ふるさとの手帖

市町村一周の旅

大雪山の石北峠を越えて、上川地方へ。【旧市町村一周の旅(北海道|9月5日―152日目)】

大雪山の石北峠を越えて、上川地方へ。【旧市町村一周の旅(北海道|9月5日―152日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】

49/175
28.00%
訪れた旧市町村の数【459/2,093】
459/2093
21.88%
総計【508/2,268】
508/2268
22.35%

スーパーカブの総走行距離
13520km

旧留辺蘂町→旧朝日町→士別市、の3つ。

大雪山の石北峠を越えて、上川地方へ。(2023年9月5日(火)―152日目)

北見市で雨が上がるのを待って出発した。空気がキンキンに冷えている。服をしっかり着込んでの出発だ。

北見市の旧留辺蘂町を進んだあと、一気に上北地方の士別市へ向かった。大雪山国立公園のそばを通過する石北峠はガソリンスタンドがまったくなくて、先に給油しておいてよかったと思った。

それでは振り返っていこう。

旧留辺蘂町(北見市)

北見市から国道39号線を西に進むと、旧留辺蘂町に入る。留辺蘂の読み方も、初見ではむずかしい。でも、一度覚えたら、クセになるというか、好きな地名に。「るべしべ」だ。「しべ」は、めしべ、おしべのしべ。漢字にすると、「蘂」。心が3つもある。いい漢字だ。書くのは大変だけど。

北の大地の水族館を訪れる。ちょうど10時で同じ敷地にある時計塔が鳴り始めた。すると、時計の中からおもちゃのおじいちゃんと子どもたちが、楽器を持って登場したのだった。軽快なリズムと演奏の独壇場で、おもちゃの体と手も器用に動くのだ。サビなんか結構激しい動きだったぞ。一緒に見ていたご家族のお母さんが、「ドラクエがゼルダみたいな音だね〜!」と子どもに語らっていた。

水族館はとっても趣向の凝った展示だった。簡単に済ませる紹介はほとんどなくて、ひとつひとつの説明欄がオリジナルで。ネタ要素もたまにあって、クスッと笑ってしまうことも。魚の種類や珍しさだけではなく、会場全体から「展示への愛」が伝わってくると、見ている方も、自然に心が楽しくなるのだなあと思った。

旧留辺蘂町へ。

留辺蘂駅。
ストレートなコメント。

「るべ」って書いただけで留辺蘂ってわかるのが、面白い。

温根湯温泉に向かう通り。
北の大地の水族館へ。
時計塔の演奏、ナイスパフォーマンス!
水族館へ。ニジマスって外来種なんだなあ。
左と右下がオホーツク海沿岸を中心に帰ってくる、カラフトマス(尾びれに斑点がある)。右の上二匹が、サケ。
ズキュゥゥンを、ぼくも押す。
日本最大の淡水魚、イトウ。何度か見たことがあるけれど、この水族館のイトウは、大きかったあ。
トゲモモヘビクビガメ。首が長かった。
水族館で、少しでも覚えることを増やさなきゃ。

旧朝日町(士別市)

旧留辺蘂町から士別市の旧朝日町まで、約140kmの移動だった。突入した石北峠はみるみる標高が高くなり、1000mを超える。左手の大雪山国立公園を抜けていくと、すれ違う車のプレートナンバーが北見から旭川に変わっていった。

ようやく旧朝日町に着いて、まちを歩く。飲み物を買おうと地元の商店に入った。そのときにレジでふと、「朝日町でお好きな場所ってありますか?」と、お母さんに尋ねてみる。一瞬考え込んだお母さんだったけれど、「ここからは見えないですけれど、ジャンプ台がありますよ。高梨沙羅ちゃんや、船木和喜さんもたしか飛んでいるはずです」

えぇー、すごい! ジャンプ台には上がれないはずだが、近くまで行ってみることにしよう。バイクだと数分でその場所まで辿り着いた。緑色の芝とジャンプ台のカーブが新鮮だ。まちにジャンプ台があるって、かっこいいなあ。夏場なので、誰もいないかなと思ったら、若い男の人たちが、ちょうど練習していた。そして、さらにドンピシャなタイミングで、ジャンプもしたのだった。うひゃー、音がしびれるなあ。助走のシュウゥゥ……、から、ジャンプするときのシュワッ! 最後に着地のザザァァァ……。心の中で拍手喝采。いざ自分がやるとなったら、信じられないぐらい怖いのだろうなあと思う。

旧朝日町へ。蕎麦畑かな。
家の形。
まちとスキー場。

午睡ニャ。
商店で、ジャンプ台の場所を教えてもらった。
ジャンプ台だ!
かっこいい…!!

士別市

旧朝日町から士別市の中心部へは、ひらけた道が広がっている。左右の畑や黄金色の田園風景が気持ちいい。途中、上士別町を走っていると、人だかりができている。通過したときに、その人だかりが神輿を囲っていて、神社による地域のお祭りなのだと気づいた。平日だけれど、町内のお祭りがあるのだなあ。ちょっとだけバイクを停めて、近くまで行ってみた。どうやら観光客は誰もいない。地元の方々による、地元の方々のためのお祭りだ。目立ってしまうのですぐに離れたけれど、子どもたちも若い青年もいた。祭りのあとの、BBQであろう準備もあった。楽しい夜になったんじゃないかな。

羊と雲の丘には、いろんな種類の羊がいる。イギリスのサイスダウン、オーストラリアのコリデール、オランダのテクセル、などなど。ツノがあるかないかだけではなくて、ツノも4本あるヤギがいるって知らなかった。顔の色も羊毛の肌触りも、種類によってかなり違っていた。

駐車場に戻ったとき、草刈りをしていたお父さんと話をした。お父さんが岡山大学の農学部の出身だと知って地元なので驚く。大学を卒業後、憧れていた大自然の北海道にやってきた。それであっという間に定年だよと。

「今のうちに、いろいろ経験しなさい。自分の道を進めばいい。人生は敗者復活戦だよ」

お父さん流の流儀を教わって。

地元のお祭りだ。
士別駅。

羊と雲の丘へ。
いろんな羊がいた。
夢中で喰らう。

優しい眼差しのお父さん。ありがとうございました。
士別市のまちなみを眺める。
丘が、北海道らしいなあ。

というわけで、今日の散策はここまで。いよいよ北海道も上川地方までやって来た。もう少し、宗谷地方までがんばろう。あとは道南へ戻って来れるように、安全運転で。

本日のひとこと
夜はゲストハウスに宿泊して、コテコテの関西のおじさんと相部屋になった。コテコテの関西のおじさんは、表裏がなくて、スカッと気持ちいい。「ほな、寝ますわあ!」って。
(終わり。次回へ続きます)

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