今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】
訪れた旧市町村の数【463/2,093】 総計【512/2,268】スーパーカブの総走行距離
14030km
宗谷地方に向かっていく旅。猿払村のホタテとともに。(2023年9月6日(水)、7日(木)―153~154日目)
北海道の旅も、後半戦に入っている。ほかにも行きたかった場所を短縮してしまっている気持ちもあるけれど、いずれにせよ移動に時間がかかるし、北海道は広いなあと思わずにはいられない。
9月6日は名寄から枝幸まで旅をして、そのあと猿払村役場でお勤めされている、新家拓朗さん(@takuro_shinya)とお会いした。猿払村といえばなんたって、「食ってみな 飛ぶぞ」のホタテだ。天然ホタテ貝の水揚量日本一を誇る村で、新家さんに今朝水揚げされたばかりのホタテをご馳走になった。もう、ほんとうに美味しくて、飛ぶしかなかった……。
それでは、振り返っていこう。
旧風連町(名寄市)
最初に訪れたのは、名寄市の旧風連町。特産品はもち米だ。この辺りを走っていて、田園風景が広がっていることも多かったのだけれど、どんなお米なのなあって。でも、ようやくそれが、「きっと、もち米なんだ!」と旧風連町を訪れて思った。
名寄市
名寄市の北国博物館に入ってみる。北国での開拓から現在に至る暮らし、名寄の地形や化石、いろんな展示を見ることができた。
厳冬期の現象「サンピラー」の説明があって、テレビか何かで見た気がするなあとおぼろげに。氷点下30度のもと、朝夕に青空に映えて輝く樹氷だ。名寄市には公園施設「サンピラーパーク」もあるので、身近な名前なのだなあと思った。
旧歌登町(枝幸町)
名寄市から旧歌登町まで、70kmほどの移動。途中通過した「音威子府(おといねっぷ)」の響きがなつかしい。
旧歌登町は海に面する枝幸町の中で内陸に位置するまち。市街地に入ると、山から冷たい風が吹きおろしてくる。人も少なくて、ちょっとだけ寂しいような気もした。東屋(あずまや)があったのでそこで静かに、お昼ご飯を食べた。
枝幸町
枝幸町の三笠山展望閣を訪れると、オホーツク海に広がる集落が一望できた。家並みは綺麗に密集している。南側に漁港があり、その先は海岸線が伸び続ける。
オホーツクミュージアムえさしで展示を見たあと、役場近くも散策した。地元のスーパーを見つけて入ってみる。見てみたいのは、鮮魚コーナー。鮭、鮭、鮭、鮭、ホタテ、浅利貝、真蛸、生サンマ……と、一流の海鮮物が、当たり前のごとく鎮座していた。
猿払村の新家さん、そして稚内。
枝幸町を訪れたことで、旧市町村一周としての最北には訪れることができた。ただ、今回は猿払村の新家さんにお会いするために、もう少し北上する。新家さんは村役場の職員。まだお会いしたことはなかったけれど、面識は数年前からあって、いつか猿払村にお伺いできたらとお話をしていたのだ。
役場で話を伺ったあと、村を案内していただいて、お家でホタテとジンギスカンをご馳走になった。なんと、今朝水揚げされたホタテと新家さん一押しのジンギスカンを、用意してくださっていたのだ。
ホタテは殻を外すところから。やってみる?とやり方を教わったけれど、むずかしい。殻を外そうとすると、殻が閉じていくのだ。「殻が、閉じていきます!」と言うと、「生きてるからね!」と。そうか、まだ生きているんだ。新鮮だ……。
ようやく貝柱を取り出すことができたとき、「丸ごと食べて」と。えええ、丸ごとですか。なんて贅沢な、いいんですか。と挙動不審になっていると、「丸ごと食べたときに感じる繊維の歯応えが、美味しいんだよ」と教えてくれた。ひと思いに、丸ごと、いただく!
「うんめぇ………」
こんな贅沢な食べ方、初めてだ…。しかも、猿払村のホタテだ。天然ホタテで身も大きくて、繊維が引き締まっていると。噛めば弾力があるし、繊維がほぐれていく舌触りも、たまらん。
ほんとうに、人生でいちばんの量のホタテを食べた。「俺はまた食べられるから」と言って、どんどんホタテを食べさせていただいたのだった。醤油で刺身として、ホタテの耳(貝柱の周りにあるコリコリ)を醤油などで漬けたものも、さらには焼きバターでホタテをじゅるっと……。
新家さん!忘れられない猿払村の時間を、平日の中、ほんとうにありがとうございました。
その晩に稚内へ移動した。猿払村の宿がすべて満室で、取れなかったのだ。雨上がりの宗谷丘陵は、満天の星空が輝いていた。前方と後方を確認して空を見上げると、満天の星空が伴走していた。一度、いや三度、原付を止めてヘッドライトを消す。周辺に明かりは一切ない。そのときに見えた星空は、すごかった。夜空が丸く感じられて、そのまま吸い込まれそうで、そこにはぼくしかいなかった。
翌日、ノシャップ岬とラーメン屋さんを訪れたあと、沼田町まで南下していった。宗谷地方の旅も、これで無事に終わりだ。思い出とともに。
枝幸町のスーパーで、地元の方々が「暑いわねえ」と話をしていた。外の気温は20度だった。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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