今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】
訪れた旧市町村の数【410/2,093】 総計【459/2,268】スーパーカブの総走行距離
10800km
行きましょう、津軽半島一周の旅へ。(2023年8月14日(月)―130日目)
お盆の過ごし方は人それぞれ。レジャー施設に行く、何もしない、ゲームや漫画を愉しむ。いろいろな行動と選択が溢れていると思うけれど、その中で、「最果てに行く」を選ぶ人たちもいる。今日は津軽半島の最北端、龍飛崎を含めたルートだったが、たくさんのバイクや車とすれ違った。やはり関東を中心とするプレートナンバーが多くて、いろんな人がいるのだなあとしみじみ思う。もちろん、自分も含まれているわけだけれど。
旧中里町(中泊町)
最初に訪れたのは、旧中里町だ。ふと木の鳥居が建っている神社の前で原付を停めて、少し歩いた。神社にも上がってみると朗々と神主さんが祝詞を読む声が聞こえてきて、きっといい神社なのだろうと思った。ほかにも津軽中里駅や、中泊町役場を巡った。
旧市浦村(五所川原市)
昨日、旧市浦村のルートを調べていると、「ん?五所川原市?」と頭がこんがらがった。そんなはずはない、と一瞬思ったのだ。しかし、冷静に地図を見直してみると、「飛び地だ!」とすぐにわかった。
それから芋づる式に、津軽半島が飛び地だらけになっていることに気づいた。中泊町も、外ヶ浜町も、飛び地が存在するのだ。前回の旅では、なんとなくややこしいなという感覚ぐらいで、通り過ぎてしまっていた。実に鈍感である。
どうして飛び地だらけになったのか、この記事を読んで、おそらくこういうことなのだろうなと思った。合併の話があちこちであって、最終的に今の状態になったと。
そして、旧市浦村には、十三湖という湖がある。すこぶる津軽山地から吹きおろす風が強くて、橋ではまともに立てないぐらいの風が吹いた。お店のお母さんに、「普段からこんなに風が強いのですか?」と聞いたら、「もっと普段は穏やかよ!」って。お母さんも驚きの風であった。
旧小泊村(中泊町)
次に訪れたのは、旧小泊村。そして、小説「津軽」の像記念館に行ってみることにした。とはいえ、太宰の小説「津軽」をまだ読んでいない不届き者である。さらには、館内の展示を見て早速、津軽を読みたくなったミーハーぶりであった。小説ではあるけれど、太宰が幼少の頃、子守をしていたタケと再会する実話に基づいた場面が登場する。その再会の場所が、タケの暮らす小泊であったのだ。
旧三厩村(外ヶ浜町)
旧三厩(みんまや)村でもっともわかりやすいのは、「龍飛崎」があるということだろう。津軽半島最北の地であり、最果ての地とも呼べる龍飛崎。小泊から徐々に坂道を登っていくと、途中からは完全に霧に包まれて、景色が一変した。さすが龍飛崎への道だと思われた。
そして、龍飛崎には知られた人物がいる。「たっぴの母さん」と呼ばれるお母さんだ。赤い服を着た明るい方で、観光客に特産品を売っている。前回の旅でもたっぴの母さんはいたけれど、5年ぶりに訪れた今日も、お母さんはいたのだ。
「5年前にもお会いしました!」
と挨拶をして、握手をしてもらった。ぼくが話し込んでいる間に、ゾロゾロとほかの観光客も集まってきて、財布の紐が緩い人たちに、面白いように商品が売れていった。お母さんの話術も抜群だった。そしてぼくも1500円分、お土産を買った。
もうひとつ、三厩で行きたい場所があった。三厩駅だ。旅の道中で沢木耕太郎さんの「旅のつばくろ」という本を読んだ。その中に、三厩駅を訪れたエピソードが収められていたのだ。津軽線の終着駅であり、「終着駅度」という沢木さん独特の表現で描かれた文章に惹かれた。言葉が景色を想像させてくれた。その場所を、自分の目でも見ておきたかった。
旧平舘村(外ヶ浜町)
旧三厩村を抜けて今別町に入ると、内陸のルートで蟹田の外ヶ浜町へ行くことができる。ただ、今回は旧平舘村へ行きたいので、津軽半島の海岸線をそのまま進んで行った。旧平舘村は静かな集落が広がっていて、山と海も近かった。
旧蟹田町(外ヶ浜町)
最後に訪れたのは、旧蟹田町。現在の外ヶ浜町役場もここに位置している。蟹田からは陸奥湾を走るフェリーが通っていて、下北半島の脇野沢へ行くことができる。このルートを実際に使うかどうか、まだ迷っている部分はあるが、今日は風が強くて欠航していた。
道中、道の両脇に漁具が溢れんばかりに積まれていて、海と共に暮らしがあることも感じられたのだった。
というわけで、今日の散策はここまで。津軽山脈が完全に天気をわけていて、西側は晴れ、東側は曇りもしくは雨であった。それでも戻ってきた青森市で、夕空が赤く焼けていることに気づいて、思わず飛び出した。
散策中、住宅街の塀に、野良猫が歩いている感じで、野生の猿が歩いていた。(原付だったのでそのまま通り過ぎた)
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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