ふるさとの手帖

市町村一周の旅

道東に降り注ぐ光。【旧市町村一周の旅(北海道|9月3日―150日目)】

道東に降り注ぐ光。【旧市町村一周の旅(北海道|9月3日―150日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】

49/175
28.00%
訪れた旧市町村の数【450/2,093】
450/2093
21.50%
総計【499/2,268】
499/2268
22.00%

スーパーカブの総走行距離
13030km

旧東藻琴村→旧女満別町→旧常呂町→旧端野町→北見市、の5つ。

道東に降り注ぐ光。(2023年9月3日(日)―150日目)

朝、摩周湖へ。展望台から見る湖が気持ち良い。まったく人工物のない景色。凪いでいて、綺麗に山と雲が湖面に映り込む。湖も空と同じ青色をしていた。みごとだ。振り返れば集落が広がっている。

峠を越えて、旧東藻琴村を目指して進む。左手に硫黄山と屈斜路湖が見えて、森林の間にぽっかりと集落がある。北海道らしい景色であることは間違いない。硫黄山の近くまでやってくると、硫黄の匂いがした。この近くにも人が、住んでいる。

摩周湖へ。
みごとだった。

左手に屈斜路湖。
硫黄山も。

旧東藻琴村(大空町)

今は「大空町」となったけれど、東藻琴(ひがしもこと)の地名も、唯一無二の存在感を持っている。南側には標高999.9mの藻琴山が鎮座し、旧村には酪農や畑の風景が広がっている。

「ひがしもこと乳酪館」を訪れた。酪農に関する展示もあれば、地元産をはじめとした商品の販売もある施設。そのレジに立っていた女性が、とても感じの良い人だった。ほかのお客さんがお店を出るときも、すごく気持ちの良い挨拶をしていて、素敵な人だなと。

いくつかお土産を買って、「ソフトクリームチーズ」も食べてみた。お土産も買ったからか、お母さんはサービスしてくれて、ちょっとソフトクリームの背が高かった。お母さんは東藻琴の出身だそうだ。今は過疎化、高齢化も進んでいると。どこもまずはそうだよなあ。

乳酪館から出て市街地に行ったあと、そういえば、お母さんに合併について聞いていなかったと思って、迷ったけれどもう一度お店に戻る。旧東藻琴村は旧女満別町と合併して、今の大空町がある。

「合併した当時はまだ関心がそこまでなかったです。今となっては、大空町として進んでいってほしい気持ちもあるし、東藻琴への愛着もあります。でも、時間が経てば、また変わっていくのだろうなあとも思います」

東藻琴村へ。
長芋畑。
ひがしもこと乳酪館へ。
チーズに関する展示。
村をあげて、酪農を。
ソフトクリームチーズ。チーズの味もしっかり感じた。
市街地へ。
東藻琴総合支所。
花も美しい。

旧女満別町(大空町)

一度、オホーツク海へ流氷を見に行ったとき、女満別駅から女満別空港まで歩いて行ったことがある。もちろん雪だし、氷点下10度以下だし、しかも夜にかけてだったので、寒かったなあと。

女満別にはそうした思い出もありつつ、景色の綺麗な朝日ヶ丘展望台やメルヘンの丘を訪れた。やはり空が広い。壮大な景色に対して青空が広がると、どこまでも体の力が抜けて、ぼーっとしたくなる。

さらに網走湖の湖畔を訪れる。湖面は風下で波立っていて、今まで見た湖とはまた違って見えた。同じ場所にあるキャンプサイトには、テントがいくつも張られている。日曜日、車のナンバーを見るに、地元の人たちが多くを占めていた。そうか、都会に比べて道東地方は自然で溢れていると思っていた。でも、たとえそうだとしても、誰だってキャンプはしたいのだなあと。

青空と畑。

朝日ヶ丘展望台にて。

キタアカリだ。

メルヘンの丘。有名な場所。

網走湖へ。

玉ねぎかな。この風景、今とてもよく見る。
次に向かう道中、能取湖。

旧常呂町(北見市)

北見市が、北海道で最も大きな市だと、今まで知らなかった。東西の距離はなんと110kmほどある。箱根駅伝は往路(復路)のコースが、110kmに満たない。つまり、北見市の往復だけで箱根駅伝ができちゃうわけである。とんでもない広さだ。

ミーハーで恥ずかしいけれど、常呂はカーリングのイメージが強い。まさしく「ロコ・ソラーレ」の活躍を見ていたからだ。カーリング場である「アドヴィックス常呂カーリングホール」に訪れてみる。外観もすごく大きい。中に入っていいのかどうかわからなかったけれど、ほかの観光客のご夫婦が、同じような心地でおそるおそる入っていく。すぐに出てこない。む、ならばと入ってみる。事務局の人と目が合う。ちょっと近づいてきた。あ、今、手前のカウンターを押した。なら今は大丈夫なんだ、と安心する。

館内では写真は撮らなかったけれど、コースが6レーンあって、ボーリング場のように縦から見ることができた。感想はとにかく「広い!」だ。「長い!」でもある。丸い円の奥側まで含んだ全体のレーンの長さは、45.72m。ボーリング場のレーンの長さは、その半分以下。つまり、ボーリングの倍の長さがあるわけだ。びっくりしたなあ。テレビで観ていると、「惜しい!」なんて生意気なことを思ってしまうこともあったわけだけれど、こりゃあ、無理だわ。というか、ナイスショットしている人たちが、凄すぎる。

ちょうど、男性ふたりが練習をしていた。はっきり言って、カッコ良いんだな。長袖長ズボンの立ち姿、踵が持ち上がって見えるカーリングシューズ。見た目がオシャレで、惚れてしまう。あと、気づいたことがあって、助走してストーンを投げるまでの距離が短いと思った。もしかしたら試合では違うのかもしれないけれど、「ここに来るまでに投げてください」の位置が、結構すぐ手前にある。だから、コントロールも難しそうだ。

いつか、体験できる機会があったら、すごくやってみたい。

旧常呂町へ。オホーツク海。

北見常呂総合支所。

夏は短し、急げよ海へ。

アドヴィックス常呂カーリングホール。とても大きかった。
栄浦漁港。
サロマ湖に降り注ぐ、素晴らしい光だった。
ワッカ原生花園。

旧端野町(北見市)

旧端野(たんの)町は北見市の市街地ともかなり近い立地だ。旧常呂町から30km以上走って向かう。緩やかな山道を抜けると、黄金色の稲穂が一面に広がっていた。畑の風景も美しければ、稲作の黄金色も負けていない。旧端野町の中心部も、穏やかな時間が流れていた。

地元のショッピングモールである、東武イーストモールにも訪れてみる。学生時代、広島で過ごしたときのショッピングモールに入ったような、懐かしさ。地元のショッピングモールって、都会のそれより、安心感がある。

旧端野町へ。
黄金色だ。
すばらしい。

総合支所にて。カレーライスマラソン!?

野球場に針葉樹があるのが新鮮。
東武イーストモール。地元のショッピングモール。

北見市

最後にやって来たのは、北見市。北見神社を訪れたあと、「北見ハッカ記念館」に行ってみた。ハッカはよく聞くけれど、具体的にどういう存在なのか、分かりにくい部分もあるように感じる。北見市は一時期、世界シェアの7割を占める、ハッカ栽培を誇っていたまちなのだ。

ハッカはミント品種のひとつ。明治35年頃から生産がはじまっている。北見では気候条件が適していて、さらに取引価格が非常に高く、輸送も安易だった。そうした条件で一気に栽培が拡大し、北見市の重要な産業になったのだ。ただ、第二次世界大戦以降はブラジル産などのハッカが人気になり、当時からは衰退しつつも今に至る。

とはいえ、北見産のハッカは今も栽培が行われている。食品、石鹸、ハッカ油…日常生活の中に、いろんなハッカの商品が使われているのだ。汎用性の高さに、驚かずにはいられない。

船を牽引する車を何台も見た。
北見神社。奉納カラオケ、いいな。

北見神社。

北見ハッカ記念館へ。
最盛期、海外にたくさん輸出されていた。
ハッカだ。

隣の物販の施設で、嗅がせてもらった。ものすごく濃いミントの香りがした。

そだねー。
トリトンだ。と、思い切って夕食でいただいた。

トリトンは北海道で絶大な人気を誇る回転寿司。北見で出会ったので思い切って入ってみた。常呂産生ホタテ、網走産とろにしん、松前産やりいか…。北見の人、いや、北海道の人は、こんなに美味しいものを当たり前に食べているのか…!?

そして、あとからこのトリトンのお店が、第一号店だと知って、さらにお腹がいっぱいになったのであった。

本日のひとこと
素晴らしい天気だったけれど、鼻がずっと詰まってて、むずむずしながら景色に感動している。
(終わり。次回へ続きます)

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