ふるさとの手帖

市町村一周の旅

6年ぶりの再会。五島列島の福江島で。【旧市町村一周の旅(長崎県|1月10日―279日目)】

6年ぶりの再会。五島列島の福江島で。【旧市町村一周の旅(長崎県|1月10日―279日目)】

今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【81/175】

81/175
46.29%
訪れた旧市町村の数【778/2,094】
778/2094
37.15%
総計【859/2,269】
859/2269
37.86%

スーパーカブの総走行距離
21930km

旧福江市→旧玉之浦町、の2つ(五島市)。

朝、雨の長崎だった。 8時5分のフェリーに乗って、五島列島で一番大きな島、福江島へ向かう。

長崎港。
雨の長崎。
この船で、福江島へ向かう。
ROUTEさんのモーニングのサンドウィッチ。朝早いのでテイクアウト用にしてくださった。
3時間の船旅を経て、福江島へ着いた。6年ぶりなのかあ! と島を見渡す。小雨が降っていて、港に着いてからはレンタルバイクを借りた。カブを持ち込めたらよかったけれど、フェリーへの持ち込みが満車だったので、プランを変えたのだった。
 
そして、今日は雨なので焦らない。まずは五島うどんを食べに行こうと「おっどん亭」を訪れた。地獄炊きうどんセットを注文すると、立派な定食と地獄炊きうどんの豪華なセットが届いた。
福江島へ。
原付を借りて。
地獄炊きうどん。
定食も美味しそうだ。
地獄炊きうどんの食べ方が書かれた流れに従って、最初は何もつけずに、うどんをいただく。わあ、柔らかい。麺が丸くて、太さは素麺とうどんの中間ぐらいだ。やさしく喉を通る。
 
次に顎だしにつけていただく。おお! 濃すぎない出汁なのに、しっかり下支えしてくれる。優等生タイプだなあ。頼れるリーダーという感じ。
 
最後に、ツユを合わせた生卵でもいただく。あははっ、これまた最高だ。俺について来い! と引っ張ってくれるリーダーだ。
 
と、いずれの食べ方も美味しくて、大変お腹いっぱいになったのだった。

その後、シティモールに寄って雨宿り。作業もあったので、場所を探していたところ、自由に座れるスペースがあって、すごく助かった。
シティモール。

雨も作業も落ち着いたところで、次に五島観光歴史資料館に訪れた。館内は入り口を除いて撮影禁止だ。
 
入場料を支払ったあと、映像がありますと紹介してもらった。資料館で見られる映像は、できるだけ見るようにしている。ましてや、今日は時間に余裕があるので大丈夫だと思っていたが、「23分間あります」と言われて、一瞬たじろいでしまった。過去最長は18分間だったので、ニューレコードだ。
 
「バラモンの空」という題名で、“ばらもん凧”と呼ばれる福江島の伝統工芸品の凧がつくられるまでに、島の春夏秋冬に触れながら、主人公の少年が夢で見た景色を探していく物語だった。違う季節の五島列島にも行ってみたいなあと思った。23分間、面白かった。
左手が五島観光歴史資料館。
資料館のあと、市街地も歩いた。

そして、山本二三美術館にも訪れた。福江島出身の山本二三は、33歳で『天空の城ラピュタ』の美術監督を務め、『もののけ姫』や『火垂るの墓』、『時をかける少女』など数々の名作アニメーションで美術監督を務めた人物だ。昨年8月19日に、70歳で逝去した。その山本二三の作品を、美術館では直接見ることができる。
山本二三美術館へ。
作品は撮影禁止だ。ただ、とにかく圧倒された。最初に『菩提樹の春夏秋冬』と名付けられた絵を見ただけで、絵に吸い込まれそうになった。団地の再開発により伐採されることになった木々を、壁画の原画として描いた作品だった。無音の音が聞こえた。
 
山本二三の生涯をまとめた映像も見た。ひとつひとつがかっこ良かった。宮崎駿や高畑勲による山本二三への言葉にも、胸を打たれた。ほんとうのプロフェッショナルたちの声だった。
 
加えて、山本二三が残したライフワーク『五島百景』の画集を最後に見て、迷わず買った。ページをめくると、喉の奥がツーンとなるのだった。美術館に行けてとても良かった。
アトリエの様子。

美術館を出た後、日差しが届いたので市街地を少し歩いて、宿泊地の玉之浦へ向かった。
大学の後輩の母校。

6年ぶりに、ネドコロノラさんへ。ー旧玉之浦町(五島市)

福江市街地から、玉之浦町の荒川という地域にある、『ネドコロノラ』さんを目指す。最初は晴れていたのに、徐々に雲行きが怪しくなり、玉之浦町に入ったところで、雨が降り始めた。道中とても寒くて、手がかじかむ。 さらに、ノラさんに着く頃には土砂降りの暴風雨となって、豹変した天気に笑ってしまった。カッパを着ていなかったので、ずぶ濡れになった。

玉之浦町荒川へ。
奥に、ネドコロノラさん。


ノラさんに泊まったのは、6年前だった。同じ日に泊まった方と仲良くなって、旅先で再会するようなご縁をもらった。当時は怪我で、右膝の傷口がカルデラそっくりに開いていた。毎日、膿んだガーゼを交換していた。旅のゴールが見えない序盤で、要は、寂しさもあった。そんなときにノラさんで賑やかな時間を過ごさせてもらって、救われた。だから楽しかった時間をすごく覚えている。

そのノラさんに、6年ぶりに訪れることができた。当時お世話になったマナミさんは、ぼくのことを覚えてくださっていた。ちょっと緊張もした。不思議な気持ちにもなった。宿という場所を6年経った今も守ってくださっていることでお会いできた。そのことがありがたかった。

夜、マナミさんの知り合いが島を離れる前で、鍋会がひらかれ、その輪にありがたいことに混ぜてもらった。鍋を囲んだあとは、ボードゲームを3つぐらいやった。どのゲームでも一度も1位にはなれなかった。気づいたら12時を軽く越えて、1時半になっていた。たくさん笑った。6年前と今日が、点と点で繋がったようだった。
 
本日のひとこと6年前、福江島に訪れた初日も、雨だったのでした。
(終わり。次回へ続きます)

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