ふるさとの手帖

市町村一周の旅

気仙沼から、舞台は岩手県へ。【旧市町村一周の旅(宮城県・岩手県|99日目)】

気仙沼から、舞台は岩手県へ。【旧市町村一周の旅(宮城県・岩手県|99日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】

49/175
28.00%
訪れた旧市町村の数【334/2,091】
334/2091
15.97%
総計【383/2,266】
383/2266
16.90%

スーパーカブの総走行距離
8380km

旧三陸町→大船渡市、の2つ。陸前高田市も寄り道をしました。

2023年7月13日(木)〜14日(金)気仙沼から、舞台は岩手県へ。(日本一周99日目)

気仙沼市

カラッとした快晴に恵まれた7月13日。気仙沼市にそのまま滞在した。

以前訪れたお店だったり、行ったことのない場所だったり、まだフワッとしていた気仙沼の世界を、確かめてみたいという気持ちで。

素敵なカフェのアンカーコーヒー、リアス・アーク美術館、中華そば屋のまるき、そして、かつて離島だった大島。

気仙沼では北西の風を“ナライ”と呼ぶ。帆船だった時代、船が港から出ていくための風だ。大島に向かう気仙沼大島大橋を渡ったとき、そのナライの風を、スーパーカブで感じた。

素晴らしい天気だ。

アンカーコーヒーさんへ。
生ブルーベリースムージーと、ずんだコッタを注文した。

朝からひとりで何やってるんだろうと思ったが、それでいいのだ。気仙沼はブルーベリーの産地でもあり、スムージーの味は格別だった。ずんだも仙台では食べられなかったからうれしくて。

リアス・アーク美術館。

企画展と常設展を見た。企画展では画家・田中望さんの展示があって、民俗学にスポットを当てている方だった。年齢も近いけれど、すごく絵が緻密で渋くて。

常設展は漁具や絵画の展示、そして東日本大震災の記録を見た。いずれも、気仙沼という土地に触れられるもので、観光客の自分でも身近な気持ちで学べるものがたくさんあった。

震災の展示物を見ていると、写真家では石内都さんや、田附勝さんが浮かんだ。

気仙沼の山並み。

中華そば まるきさん。

まるきさんは、ずーーーっと、楽しみだった。いろんな人が、美味しそうに中華そばを食べている様子を、今までSNSでたくさん見てきたから。

3年前に唯一訪れた機会があって、それ以来だったのだ。

もう、気仙沼市に入った瞬間から、「このまちにはまるきがある…」と、5分に1回は妄想していたかもしれない。

唾を飲み込んで店内に入り、味玉付きの濃厚煮干そばを頼んだ。

ご主人の手捌きを見ているだけでも幸せで、手元に届いたときは、食券を購入済みなのに、「食べていいんですか…!」と恐れ多い気持ちになった。

濃厚な煮干スープに絡む麺をすすった。ああ、眉間に皺がよって、天井を見上げる。こんなにも、美味しくて、こんなにも、量が減っていくのが寂しい食べ物が、世の中にあるなんて。

ご主人も優しく接してくださって、心から幸せな時間だった。ありがとう、まるきさん。また来ます!

濃厚煮干そば。港町のDNAだ。

そのあと、アンカーコーヒーのやっちさん(小野寺靖忠さん)と3年ぶりにお会いすることができた。

まるきさんで煮干そばを食べたあとにお会いして、そのままお寿司をご馳走になって、そして、アンカーコーヒーでマンゴースムージーもご馳走になって…。

お腹と心が、まんぷくであった。

“3年ぶり”というのは、ほぼ日さんのご縁で伺った、『若い3人、気仙沼へ行く』以来だ。ぼくは当時大学生で、ほんとうに右も左もわからなかった(今でもそういう場面ばかりだけれど)。中学生が社会科見学で、大人の輪に混じっているようだったから。すべてが新鮮で、カッコよくて、知らない世界に思えた。気仙沼の方々やほぼ日さんと出会ったのも、このときが初めてだった。大カルチャーショックであった。

だから、気仙沼はぼくにとって、小さなはじまりの地。そして、その気仙沼で出会った、朗らかで頼り甲斐があって優しいやっちさんと、3年前は、ほとんど話せなかった。けれど3年経って、目一杯背伸びしながらも、ご一緒させてもらえたことが、すごくうれしかった。

港を案内していただいた。

アンカーコーヒーのマンゴースムージーもいただいた。冷んやりとろける舌触り、絶品だ。
やっちさんにとんぼがとまった。

たったひとりの旅人に、こうして時間を取ってくださったこと、ほんとうにありがたい気持ちでいっぱいだ。たくさんワクワクする話を聞いた。また自分もがんばろう。やっちさん、素敵な時間をありがとうございました。

そして、やっちさんとお別れをしたあとは、大島の亀山展望台に行ってみた。大島に行くのも、初めてだったから。

大島に向かう途中。気仙沼湾横断橋。

唐桑半島。
気仙沼大島大橋と。

そのあと、ゲストハウスのSLOW HOUSEさんに戻って、オーナーの杉浦さんやコミュニティーマネージャーのぼんちゃんと、ゆっくりお話をした。杉浦さんにはハーゲンダッツまでご馳走になってしまった。
 
気仙沼で感じる、人のあたたかな体温。どんな会社でも、学校でも、地域でも、コミュニティの中で得られる居心地の良さというものは、多分、ある。
 
でも気仙沼は、コミュニティの外からやってきた人に、表裏のない距離感で接してくれる。「全員がそうだ」とか、「それが気仙沼だ」みたいな断定をしたいのではない。土地に根付く、共有された価値観として、いつもあたたかく、さらさらとした人と人の感覚が、気仙沼にはあるように感じられる。
 
それって、全然簡単じゃない。すごいことだ。だから、気仙沼は、忘れられない土地になる。

旧三陸町(大船渡市)

そして、翌日。気仙沼を出発して、いよいよ岩手県へ向かった。

8月にかけてはいくつか仕事や予定があるので、別の都道府県に移動することもあると思うけれど、広い岩手県をぐんぐん進んで行きたい。

気仙沼市から旧三陸町までは、下道で約50kmある。陸前高田市や大船渡市の市街地を抜けて、旧三陸町の「道の駅さんりく」や「三陸駅」を訪れた。

道の駅さんりく。
さすが、わかめだ!
ひとり暮らしに欲しい。
天然のあわびだ。
すごい。
欲しいなあ。

三陸駅。三陸鉄道の駅だ。

明るい建物もあった。
防潮堤と海。

大船渡市

そして、大船渡市は、碁石浜と盛駅周辺を主に訪れた。

碁石浜は手持ちサイズほどの黒い玉砂利が一面に広がっていて、引き波のときに「しゃらしゃらしゃら…」と綺麗な音を立てた。

市街地はあらためて訪れてみると、大きいなあと。海側には工業団地が広がっていて、山の裾野には住宅がほどよく点在している。盛駅近くの通りも風情がある。景観としてはすごくバランスが良く感じられた。

これが目に入らぬか。
碁石浜へ。
しゃらしゃら…といい音が聞こえた。
一瞬、大船渡高校を通過した。
盛駅近くへ。

盛駅は三陸鉄道とJR(バス)のターミナル駅だ。

陸前高田市

そして、今日の目的地は一関市だけれど、道中、陸前高田市でも少し寄り道をした。

向かったのは中華料理の「みつわ飯店」さんと、泊まれる古本屋の「山猫堂」さん。

みつわ飯店は、「切り盛りする地元のおばあちゃんたちがパワフル。そして、大盛りだよ」という話を先日聞いたのだった。

まさにその通りで、おばあちゃんたちがすごく元気だった。頼んだあんかけ焼きそばも、普通サイズで大盛りだった。

山猫堂さんもお薦めしてもらった場所だった。泊まれる古本屋で、ほかにも雑貨をたくさん取り扱っていた。空間も古本の選書も抜群で、もう一度来たい、泊まりたい、と思うぐらいだ。

さらに、今日は宮崎駿監督の映画『君たちはどう生きるか』の公開日だが(数週間前からひたすら楽しみにしていた)、タイトルの元になった吉野源三郎さんの本を見つけた。迷わず買った。

映画館に着くまでは、あと数日かかる。先に、こっちを読もう。ちょっとした運命を感じた。

陸前高田市。写真家として有名な、畠山直哉さんの出身地だ。
みつわ飯店さん。
あんかけ焼きそばが、大盛りで(普通サイズ)。

泊まれる古本屋「山猫堂」さん。
店内の空間が最高だった。

まさか今日、この本に出会うとは。

というわけで、今日の散策はここまで。

天気と相談しつつではあるけれど、明日から少しずつ、岩手県を進んでいこう。

本日のひとこと
数日前に本を3冊実家に送ったが、山猫堂さんで4冊買ってしまった。荷物が減らない。
(終わり。次回へ続きます)

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