今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】
訪れた旧市町村の数【424/2,093】 総計【473/2,268】スーパーカブの総走行距離
11440km
景色が北海道だなあと、北海道で思う。(2023年8月24日(木)―140日目)
1日かけてどこからどこまで行ったかの競争をしているわけではないので、目的に対して、自分のペースで進むことを、北海道では今まで以上に試される。今日もせっかく北上したところ、また後戻りして、見た目ではあまり進んでいないように見えたりする。でも、それで良いのだ。
函館市を出発して、北斗市と森町、八雲町を進んで行った。朝は暑いぐらい晴れていて、昼には雨が降り出して、しばらくは完全な豪雨に巻き込まれた。雨が降る前に合羽と長靴にしておいて助かった。夕方は再び綺麗な晴れ空になったので、やっぱり、北海道の天気は目まぐるしい。
それでは振り返って行こう。
旧上磯町(北斗市)
最初にやって来たのは旧上磯町。「旧上磯町」の看板表記は何度か見かけたので、まだ元気に残っている地名なのかなと思う。
それにしても、あっつ、と思った。函館市では小中学校の夏休みが暑さのせいで、1日延びたと昨日ニュースになっていた。真夏日の数が過去最多を更新したと。もう、ほんとうにそんな感じの暑さだ。
旧大野町(北斗市)
次にやって来たのは旧大野町。新函館北斗駅に、ひとまず行ってみることに。駅に向かっていく最後の太い道のような部分が、大学の頃通っていた東広島市の、東広島駅に向かう道中と似ていた。いや、伝わらないと思う。母校の人を新函館北斗駅まで連れてくれば、多分伝わるんだけれど…。
きじひき高原までのぼってみると、北海道らしい草原の風景に、もくもくと立派な入道雲が湧き上がっていた。結果的にそれら入道雲によって、あとで大雨を浴びることになるわけだが、まるで構わない。北海道で北海道を感じられる瞬間があるって、すごくありがたいことだと思った。
森町
次にやって来たのは森町。青葉ヶ丘公園を訪れたあと、市街地を散策した。森駅の近くに踏切があって、ちょうどカンカンと鳴り始めたので、バイクを横に停めて写真を撮ろうと構えていたら、電車が通り過ぎないまま遮断桿が上がった。「あれっ?」車の中の人とも、同じ表情で目が合った。電車が通らない踏切があると、何かで聞いたことはあるけれど、実際にそれが目の前で起きると、あっけらかんとするものだ。
旧砂原町(森町)
次にやって来たのは旧砂原町。森町の東側にあって、鹿部町の隣だ。
正午、道の駅の横にお店があって、丼や麺があると看板が立っている。暖簾もかかっているし、やってるんじゃないか。レビューも見ていない、お店の名前もわからないけれど、入ってみることにした。
ガラガラ、と扉を開けた瞬間。
「イラッシャイマセ!」
と、ロボット調の女性の声が、真上から聞こえた。機械が天井に設置されていた。真上から機械にイラッシャイマセと言われるのは人生で初めてだ。その場から動くと同じように喋るので、何度か同じ言葉をかけられた。
店内は誰もおらず、電気も付いてなくて、「営業日じゃなかったんだ…」と思って出ようとしたら、真上から「アリガトウゴザイマシタ!」って。行きと帰りは区別できるんだ。
なんだあ?よくわからなかったなあとお店を出てすぐ、今度はガラガラとおじさんが出てきて、「ごめんよ、トイレ行ってたんだわ」って。店内へ逆戻り。こちらでお昼をいただいた。店主のおすすめは冷やしの海の幸ラーメンとのことで、「美味いから安心しろ」って言われた。
「はあ、疲れたあっ!」
厨房から、おじさんの声が普通に聞こえてくる。大丈夫だろうか。おじさんは今、ぼくのために冷やしラーメンを作ってくれている。でも、疲れているのか…。いや、確かに厨房はものすごく暑いのかもしれない。
海の幸をトッピングしてもらったラーメンを、ご主人のお話をあれこれと伺いながらいただいた。世の中には、いろんな人がいるなあと思う。自分の仕事を聞かれて、今回は頭に浮かんだ広告代理店でいかせてもらった。ごめんね嘘ついて、おじさん。
八雲町
旧砂原町から八雲町へ向かう道中、空が怪しかったので先に雨具の準備をして出発した。途中から大変な土砂降りが15分ぐらい続いた。遠くの空が明るくなったら、雨が止む兆候だけれど、それが見えた瞬間は、すごく嬉しくなる。
八雲町では木彫り熊資料館に行ってみて、あとは市街地を散策した。反対側の旧熊石町は今日行かないけれど、八雲町は市町村合併で二つの海に接するようになり、「二海郡(ふたみぐん)」が新設された。郡は消えてしまうことの方が多いけれど、合併で郡の名前が新設されることもあるのだなあと、勉強になる。
八雲町を訪れたあと、宿泊地の江差町に向かった。江差町は旧市町村に含まれていないけれど、ここで2泊する予定だ。厚沢部、江差の景色も良くて、途中で何度か原付を停めたのだった。
というわけで、今日の散策はここまで。北海道の大きさでも今までと変わらず、コツコツ進んで行きたい。
北海道だとバイク乗りでノリの良い人が、すれ違うときに手を振ってくれる。ぼくは個人的に敬礼で返している(敬礼の意味はほんとうに特にない)。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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