ふるさとの手帖

市町村一周の旅

佐渡島の旅はつづく。国中から前浜、南佐渡へ。【旧市町村一周の旅(新潟県|10月25日―202日目)】

佐渡島の旅はつづく。国中から前浜、南佐渡へ。【旧市町村一周の旅(新潟県|10月25日―202日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【66/175】

66/175
37.71%
訪れた旧市町村の数【581/2,093】
581/2093
27.76%
総計【647/2,268】
647/2268
28.53%

スーパーカブの総走行距離
17250km

旧新穂村→旧畑野町→旧真野町→旧赤泊村→旧羽茂町→旧小木町、の6つ。

佐渡島の旅はつづく。国中から前浜、南佐渡へ。(2023年10月25日(水)―202日目)

もし目が覚めたとき、東向きの窓から朝日が差し込んでいたら、あっ、今日は晴れだな。と思うわけじゃないですか。今朝、完全にそう思いました。でも、どうやらゴロゴロと雷鳴も聞こえるんです。寝ぼけているのかな、騒音かなとも思ったけど、やっぱり違う。それで窓を開けてみたら、東の空は晴れているのに、見上げると灰色の雲が広がっていて、雨が降っている。えっ、こんなことあるんだ。夜にゲストハウスのオーナーさんに聞きました。「島でこんな天気がよくあるんですか?」「いえいえ、私もビックリしました」。珍しい朝の天気でした。

旧新穂村

雨が落ち着くのを待ってからの出発です。最初に向かったのは旧新穂村。市街地を通ったのち、トキの森公園へ向かいました。朝から観光バスが1台にとどまらず3台。さすが観光地。大阪から来たであろう若いバスガイドさんが、お客さんに対して軽快なジョークを飛ばしている横を通り過ぎて、館内へ。スーツ姿のおじさんもいます。視察かお仕事でしょう。

そうしたいろんなぼくら人間が見つめるのは、トキ。白鳥や雷鳥しかり、鳥たちが人間たちの行動を導く力はすごいなあと思わされます。

旧新穂村へ。

トキの森公園。

望遠鏡にカメラをくっつけて、こんにちは。
美しいですよねえ。

旧畑野町

次にやって来たのは、旧畑野町です。古刹である長谷寺を訪れたのち、市街地へ。旧畑野町には、畉田(ふた)と呼ばれる地名があります。かつてコンピューターに漢字が登録されるにあたって、消えてしまった漢字がある。でも、畉田の「畉」は佐渡の地名として存在していたおかげで、残ったんですよね。と、国立国語研究所の先生に教わったので、合っているはず。

奥には山並み。
長谷寺へ向かいます。

ひらかれたお寺でした。

市街地。

板の色の違いが面白い。
畉田の字も見つけた。

旧真野町

次にやって来たのは、旧真野町です。最初に参拝した妙宣寺は、立派な庭の空間と、大きな本堂が聳えていました。さらに真野御陵を訪れます。道中の市街地は黒い家屋の景観が整っていました。佐渡は昔ながらの黒いトーンの家が多いですが、それが並ぶと引き締まってかっこいい。

真野御陵に着きました。正式名称は「順徳天皇御火葬塚」。順徳天皇の父は後鳥羽上皇で、歴史では承久の乱に遡ります。朝廷と鎌倉幕府が争った事件ですが、朝廷側が敗れて後鳥羽上皇は隠岐島へ、順徳天皇は佐渡島へ配流されたわけです。火葬塚は天皇のお墓である御陵と同格扱いとのこと。看板にも宮内庁の文字がありました。そうかあ、佐渡島でも宮内庁の管轄なんだなあ。

妙宣寺へ。

酒造だ。

真野御陵へ。
宮内庁。

旧赤泊村

まちの多くは比較的、島の西側に集まっているのですが、旧赤泊村は南東部に位置しています。途中の海のない景色は佐渡にいるのかどうかも一瞬わからなくなりました。ようやく海が見えると、着いたな、とワクワクします。

旧赤泊村の中心地は港町でした。漁港で女性たちが黙々と作業を。一方で、山の向こう側にはモクモクと入道雲が湧き上がっていて、レーダーを見ると両津付近で雨が降っているようでした。同じ佐渡でもぜんぜん違うものだなあと。

旧赤泊村へ。
港町だ。

海と空と。

旧羽茂町

次に向かったのは、旧羽茂町。「はもち」と読みます。旧赤泊村からおよそ15キロ。佐渡國一ノ宮の度津神社や、市街地を散策しました。市街地の羽茂川沿いには民俗学者・宮本常一の句碑があるとのことで探しながら歩いていると、無事に発見。宮本常一は羽茂に何度も訪れて、「おけさ柿」の栽培支援を行っていたそうです。今ではおけさ柿は島を代表する特産品のひとつ。いやあ、すごいなあと。

旧羽茂町へ。

市渡佐とさどし。
度津神社。

ハロウィンかかしですね。

羽茂支所。

宮本常一の句碑。「城あとは 柿の木畠 いま芽ぐむ」

旧小木町

佐渡市の最南端に位置するまちが、旧小木町です。上越市の直江津と結ぶ佐渡汽船の航路も通っていますが、佐渡市役所までは30キロ離れていて、島がなんと広いこと。旧小木町の中でも有名なのは、宿根木集落。国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。最初に小木民俗博物館に入ると、復元された大迫力の北前船が。これで日本を巡っていたのかと思うと、ワクワクする世界です。

そして、宿根木の集落は、すばらしかった。まだこのような町並みが日本にあるんだ、って。細い石畳の道の脇に、ビッシリと黒い家屋が密集している。迷路のような小径に夕日が差し込み、その先には海がある。タイムスリップなんて安易な言葉を使いたくないですが、宿根木の“今”は、長く大切にされてきた“今”でした。

小木民俗博物館。この博物館も、宮本常一が関わっている。
おっきいなあ。北前船。

たくさんの民具が集まっていた。

宿根木集落へ。

たらい舟。

小木港にて佐渡汽船がとまってた。
秋の入道雲と空は、淡い。
今日もお疲れさまでした。

というわけで、今日の散策はここまで。佐渡市にあった10の旧市町村を、これで巡ることができました。佐渡市のイメージが、大きく変わったなあ。東西南北に、暮らしがありましたから。

本日のひとこと
ドミトリーで相部屋になったオーストラリア人の男性は、初来日で佐渡島に来たと。素晴らしいなあ!
(終わり。次回へ続きます)

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