ふるさとの手帖

市町村一周の旅

4月のあとがき。

気づけば4月は流れ去りました。雲ひとつなかった4月のあの日は、凪いだ海辺のように穏やかな昼下がり。窓ガラス越しに眺めたあの日は、地球がいつもより笑っているようでした。

1日の長さは24時間。去年の24時間も、江戸時代の24時間も、縄文時代の24時間も、どれも同じ長さなのでしょうか。もし一緒なら、どのような日々であれ、1日を、ほんの少し立ち止まりながら、1日を、積み重ねるように、生きるほかありません。

きっとそれは私たちが後から呼ぶ、歴史なのでしょう。


4月1日。玄関と光。
4月2日。縁側。
4月3日。一人暮らし。
4月4日。二人暮らし。
4月5日。人類。
4月6日。真新しさ。
4月7日。下を向けば。
4月8日。群れ。
4月9日。集合。
4月10日。上を向けば。
4月11日。真っ直ぐ。
4月12日。友人。
4月13日。検温。
4月14日。昼寝。
4月15日。朝焼け。
4月16日。家族。
4月17日。つくります。
4月18日。夜明け。
4月19日。夕焼け。
4月20日。卵焼き。
4月21日。ゆりかもめ。
4月22日。学校。
4月23日。笑顔。
4月24日。職人。
4月25日。ベランダ。
4月26日。掃除。
4月27日。おやすみ。
4月28日。ハレの日。
4月29日。いただきます。
4月30日。日々。

とかく、日々を生きている。ただ、耳を澄ませば聖徳太子でも聞き分けれないほどに、この世には音が鳴っている。されど、二畳の茶室で千利休が抹茶を点てたように、小さな空間でも、置かれた場所で花は咲くらしい。はたまた雪舟は柱に縛り付けられながら、足の指と涙でネズミを描いたという。私は昨日を、今日を、明日を、信じなければなりません。

みなさんとって、ほんの少しでも、実りある5月となりますように。

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