ふるさとの手帖

市町村一周の旅

「瞳を閉じて」を聴きながら、奈留島へ。【旧市町村一周の旅(長崎県|1月12日―281日目)】

「瞳を閉じて」を聴きながら、奈留島へ。【旧市町村一周の旅(長崎県|1月12日―281日目)】

福江島の朝、見事に晴れた。2泊3日お世話になった、ネドコロノラのマナミさんたちにご挨拶をし、鬼岳に寄って福江市街地を目指す。ノラさんで過ごした時間、思い出深い時間になりました。ほんとうにありがとうございました!

素敵なご縁をありがとうございました。

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【81/175】

81/175
46.29%
訪れた旧市町村の数【782/2,094】
782/2094
37.35%
総計【863/2,269】
863/2269
38.03%

スーパーカブの総走行距離
21930km

奈留島へ。

旧奈留町(五島市)
鬼岳は福江島のシンボルのひとつだ。前回の旅でも訪れた。今回も行きたかったけれど、天気の良い日に行きたいなあと思っていた。だから、今朝、島でようやくスカッと青空が広がって、行こう! と。
道中の風景。(旧岐宿町)
福江市街地。
美しいなあ。
鬼岳は小さな思い出がある。前回の旅で訪れた日は春の快晴で、新緑の芝と青空の景色にものすごく感動した。そのとき、大橋トリオの『面白きかな人生』という曲をかけたら、曲と景色が溶け合って、いろんな気持ちが爽やかに昇華して、ほんとうに幸せな気持ちになった。
 
だから、この曲と鬼岳は、ぼくの心の中で小さく結ばれていた。今日、晴れた鬼岳で6年ぶりにこの曲を流した。朝なので誰もいなかった。当時のことを思い出したし、今日という日があって、ただただ幸せだった。ああ、がんばんなきゃ! 今、せっかく生きているのだから!
冬の鬼岳へ。
美しかった。
そして、レンタルバイクを返却して、福江港へ。
鬼鯖を食べた。すんごく脂がのって美味しかった(ちょっとお値段は高い)。
奈留島を目指す。

鬼岳から港へ。今回乗るフェリーは、奈留島と上五島の奈良尾へ向かう。ざっと見て30人ぐらい乗船した。地元の人も「今日は乗っとるなあ」と呟いていた。

福江港から奈留島まで、40分の船旅だ。デッキへ上がると、ベンチで昼食を食べている人もいれば、海風を浴びながら、新聞を読んでいる人もいる。その光景は、とても美しい。

船は久賀(ひさか)島の近くを通り過ぎていく。断崖絶壁の景色を見て、ただ圧倒される。久賀島には旧五輪教会堂という教会が、山道の険しい先にある。そこに教会をつくることは、どれだけ大変だったのだろう。ぼくにはわからない。そういうことをふと考える。船は走っていく。

船に乗ろう。
久賀島を通り過ぎる。
奈留島が見えてきた。

自転車を借りて、奈留島を巡ろう。ー旧奈留町(五島市)

奈留島のことは、ずっと気になっていた。どうして気になっていたのだろうと思う。とにかく、ずっと惹かれていた。いつかは思い出せないけれど、ユーミンのエピソードも、誰かに教えてもらっていた。そのときに奈留島のことも調べた。前回の旅では行けなかったのだなあと思った。やっぱり、そのときからなのかな。今回、奈留島が五島列島最後の旅になった。
 
今回は、スーパーカブを運んでいないので、事前に島のレンタルサイクルを予約していた。レンタルバイクが利用できなかったので、自転車と車のどっちかと聞かれて、自転車かなあと。「車じゃなくて良いですか?」と念を押されたけれど、痩せ我慢ってやつかもしれない。やっぱり、たくさん風を浴びたいから。
 
ただ、港に着いて自転車を借りたまでは良かったものの、荷物が前カゴと後ろの荷台でいっぱいなので、宿に預けられないかなあと、宿泊予定の奥居旅館さんで尋ねてみた。まだ13時前だったけれど、「良いですよー!」と、気さくにチェックインもしてくれた。ありがたかった。荷物を置いて、すごく身軽になった。
奈留島だ。やっと来れた。うれしいなあ。
今回はレンタサイクルです。
奥居旅館さんで先に荷物を置かせてもらった。ありがたい。

さあ、ここから島を巡ろう。最初に目指したのは、やっぱり奈留高校だ。ユーミンの「瞳を閉じて」の歌碑を見に行くために。

市街地を進む。
2008年の10月から。
奈留高校へ。

奈留島とユーミンのエピソードは、ぼくが説明するよりも、ネットで調べた方が詳しく載っているだろう。奈留島の高校生がラジオ番組へ送った「校歌を作ってほしい」という投稿から、「瞳を閉じて」は生まれた。この名曲は、奈留島の愛唱歌になっている。

校舎の手前のロータリーに自転車を停め、門をくぐったすぐ左手に、その歌碑は建っていた。『瞳を閉じて 作詞作曲 荒井由美』そして、歌詞が刻まれている。刻まれた字は、ユーミンの筆跡だという。字を見て、とてもいいなあと思った。やさしい字だなあ、って。
もう、曲は覚えいるので、口ずさみながら、もう一度門をくぐって自転車まで戻った。いいなあと何度も思った。奈留高校から降りていく坂道が、違った景色に見えた。
次に、江上天主堂を目指した。海沿いの坂道を立ち漕ぎして登っていくと、必死なので、いろんなことを忘れて、あの頃の自分に戻ったようだった。自転車を立ち漕ぎしていた、あの頃。
小田河原展望台から。
山が深いなあ。
海も壮大だ。
小田河原展望台から見た、奈留瀬戸の眺望にも感動した。山と海が大自然を織りなしていた。
 
最後は急坂をくだって、江上天主堂に到着した。水色の窓枠が印象的だ。それに高床式になっている。あとで説明文を見ると、湿気対策だとあった。見学の予約はしていないので、教会の中には入らない。車は一台停まっていた。奈留島にも、深い祈りがある。
江上天主堂。

江上天主堂からは、宮の浜海水浴場へ向かっていく。相ノ浦湾へ出ると、海鳥がゆったりと海に浮かんで気持ち良さそう。そして、相ノ浦湾の地形に驚いた。ローマ字の「W」を描くように、深く切り込んだ入江になっていたからだ。海辺を走っていたら、休んでいた漁師さんたちと目が合い、会釈した。
 
宮の浜海水浴場に着くと、屋根付きのベンチがいくつかあって、そのひとつを陣取ってゆっくり過ごした。ベンチに座って落ち着いたら、波の音が大きくなった。曇ってきたので、写真はそんなに撮っていない。ふと、糸井重里さんと宮本茂さんの対談を一気読みした。読み終わったらエネルギーが湧いて、海の遠くをただ眺めた。
相ノ浦湾。
宮の浜。
静かに過ごした。

この後、スーパーで晩御飯を買って、自転車を返却し、奥居旅館さんに戻った。ゆっくり作業したかったけれど、明日の船便も、朝7時35分発だ。乗り遅れちゃいけない。早めに寝よう。寝る前にもう一度、ユーミンの曲を聴いた。
 
本日のひとこと
明日は移動日。船を乗り継ぎ、本土に戻って、諫早方面を目指します。
(終わり。次回へ続きます)

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