて、実際に訪れると、大船駅や北鎌倉駅も近いし、鎌倉方面の生活圏でもあるのかなと思われた。実際には違うのかもしれないけれど、横浜市で、プラス、鎌倉も隣ってすごいなあと。

工事が進んでいた。
定泉寺へ。

定泉寺は真言宗の寺。そのお寺の中には「田谷の洞窟」と呼ばれる、手掘りの洞窟がある。それも、鎌倉時代初期から江戸時代に至るまで、修禅道場として拡張されたものだ。

お寺も参拝して。
田谷の洞窟内は、撮影が禁止されている。

正直、撮影禁止でよかったと思えるほどに、洞窟内の彫刻に驚かされた。生き物や菩薩様が、異国の彫刻を見ているかのように、洞窟の中に彫られている。人工の洞窟にも関わらず、順路を辿って道のりは長く、場所によって天井も非常に高かった。祈りがつくり出すものの大きさはすごい。

さに〜レタス。
本郷台駅周辺へ。

本郷台駅周辺も新鮮だった。別の国に来たかのように、駅の裏には城の風貌あるマンションが聳えていて、そばを流れるいたち川まで行けば、緑生い茂る穏やかな時間が流れていた。大きくて賑やかな団地かと思えば、静かな気配もあり、ひとつの場所に両方の要素が混ざっているように感じられた。

本郷台駅前のロータリー。

すぐそばをいたち川が流れる。
いたち川。急に静かになった。
コミュニティーセンターのあーすぷらざ。

横浜市金沢区

横浜市金沢区
人口約20万2千人

残すはあとふたつ。金沢区ではいよいよ海が現れた。これまでずっと、横浜市の中でも海に面していな場所を訪れていたが、よくよく地図を見てみると、18ある区のうち、海に面する区は6つだ。つまり、2:1の比率で海のない区の方が多い。

そして、金沢区とにある島といえば八景島。シーパラダイスに、初めて訪れた。

まずは瀬戸神社へ。

瀬戸神社は鎌倉殿ゆかりの地だ。鎌倉幕府を開いた源頼朝は、伊豆での挙兵にあたって御利益を蒙った伊豆三島明神(三島大社)の分霊を、「せと」の聖地に祭り、篤く信仰したとされている。

清々しい神社であった。

海も近い。
マンションと水辺。

野島公園へ行くと、潮干狩りで賑わっていた。

あとからやって来た同年代ぐらいの男性チームも、片手に道具を持ち、頭にはタオルを巻いて、慣れている感じだった。ここには、潮干狩りの文化があるのだなあ。黙々と掘り、そして、見つけたら、食べられる。夢中にさせる何かがある。

そして、八景島へ。

水族館だけではなく、アトラクションもあることを知った。

絶叫が聞こえたので、何かと思ったら、修学旅行生たちがアトラクションを楽しんでいた。良いお天気に恵まれてよかった。

そして、水族館へ。
3300円もするのか…。

水族館の料金は、3300円。そうなのか…。3300円あれば、1日のお昼ご飯と晩ごはんを食べても、お釣りが来るじゃないか…。一瞬、入るのをやめようかとよぎる。しかし、すぐに、いやいや、こういうときにお金を払うことが、大切ではないか。と、後者が寄り切り。

海の魚がいっぱい。
あざらしだ!
セイウチだ!

ぼくは、セイウチにメロメロになった。だって、餌を食べながら、飼育員さんの言うことを聞いて、手を振ったり、水しぶきを飛ばしたり、バブルリングをつくったり、とっても利口だったから。そして、びっくりするぐらい体が大きかった。もう、セイウチに出会えた途端、3300円が安く感じられた。

ホッキョクグマも。
じっと動かないペンギンも。不思議で世界は広いなあ。

修学旅行生やカップルや子連れがほとんどで、各々が、幸せそうな表情をしていた。ぼくもまた、もう一度来たい水族館が増えた。

横浜市磯子区

横浜市泉区
人口約16万6千人

最後は磯子(いそご)区を訪れた。海側から山側、そして、市電保存館と、同じ区の中でも広いことを感じながら。

磯子駅。駅の周りは大きなマンションが並ぶ。
磯子海の見える公園は、ヨットクルーザーが見える公園でもあった。

海の近くは水がそばにあって綺麗だ。
横浜市電保存館へ。
隣にはバスの駐車場が。
横浜が誕生する歴史。

今まで、横浜の歴史について、あまり意識してこなかった。すでに、大都市として君臨しているイメージがつよかったから。でも、かつての横浜はとても小さな村だったのだ。そこから、ぐんぐん発展した。

バスや地下鉄がメジャーになるまでの主役は市電だった。

かつての映像。
資料もとても丁寧だった。

横浜のイメージが、日に日に刷新されるばかりだ。

最後は小高い丘の上へ。
三殿台遺跡。縄文・弥生・古墳時代のムラの跡。

建物内は入れないが、実際のムラの跡を見ることができる。

ひとことに横浜と言えど、広い。

今日の散策はここまで。横浜を巡っていると、政令指定都市の区も巡ることにしてよかったと、つくづく感じる。横浜というひとつ市だけれど、市ではくくれない、生活の数の多さや、まちの規模の大きさをを感じるから。

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