今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】
訪れた旧市町村の数【332/2,091】 総計【381/2,266】スーパーカブの総走行距離
8200km
2023年7月12日(水)3年ぶりの気仙沼へ。(日本一周96日目)
今日は石巻市から南三陸町と気仙沼市に向かった。いよいよ、宮城県の旅もラストスパートだ。
そして、気仙沼を訪れるのは3年ぶり。遠巻きにいろんなかっこいい方たちが、気仙沼という土地で関わりあい、大きなエネルギーが生まれているのを感じていた。だから、少しだけ緊張しながら訪れたけれど、久しぶりにお会いできた方が「おかえり」という言葉をかけてくださって、すごくうれしかった。初めてお会いした方々は、開け放った窓みたいに清々しかった。
旧志津川町(南三陸町)
まずは宿泊していた石巻市から南三陸町まで、約40kmの移動だった。
最初に訪れた旧志津川町は、町役場が位置していて、「南三陸さんさん商店街」があり、町の中枢でもある。
このあと、ものすごい大雨が降ったのだけれど、まだ旧志津川町ではカラッとした朝の晴れ間が広がっていて、爽やかな時間が流れていた。
確か、カモメって渡鳥だから、今の時期はウミネコだ。
ここでは参加型のラーニングプログラムが複数あって、震災に関係する行動や判断を考えたり、語り合う場を持つことができたりしている。
旧歌津町(南三陸町)
次は旧歌津町に訪れた。「南三陸ハマーレ歌津」に行くと、目の前には海があってヤマネコが飛んでいた。ただ、「やぁ、やぁー!」って鳴いてた。歌津のヤマネコは、ちょっと人間っぽく鳴く。
あと、JR歌津駅を訪れたとき、線路ではなく車道だと気づいた。そうか、JR気仙沼線は「BRT」といって、電車ではなくバスが走っている。JRだから線路、というわけでもない。広島の宮島でJRの船が走っているように。
旧本吉町(気仙沼市)
いよいよ気仙沼市に入った。そして、「気仙沼市」という看板があったわけだけれど、そこで原付を停めて合羽も着た。見るからに、怪しい雲が近づいていたのだ。
と言いつつ、なんとかなるんじゃないか、もしかしたら降らないんじゃないか、と期待する気持ちもあった。けれど、旧本吉町で、ものすんごい雨が降った。
それはもう、雨が意志を持つかのように、強く、嵐の中の嵐であった。
歩いていたお父さんと話をした。橋はまあまあな高さがあったので、ここまで津波が来たのかと思うとビックリした。
バイクも屋根のないところに停めていたので、土砂降りの中「道の駅 大谷海岸」へ移動した。道の駅に着くと雨が止んで、嵐が過ぎ去ったのであった。
気仙沼市
そして、次は気仙沼市の市街地へ。
具体的なプランはほとんど決まっていなくて、サユミさん(@sayumino1nichi)という3年前にお世話になった方にご挨拶をして、それからの予定は決まっていなかった。3年前、ほぼ日の方々と初めてお会いしたのも、気仙沼がはじめてだった。あの日、ぼくにとっては今まで知らなかった世界に触れた日だった。
サユミさんにお会いするのも緊張した。まず、「ここに来て!」と言われた場所がわからなくて、案内所で尋ねた。ちょっとだけ、「この合羽の人は誰だろう…」とざわついた気配を感じた。
でも、案内所の方が優しく案内してくださって、無事にサユミさんとお会いできたのだった。開口一番、手持ちの大漁旗で、
「おかえりー!!」
と言ってくださった。緊張がうれしさに昇華した。だって、「ようこそ」でもなく、「おかえり」って。それがすごくうれしくて。
おかえりと言っても、気仙沼に来るのはまだまだ3回目だ。それでも、その言葉は、心を魔法のように温かくしてくれた。
そして、サユミさんのつながりで、「今、神社の清掃活動している場所があるから、行ってみたら?」とお誘いをもらって、行ってみることにした。
すると、そこでは神社の掃除を、年齢もさまざまな方が集まって行なっていた。とても明るい現場だった。
そして、神社の方が三時のおやつを持ってくるかのように、「これよかったら皆さんで」と、鰹を持ってきてくださった。
ほんぎゃあ、鰹だ!
「あなたかつおでしょ、食べなさい、鰹を!」
と、半ば遠慮は許しませんという気配で、ぼくも同じ場に混ぜていただき、鰹をいただいた。
旧唐桑町(気仙沼市)
そのあと、SLOW HOUSEさんというゲストハウスにチェックインをした。オーナーの方も明るくてすごく優しい。
そして、もう少し気仙沼を走ってみようかなと散策をはじめた。まずはシャークミュージアムを訪れて、そのあと唐桑に行こうかなあと迷っていたとき、ちょうどさっき訪れた神社近くで、道有さんにバッタリ会った。
「あ、おれ今からつなかん行くよ? なんなら今から電話するところだけど」
という、究極のキラーパスである。
つなかんは唐桑半島に位置する民宿で、女将の一代(いちよ)さんも、3年前にお会いした方だった。先日は映画『ただいま、つなかん』も公開された。お会いしたのは一度だったけれど、一代さんの屈託のない笑顔がすごく印象的で、なんて素敵な方なのだろうと心から思った。
そして、来週「かつお祭り」がある週末に、つなかんに宿泊する予定で、その前にご挨拶ができたらいいな、と思っていた。そのときに、道有さんと偶然出会って、電話もしてくださって、「全然おっけーだよ!」という流れで、つなかんを訪れることができたのだ。
誰もいない。聴こえるのは、波の音と鳥の鳴き声。
きっと、ぼくは気仙沼のことをまだ全然知らないけれど、でも、ほんとうに心から尊敬するまちです。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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