ふるさとの手帖

市町村一周の旅

的山大島や生月島へ、平戸市の旅。【旧市町村一周の旅(長崎県|1月4日―273日目)】

的山大島や生月島へ、平戸市の旅。【旧市町村一周の旅(長崎県|1月4日―273日目)】

朝6時に佐世保市を出発しました。
外はまだ真っ暗です。

まずは平戸港へ向かって、約40キロの移動からのスタートでした。
思いのほか寒くて体が冷えていきます。
もっと厚着すればよかったなあ、と体が限界を感じて、途中でコンビニにも立ち寄りました。
コンビニで体を温めないと、体が思うように動かなくなることがあるんですよね。
そんなことないでしょ、って思われるだろうけど。

さあ、佐世保市を抜けて平戸市へ。

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【81/175】

81/175
46.29%
訪れた旧市町村の数【756/2,094】
756/2094
36.10%
総計【837/2,269】
837/2269
36.89%

スーパーカブの総走行距離
21500km

的山大島や生月島へ。

旧大島村(平戸市)→平戸市→旧生月町(平戸市)→旧田平町(平戸市)、の4つ。
佐世保市から平戸市にようやく近づいた頃、空が明るくなり始めました。
紫色とピンク色の朝焼けがとても綺麗で。
朝焼け(佐世保市旧江迎町)
江迎川(佐世保市旧江迎町)。
やがて平戸大橋を渡る頃には、朝日が差し込み始めました。
もう、頭で考えるよりも前に、体が自然に止まって。
平戸大橋。美しい。
平戸大橋を渡ってからはすぐに平戸港へ到着しました。
観光案内所と交通待合所があって、制服姿の高校生たちもバスを待っている様子。
平戸港からは的山大島(あづちおおしま)と度島(たくしま)がそれぞれ船で結ばれています。
 
高校生たちも島から渡ってきたのかもしれないし、そうではなくこちら側に住んでいて、ただバスを待っているだけかもしれない。
 
でもとにかく、平戸港にはそうした日常が広がっているんだ、と印象深く映りました。
 
乗船券を購入します。
カブを船に積載したいと思っていたけれど、車両は予約が必要だと窓口に書かれてあって、そっかあと。
難しいですか、と聞いたらなんとかなったのかもしれないけれど、無理にお願いをして、それを「親切に対応してもらいました」なんて表現するのは嫌なので、カブは港に置いて徒歩で乗船します。
 
船は瀬戸内海で見るようなサイズだと感じました。
船着場の左右に船が係留されていて、左が的山大島行き、右が度島行きの船。
ぼくは左側の船に乗りましたが、ちょっとドキドキして船員さんに間違っていないか確認したり。
そのあと、船内アナウンスが鳴ります。
 
「本船は大島行きです。お乗り間違えの方はいらっしゃいませんか」
 
よし、間違ってない。
的山大島へ出発だ。
朝の平戸港。
フェリー大島に乗船します。
隣は度島行きの船。
車はバック駐車で積載していました。結構珍しい。
さあ、出港。
テレビはついたり消えたり。

変わらない時間、神浦の町並み。ー旧大島村(平戸市)

航海も途中までは良かったのですが、最後にすんげえ揺れました。
遮られていない外海を通ったからだと思います。
ちょっと気持ち悪くなりましたが、無事に的山大島へ着いて一安心。
的山大島へ。
島の地図。

2005年に合併するまで、的山大島は大島村として存在していました。

港では島から平戸へ向かう船便でお別れがあるようで、名残惜しそうな「またねー!」という挨拶を垣間見ます。
自分が知らないだけで、ここにもひとりひとりの日常があるのだなあと。

そして、徒歩での散策に変わったことで、急に島が大きくなりました。
いくつか行きたかった場所はありましたが、帰りの船便までに残された時間は約2時間。
メインである神浦の集落まで徒歩50分かかる見込みだったので、必死に往復してなんとか間に合わせようという作戦です。

港から歩いて神浦の町並みを目指す。
島の方の車にビュンビュン抜かれながら。
石積みだ。

小学校と。

歩くこと50分、ようやく神浦の町並みに着きました。
車と舗装された路面以外は、何も変わっていないような時間の流れに驚かされます。
静かな集落をドキドキしながら歩きました。

昔ながらの佇まい。
そこには生活の中で守られている規律のようなものを感じました。
落ち葉があれば掃き、ゴミがあれば拾い。
「変わらない気配」という美に触れたとき、簡単に「田舎」や「地方」という言葉に寄せてしまうのは、やや短絡的だと感じられます。
変わらないことは、守ってきた時間の積み重ねでもありますから。

旧市町村の一周の旅を通して、的山大島へ訪れることができて良かったです。

丘陵性の地形で棚田が多く広がっていました。

神浦の町並みへ降りていく。

神浦の町並みへ。

変わらない時間。

あちこちで、いとも簡単に釣れてた。

往復10キロ歩いて、港へ帰ってきた。

的山大島から平戸港へ戻ります。

危ない、なんとか10分前に間に合いました。
港まで向かう間、次々と車に抜かれました。

「この人、歩いて観光してるよ」
って、思われたことでしょう。
汗をたくさんかきました。

ザビエル記念教会、平戸城、川内峠。ー平戸市

朝一の便で的山大島へ向かいましたが、平戸港に帰ってきた時刻は12時です。
ここから、きちんと巡ることとできるだけ遅れないことを心がけて進んでいきます。

最初に訪れたのは、平戸ザビエル記念教会。
建物内は撮影禁止ですが、見学もできました。
天井が高く、柱にも細かな装飾が施されていて、ステンドグラスには陽射しが差し込み、包まれた空間は粛々と清々しい。

1931年の献堂落成式の写真を見ると、信者さんであろう方々がたくさん写っていました。
禁教の歴史は、やはり考えさせられるものがあります。
もちろんまだまだ、知らないことばかりですが。

平戸オランダ商館。船から。

ザビエル記念教会。
近くにはいくつかのお寺もあります。
寺と教会の見える風景。

次に平戸城に向かいました。
松浦(まつら)家の築いた亀岡城の展示を見ながら、最後は展望台に上がれる形式でした。

松浦家の26代と29代がそれぞれ亀岡城を築いていたけれど、26代目は築城後に自ら城を燃やしていたり、いろいろ大変そうだなあと。

まちが海外にひらかれていると、国内だけではない均衡を保つ必要があります。
対馬の宗氏が、海外との板挟みの関係で大変だったこととも重なりました。

亀岡神社。
平戸城。
展望台から。
平戸の町並み。明るい開かれた港だなあと。

最後に、川内峠にも訪れました。
冬の黄色に染まった草原も見事でしたよ。

川内峠。

そして、生月島が見えます。
生月大橋を渡りましょう。

鮮やかな漁港と暮らしの気配が好きだ。ー旧生月町(平戸市)

次にやってきたのは生月島です。
大学の先輩がこの島の出身で、
「とっても良い島だから!」
という言葉をもらっていました。

でも、実際に行ったことがないので、どんな島なのかは正直実感が湧かなかった。
ところが、海沿いの道に出て生月島が遠目に見えてきたところで、「なんだこの島は!」と。
旅で直感が鍛えられていたら嬉しいですが、遠目から見ても良い島だなあと。

生月大橋を渡って島に入ります。
島は緩やかな山で、東の斜面に広がっている集落の様子がやはり好きでした。
そして、漁港がとても生きていると感じられて。
 
素人なので、間違っている可能性も大いにありますが、遠洋系の船が多いんじゃないかなと。
気仙沼で見た漁船と雰囲気が似ていました。
気仙沼の漁港には北海道や青森からやってきている船も多く、それと似たものを感じたからです。
 
観光地である塩俵断崖や大バエ灯台にも行きましたが、生月島全体の雰囲気に、心奪われたのでした。
生月島へ。
船と生月大橋。
生月支所。
柱状節理の塩俵断崖。
大バエ灯台。
海が青いなあ。

田平天主堂と昆虫自然園へ。ー旧田平町(平戸市)

生月島を離れて、今度は平戸大橋を東に渡った先の旧田平町を目指しました。
 
まずは田平天主堂へ。
入館料を支払って天主堂内も見学します(堂内は撮影禁止)。
ステンドグラスの絵もザビエル記念聖堂とはまったく違いました。

ほっこりしたのは、教会内の柱に小学校の教室についていたような扇風機がたくさんついていたこと。
夏場は暑いのだろうなあ。
でも清らかで、祈りの場を感じた時間でした。
レンガ調でカッコいいです。
たびら昆虫自然園にも向かいます。
17時閉館で16時20分ごろに着いたので、入れるかどうかわかりませんでしたが、受付で「ちょっとお待ちください……」と待った後、「大丈夫です、案内できますので」と。
 
自由に巡るのかと思っていましたが、これが違って、ガイドの方が自然園を直接案内してくださるという形でした。
しかも、フィールドは敷地内の自然園そのもので、「ここに虫がいますね」と、生きている昆虫を探すという大冒険。
 
枝に同化した虫なんか、ぼくは気づかずに通り過ぎてしまっているのに、「これも虫なんですよ」と言われると、ほんとだあ!って。
水辺のレンガをひっくり返して、
「ここに、サンショウウオの卵があります」
って、ほんとうにいたりもしました。

見ている視点が違うと、見えるものがこんなにも違うのかと。
楽しかったなあ。
閉館間際に優しく案内していただき、ありがとうございました。
 
ちなみに、館内には昆虫写真が大きく飾られていて、それもすごく良かった。
昆虫への愛が溢れていて。
いい写真って、そういうことだなあって。
昆虫館へ。
わお。
気づかないところに昆虫がいっぱい。
広々とした敷地でした。
右の枝っぽい(いちばんピントが合ってる)のが、虫です。
かまきりの卵。
サンショウウオの卵。
サンショウウオ。すごい!
温かい施設でした。
昆虫写真もすごく良かった。
最後に平戸瀬戸市場周辺も歩いた。
夜は松浦市でアジフライを食べました。ふっくらでとっても美味しかった。
というわけで、今日の散策はここまで。
知らない世界がぐっと広がって、もちろん、今日だけで知ったつもりには到底なれませんが、ありがたい1日だなあとつくづく思いました。
 
本日のひとこと
松浦市の宿で、中学校の成人式の同窓会がひらかれていました。いろいろと思い出しますネ。
(終わり。次回へ続きます)

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