今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【59/175】
訪れた旧市町村の数【517/2,093】 総計【576/2,268】スーパーカブの総走行距離
15740km
人との出会いや迫力の大噴湯。そして、聖地の稲庭うどん。(2023年9月25日(月)―172日目))
秋田県にやって来て10日間ほど経った。大雨の日もあったけれど、ここ数日は雨模様じゃないことが、とてもありがたく感じられる。
今日は横手市と湯沢市の旧市町村を訪れた。まちの公園や城跡、さらには景勝地に稲庭うどん。湯沢市では地元の方々との交流もあった。それでは振り返ってみよう。
横手市
横手市に来たのは、今年の2月ぶりだ。運よく好天の銀世界だった。そして今日は、横手公園へ。2月に来たときは雪で閉まっていたので、訪れるのははじめて。横手市のまちなみを一望できて、おおきなまちだなあと感じる。日本中で比べれば、横手市の中心街も十分におおきい。
さらに、かまくら館に訪れた。映画に登場するような重厚な扉が2つあって、順に進んでいくと、極寒の世界が広がっていた。マイナス10度らしい。数分で体が持たないほどの寒さだったけれどその極寒の世界に、なんと本物のかまくらがつくられていた。2月に訪れた時期は、かまくらがつくられ始めている頃だったから、かまくらの中には入っていない。人生ではじめて立派なかまくらに入ることができて、とてもうれしかった。ビックリするぐらい寒かったけど。
旧山内村(横手市)
次に訪れたのは、旧山内村だ。横手川に沿って国道1号線を東に進んでいく。徐々に山が近くなって、山あいを走っている感じだ。気温もすこし寒くなった。途中は一面に葡萄畑も広がっていた。今回は鶴ヶ池公園と、相野々(あいのの)駅の近くを散策した。
湯沢市
次にやって来たのは湯沢市。まずは「雄勝郡会議事堂記念館」に訪れた。1892年につくられた木造2階建ての建造物で、1982年までに町役場、市役所、公民館、図書館など、さまざまな施設として利用された。福島県の桑折町で訪れた旧伊達郡役所を思い出した。
そして、柳町の本通商店街を歩いていると、地元のお母さんに「コーヒーよかったら飲んでいきませんか?」と声をかけられた。目の前の建物を見ると、おじいちゃんおばあちゃんや、役所の職員さんっぽい方々で賑わっている。市民交流スペースが、ちょうど今日オープンしたのだそうだ。
地元の方たちが多いだろうから最初はためらったけれど、なかなか無い機会だし一緒に混ぜてもらった。県外から来た人はぼくが第一号だと言われた。職員さんもやさしく話をしてくれて、温かい人たちに出会うと、元気をもらえるなあとうれしくなった。
旧雄勝町(湯沢市)
湯沢市の市街地にも流れている雄物川を、上流に沿って南へ進んでいくと、旧雄勝町に入る。小野小町生誕の地の有力地(諸説有り)とされていて、小野小町が描かれた看板がすぐ目に入った。そういえばこの旅で、小野小町ゆかりの地があったなあと探してみたら、茨城県の旧新治村(土浦市)だ。旧新治村は小野小町のお墓があると言われていた。小野小町の影響力って、ほんとうにすごい。
旧皆瀬村(湯沢市)
次にやって来たのは旧皆瀬村。小安峡大噴湯と呼ばれる景勝地を訪れてみた。今朝、旧山内村に向かった道も山の間を進む感じだったけれど、さらに細く長く、山の隙間に吸い込まれそうな道を進んだ先に、小安峡大噴湯があった。道中の山はまさに東北らしく、大きな山同士が重なり合っていた。
小安峡大噴湯は皆瀬川の深い渓谷の下にある。長い階段を降りていくと、むわっとぬるっと、硫黄の香りの湯気がぷしゅー!と音を立てているではないか。地熱が貯留されている層から、蒸気がものすごい勢いで噴出しているのだ。いやあ、なかなか見ない景色で驚いた。別府の地獄めぐりとは違う迫力だ。帰り道はのぼりの階段で汗をかいて、息切れもしながら。
旧稲川町(湯沢市)
旧稲川町で、最初に訪れたのは稲庭城だ。どうやって天守まで行くのかわからなかったけれど、入場券を買って、スロープカーと呼ばれる乗り物で上がっていくスタイルだった。稲庭城は中世の山城で、地形は天然の要塞だとされている。スロープカーから見ていても、険しい山だなあと。のぼり終わった後に上から見る、田んぼと集落のまちなみもホッとする景色だった。
そのあと、稲庭うどんの「佐藤養助 総本店」に訪れた。稲庭うどんの聖地は旧稲川町にあるのだ。近くまで来ると稲庭うどんのお店が並んでいて、聖地であることがヒシヒシと伝わってくる。佐藤養助 総本店に入ると、すでに14時を過ぎていたので席にも座ることができた。冷たいせいろと、比内鶏の炊き込みご飯を注文だ。
先に比内鶏の炊き込みご飯をいただく。うまっ! 出汁、醤油の濃さ、何杯でも食べられるやつやん! 目がカッとひらく。そして、稲庭うどん。すでに届いたときから、ツヤッツヤなのだ。特にカーブの光沢は芸術鑑賞に近い。すっ、と箸が入り、持ち上げたときの細麺は、音もしない滑らかさだ。いざ思い切っていただくと、もはや目が血走った。もうねえ、すんごい美味いんだ。細麺なのに、ほんとうにコシが強い。喉ごしの良さが滝のように間断なくやってくる。今回、秋田県で稲庭うどんを食べるのは4回目なわけだけれど、「聖地だ!」って思っちゃった。これからも全力で推していきたい、稲庭うどんだ。
というわけで、今日の散策はここまで。横手市も湯沢市も、ますます好きになった1日でした。
湯沢市で訪れた、雄勝郡会議事堂記念館の受付のおじいちゃんの口癖が「んだんだ」で、すべての会話の語尾が「んだんだんだ」だった。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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