ふるさとの手帖

市町村一周の旅

五島列島へ。新上五島町の旅。【旧市町村一周の旅(長崎県|12月28日―266日目)】

五島列島へ。新上五島町の旅。【旧市町村一周の旅(長崎県|12月28日―266日目)】

朝7時の佐世保港は、まだ夜明け前でした。
これからフェリーに乗って上五島を目指します。
年末年始のため、事前に電話で乗船予約をしていました。
車は満車だったけれど、バイクなら大丈夫だと。

出港は朝8時です。乗船を待つ間に空は明るくなりはじめ、山並みと空が乖離し、徐々に街の輪郭が浮かび上がりました。

さらに、隣の高速船乗り場には長い行列ができています。
それはまるでバスや新幹線に人が並ぶように。
これも佐世保港の日常なんだ、そう思いました。

無事に乗船を終え、ドタバタしている間に船は出港です。
乗船から出港までの時間は多少あるけれど、この時間はいつも異常なほど早く過ぎ去っていく。
そして、船内でパソコンや本をひらく前に、一度デッキに出ると、景色に心を奪われたのでした。

太陽が船から出る白波を照らし続けている。
この様子だけでも、ずっと見ていられた。
それに、だんだんと遠ざかっていく佐世保の街並みにもうっとりするばかりで。
青い海と空、山と街並み。
この景色を見るための船なんじゃないか、そう思えるほど満ち足りていた。
佐世保の景色が大好きだ。

フェリーターミナルで、天気予報。
徐々に空が明るくなる。

これから乗船する、フェリーなみじ。

高速船を待つ。
乗船し、バイクを固定してもらう。

出港前。
船が動き始めた。
佐世保港。出港だ。

街並みが遠ざかっていく。

まもなく、五島列島へ。

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【81/175】

81/175
46.29%
訪れた旧市町村の数【751/2,094】
751/2094
35.63%
総計【832/2,269】
832/2269
36.45%

スーパーカブの総走行距離
21320km

上五島へ。

新上五島町の旧有川町→旧若松町→旧奈良尾町→旧上五島町→旧新魚目町、の5つ。
佐世保港を出発して2時間半。
いよいよ上五島にやって来ました。
現在は新上五島町であり、上陸するのは中通島という島です。
平成の大合併までは5つの町にわかれていて、それらを巡っていくのが目標になります。
 
そして、船が着いたのは有川港。
元々は旧有川町として存在していました。
宿もここで取っているので、港に着いてからほかの町を巡り、最後に旧有川町を巡ろうと。

しかし、移動に時間がかかって、旧有川町で行きたかった場所に今日は間に合わず。
明日、宇久島から戻ってきたあと、あらためて散策をしようと思っています。
有川港へ着いた。
高速船乗り場。

若松島の日島曲古墓群へ。ー旧若松町(新上五島町)

作戦は先に述べたように、最初に旧有川町から離れた地域を巡り、徐々に有川へ近づいていくこと。
そうすれば、間に合わなかったときのリスクも少ない。

そう思って、最初に旧若松町を目指しました。
中通島の南西部と若松島などで構成されているエリアです。

若松島の土井ノ港にナビを定めると、有川からは30km離れていました。
おお、30kmもあるのかと。
ようやく集落に着くと宅配や郵便局の車も来ていて、ここにも暮らしがあるのだなあと確かに感じられました。
途中の風景。
橋を渡り若松島へ。
土井ノ浦の集落。
カトリック教会だ。
さらに移動して、日島曲古墳群(ひのしままがりこぼぐん)と呼ばれる場所を目指します。
到着して看板を読むと、諸説ある古墳群でイマイチ難しい。

ただ、古墳は灯籠のように四角や丸い石が積まれていて、古い灯籠のようでした。
雰囲気は恐山のようだなあと。
でも、恐山ほど殺伐はしていない。
優しい気配を持つ灯籠が、たくさん広がっていました。

足でぶつけて古墳群を崩してしまうのが怖いので、遠巻きに眺めて。
日島に着いた。ここまでも遠かった。
日島曲古墓群。大規模な石積み群だ。
静かだ。

あこう樹の迫力に感動した。ー旧奈良尾町(新上五島町)

次にやって来たのは旧奈良尾町。
中通島の南東部に位置する集落です。

あこう樹が有名とのことで見に行ってみると、レンガ調のタイルで舗装された商店街の先で、巨大なあこう樹が姿を現しました。
同じ場所には神社があり、神社の参道もほとんど覆い尽くすようなあこう樹の葉が、キラキラと木漏れ日を生み出していました。
シンボルのような樹だなあと。

樹齢は600年を越えているそうで、ツルのような根が石垣や地面を貫通していて、圧巻でした。
 
町並みを眺めたあと、高井旅海水浴場にも寄ろうと思いましたが、真上まできたところで、おばあさんとお孫さんであろう二人が浜辺を歩いているのを見て、砂浜まで降りるのはやめました。そこにはすでに尊い時間が流れていたからです。
旧奈良尾町へ。
あこう樹。カメラに収まらない。
商店街の通りも味があり。
奈良尾の集落。ぎゅっと。
高井旅海水浴場。

青方やカトリック青砂ヶ浦教会、矢堅目公園へ。ー旧上五島町(新上五島町)

今の町名が新上五島町なので、新旧みたいな言い方になるなあと思いながら、旧上五島町へやって来ました。
 
市街地は海も近いけれど、山に囲まれた市街地を走っていると、一瞬ここが離島かどうかわからなくなる。
それぐらい、市街地の大きさも感じられる。
もちろん、島の方が感じる印象は違うかもしれないけれど。
 
青方港や市街地へ立ち寄ったあとは、矢堅目公園とカトリック青砂ヶ浦教会へ行きました。
矢堅目公園の先には巨岩がそびえていて、青砂ヶ浦教会はレンガでつくられた外観が、西日を浴びて非常に美しく佇んでいました。
青方港。
山並みと暮らしと。
市街地を眺める。
矢堅目公園へ。
矢堅目。巨大な岩だ。
カトリック青砂ヶ浦教会。
西日を浴びて。

最北端、津和崎灯台を目指して。ー旧新魚目町(新上五島町)

次に旧新魚目町に入ります。
新魚目(しんうおのめ)は細長い地形をしていて、島の最北端まで含まれているので、余裕があればそこまで行ってみたいなあと思っていました。
そして、時間も間に合いそう。
何があるかはわからないけれど、最北端まで行けたら、何かを感じるはずだと。
 
ここで何よりびっくりしたのは、有川の市街地から最北端である津和崎灯台まで、30kmも離れていたことです。
中通島の地形を見ていたら、上五島や有川の市街地は、島の北部に位置していると思っていたけど、有川から島の南西に位置する若松港まで27kmほどなので、ほとんど同じ距離ではないかと。

それぐらい、新魚目は細長い地形なのだなあと感じられました。
津和崎灯台までの道のりも険しく、坂道とカーブを何度も進んで、遠いなあと思いながら、ようやく津和崎灯台に着きました。

すると、灯台からは野崎島と小値賀島が近くに見えてびっくり。
ここまで北上していたんだ、と地図以上の近さがありました。
ああ、どちらの島も行きたいけど、今回は行けないなあ。
 
それに、津和崎方面にもいくつか集落があり、静かな時間が流れていたことも忘れません。
つくづく、島の広さを感じるばかりでした。
山に家が点在している。
独特の地形と集落だ。
津和崎灯台へ着いた。
奥の島は野崎島。集落跡は世界遺産の構成遺産だ。
小値賀島が見えた。行きたいなあ。平らな地形。
津和崎灯台。
石積みの集落も広がっていた。

というわけで、今日の散策はここまで。島の隅々に広がる暮らしに、驚かされるばかりです。
 
本日のひとこと
明日の高速船は6時40分発なので、寝坊できない。でも、ちょっと不安です。
(終わり。次回へ続きます)

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