朝7時の佐世保港は、まだ夜明け前でした。
これからフェリーに乗って上五島を目指します。
年末年始のため、事前に電話で乗船予約をしていました。
車は満車だったけれど、バイクなら大丈夫だと。
出港は朝8時です。乗船を待つ間に空は明るくなりはじめ、山並みと空が乖離し、徐々に街の輪郭が浮かび上がりました。
さらに、隣の高速船乗り場には長い行列ができています。
それはまるでバスや新幹線に人が並ぶように。
これも佐世保港の日常なんだ、そう思いました。
無事に乗船を終え、ドタバタしている間に船は出港です。
乗船から出港までの時間は多少あるけれど、この時間はいつも異常なほど早く過ぎ去っていく。
そして、船内でパソコンや本をひらく前に、一度デッキに出ると、景色に心を奪われたのでした。
太陽が船から出る白波を照らし続けている。
この様子だけでも、ずっと見ていられた。
それに、だんだんと遠ざかっていく佐世保の街並みにもうっとりするばかりで。
青い海と空、山と街並み。
この景色を見るための船なんじゃないか、そう思えるほど満ち足りていた。
佐世保の景色が大好きだ。
今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【81/175】
訪れた旧市町村の数【751/2,094】 総計【832/2,269】スーパーカブの総走行距離
21320km
いよいよ上五島にやって来ました。
現在は新上五島町であり、上陸するのは中通島という島です。
平成の大合併までは5つの町にわかれていて、それらを巡っていくのが目標になります。
元々は旧有川町として存在していました。
宿もここで取っているので、港に着いてからほかの町を巡り、最後に旧有川町を巡ろうと。
明日、宇久島から戻ってきたあと、あらためて散策をしようと思っています。
若松島の日島曲古墓群へ。ー旧若松町(新上五島町)
そうすれば、間に合わなかったときのリスクも少ない。
そう思って、最初に旧若松町を目指しました。
中通島の南西部と若松島などで構成されているエリアです。
若松島の土井ノ港にナビを定めると、有川からは30km離れていました。
到着して看板を読むと、諸説ある古墳群でイマイチ難しい。
ただ、古墳は灯籠のように四角や丸い石が積まれていて、古い灯籠のようでした。
でも、恐山ほど殺伐はしていない。
優しい気配を持つ灯籠が、たくさん広がっていました。
足でぶつけて古墳群を崩してしまうのが怖いので、遠巻きに眺めて。
あこう樹の迫力に感動した。ー旧奈良尾町(新上五島町)
中通島の南東部に位置する集落です。
あこう樹が有名とのことで見に行ってみると、レンガ調のタイルで舗装された商店街の先で、巨大なあこう樹が姿を現しました。
同じ場所には神社があり、神社の参道もほとんど覆い尽くすようなあこう樹の葉が、キラキラと木漏れ日を生み出していました。
シンボルのような樹だなあと。
樹齢は600年を越えているそうで、ツルのような根が石垣や地面を貫通していて、圧巻でした。
青方やカトリック青砂ヶ浦教会、矢堅目公園へ。ー旧上五島町(新上五島町)
それぐらい、市街地の大きさも感じられる。
矢堅目公園の先には巨岩がそびえていて、青砂ヶ浦教会はレンガでつくられた外観が、西日を浴びて非常に美しく佇んでいました。
最北端、津和崎灯台を目指して。ー旧新魚目町(新上五島町)
新魚目(しんうおのめ)は細長い地形をしていて、島の最北端まで含まれているので、余裕があればそこまで行ってみたいなあと思っていました。
そして、時間も間に合いそう。
中通島の地形を見ていたら、上五島や有川の市街地は、島の北部に位置していると思っていたけど、有川から島の南西に位置する若松港まで27kmほどなので、ほとんど同じ距離ではないかと。
それぐらい、新魚目は細長い地形なのだなあと感じられました。
津和崎灯台までの道のりも険しく、坂道とカーブを何度も進んで、遠いなあと思いながら、ようやく津和崎灯台に着きました。
すると、灯台からは野崎島と小値賀島が近くに見えてびっくり。
ここまで北上していたんだ、と地図以上の近さがありました。
ああ、どちらの島も行きたいけど、今回は行けないなあ。
つくづく、島の広さを感じるばかりでした。
明日の高速船は6時40分発なので、寝坊できない。でも、ちょっと不安です。
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