ふるさとの手帖

市町村一周の旅

名護屋城や元寇船、海と歴史と暮らし。【旧市町村一周の旅(佐賀県・長崎県|12月13日―251日目)】

名護屋城や元寇船、海と歴史と暮らし。【旧市町村一周の旅(佐賀県・長崎県|12月13日―251日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【81/175】

81/175
46.29%
訪れた旧市町村の数【714/2,094】
714/2094
34.10%
総計【795/2,269】
795/2269
35.03%

スーパーカブの総走行距離
20630km

旧呼子町→旧鎮西町→旧肥前町→(旧鷹島町)→(旧福島町)→旧北波多村、の7つ。
松浦市の旧鷹島町と旧福島町。

名護屋城や元寇船、海と歴史と暮らし。(2023年12月13日(水)―251日目)

一昨日と昨日は久しぶりの雨だった。ちょうどそのタイミングで、唐津市にいる友だちのご実家で休ませてもらった。ご両親にもたくさんお世話になり、とてもありがたい時間で。

そして、今日は朝から綺麗な朝焼けだった。ご実家のみなさんにご挨拶をして、再出発だ。たくさんお世話になり、ありがとうございました。

旧呼子町(唐津市)

最初に向かったのは、旧呼子町。ここでは、旧を付ける必要もないかもしれない。呼子はイカでとても有名なまちだから。

でも、合併して唐津市になったのだなあとも思ったし、唐津市街地からは、20キロほど離れているのだった。だから、土地に訪れるのは初めてだ。

港に着くと、船がぎっしりと停泊している。そして、呼子朝市を訪れてみよう。サンタクロースの帽子をかぶったおばちゃんたちが露店をひらいていて、その棚にはドン! とイカが並んでいる。

「お兄ちゃん、クリスマスツリーのイカ、ひとつお土産だよ」

と、露店のおばさんに言われて、どういうことだろうと広場のクリスマスツリーを見ると、ツリーの飾りがパッキングされた本物のイカなのだ。しかも、それをひとつ持って行って良いという……。この心意気だけで、呼子が好きになっちゃうよね。

そして、玄界灘の北にある松島で採れた、サザエの壺焼きを食べた。もちろん、イカを食べるつもりできたけれど、魔が差したというか……。イカのお造りが食べられるお店は、お昼の営業なんだよなあ。

呼子へ。

朝市だ!
イカのクリスマスツリー。
飾りが本物っていうのがすごい。ひとつ取っていいよと言われたのもすごい。
イカが並ぶ。

サザエの壺焼きを食べた。

呼子ではもう一箇所行きたい場所があった。それは「加部島」だ。呼子大橋を渡って、陸路のまま行くことのできる島。いちばん北の方まで行くと牧草地が広がっていて、冬の牧草と青い海の景色は素晴らしかった。

海も透明だ。
光が美しい。
呼子大橋を渡って、加部島へ。
加部島。
北風が強いけれど、それもいい。

喜界島や北海道みたいな道だと思った。

旧鎮西町(唐津市)

次にやって来たのは、旧鎮西町。呼子と同じく海がそばにあって、進んでいく道中の景色もたのしい。
 
そして、名護屋城跡を訪れた。駐車場の敷地から広いなあと感じられたけれど、城跡まで行くと、その広さにまたガツンと驚かされた。
 
恥ずかしながら、ぼくは名護屋城跡を最近まで知らなかった。知ったのは対馬の「対馬博物館」で展示を見たとき。対馬を治めていた宗氏が、豊臣秀吉の朝鮮出兵にあたって大変な板挟みの思いをしていたのだと知ったときに、名護屋城跡の名前も登場していたように思う。
 
天下統一を果たした豊臣秀吉が、朝鮮出兵を行う際の国内拠点として築いた巨大な城が、名護屋城だ。当時の城の規模は大阪城に次ぐもので、全国から大名の陣屋が150以上も建ち、城下町の人口は20万人を超えたという。
 
ビッグキャッスル&ビッグシティじゃないか。
 
城跡の広さに迷ったりしつつ、本丸のあたりから玄界灘の景色を眺めると、また絶景であった。ここからは、壱岐島も近いのだなあということも。
旧鎮西町へ。
名護屋城博物館もある。
石垣も高い。
そして、広い。

名護屋城跡を訪れたあと、波戸岬も訪れた。城跡よりも北側に位置し、外海にほとんどさらされるような場所で、とにかく北風がすごくて。波も高く激しい白波が立っていて、そこに逆光があたり、見たことのないような乱反射だった。
波戸岬へ。
一方は穏やかな砂浜。
海はいい色だ。
上から見ると白波がすごい。

旧肥前町(唐津市)

次にやって来たのは、旧肥前町だ。玄海町を挟んで、市街地まで20キロほどの移動だった。呼子町、鎮西町、玄海町、肥前町はそれぞれ、ちょうどいいぐらいの面積のまちで、玄海町だけ合併していない。
 
肥前市民センターの近くを歩いたあと、近くにお食事処があって、営業中の看板を見て入ってみることにした。佐賀を中心に山海の幸を味わえるお店で、「お昼のおまかせ膳(1250円)」をいただいた。カウンターに座らせてもらったのだが、目の前に見えるお皿たちに味がある。さすが焼き物の地域だ。座席からは、おばあちゃんたちがおせちの話題で盛り上がっていた。
 
届いた御膳は品数がほんとうに多くて、天ぷらとお刺身もどちらも付いていて、これで1250円なんですか! と、通販番組のようなことを思ってしまった。お刺身も美味しかったなあ。お腹いっぱい、ご馳走様でした。
肥前市民センター。
お食事処、灯庵さん。
お皿が良い。
わー!美味しかった。

お昼ご飯のあと、鷹島肥前大橋へやってきた。この橋を渡ると、長崎県松浦市だ。長崎県ではあるけれど、橋は佐賀側から架ける方が、地形的に良かったということだろう。
鷹島肥前大橋。
美しい海。

順番は少し前後しているけれど、大浦の棚田にも訪れた。面積が広くて、棚田を降りきった先には港が見える。玄海町で有名な浜野浦の棚田だけではなくて、ほかにも美しい棚田が広がっているのだなあと。
大浦の棚田近く。
大浦の棚田。美しい。

旧鷹島町(松浦市)

鷹島肥前大橋を渡って、松浦市の旧鷹島町へ入った。2006年に合併するまでは、島が町として独立していたわけだ。
 
鷹島に入ると、すれ違う車の主要なプレートナンバーが「佐世保」に変わって、今は長崎県にいるのだと実感する。そして、鷹島支所に向かう途中、「元寇船のいかり」や「鷹島神崎遺跡展望所」の文字が目に入った。展望所に寄ってみると、目の前の海が国指定の海底遺跡になっているのだと。そうか、ここに元寇の船が眠っているのか。最近出会った元寇の史跡は、博多湾の元寇防塁だけれど、戦いの実感が大きく湧いたわけではなかった。でも、ここに元寇の船が眠っているのだと思うと、防塁よりも個人的には実感が湧いたのであった。だって、敵船が間違えなくここに来た、ってことだから。
モンゴルとのタイムカプセルもあった。

鷹島神崎遺跡が、この海にある。

鷹島支所。

殿ノ浦港まで降りた。

旧福島町(松浦市)

鷹島から佐賀県に戻り、今度は「福島大橋」を渡って、福島へやってきた。鷹島と同じく、2006年に松浦市と合併した島だ。
 
島に入ると、「緑と海の休養地」と書かれた看板があって、今もかもしれないけれど、保養地だったのかなあと。市街地は島の気配をそのままに感じる、穏やかな港町だった。
福島へ入って直後の地形が独特だった。
福島支所。


その後、土谷棚田と大山展望台へ向かった。土谷棚田は広々とした棚田で海まで通じており、とても美しい。旧肥前町で見た大浦の棚田みたいだ。

大山展望台からは大小の島々を臨むことができた。確かに長崎らしい地形かもしれないなあと。

土谷棚田。

大山展望台へ。
大小の島々だ。

椿もいいな。

旧北波多村(唐津市)

福島から唐津市街地へ戻る途中、旧北波多村を通過する。元々、旧北波多村は明日巡ろうと思っていた。ただ、日没が迫っていたものの、明日はあまり天気が良くない予報だったので、晴れているうちに巡ろうと、立ち寄ることにした。
 

古窯の森公園や四季の丘公園に寄って、あとは市街地へ。中学校の近くに広々とした田んぼがあって、その細い道を歩いているおばあちゃんや中学生の姿が、心に染みたのだった。

ちなみに、今回の旅では含まれていないけれど、旧北波多村のすぐ南の伊万里市に、南波多の地名があった。

旧北波多村。
スカッとした景色だ。
四季の丘公園。
北波多市民センター。
日が隠れていく。

というわけで、今日の散策はここまで。今日は合わせて3つの島に行ったので、不思議な気持ちだ。

本日のひとこと
鷹島で殿ノ浦の地名と出会ったとき、広島の鞆の浦が浮かんだ。連続して読むと「とののうらとものうら」だ。
(終わり。次回へ続きます)

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