ふるさとの手帖

市町村一周の旅

西和賀町や花巻市へ。雨の旅は続く。【旧市町村一周の旅(岩手県|105日目)】

西和賀町や花巻市へ。雨の旅は続く。【旧市町村一周の旅(岩手県|105日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】

49/175
28.00%
訪れた旧市町村の数【353/2,091】
353/2091
16.88%
総計【402/2,266】
402/2266
17.74%

スーパーカブの総走行距離
8890km

旧湯田町→旧沢内村→旧東和町→旧大迫町→旧石鳥谷町→花巻市、の6つ。

2023年7月20日(木)西和賀町や花巻市へ。雨の旅は続く。(日本一周105日目)

二日間、雨で休ませてもらった。

二日前の夜は「トルルンッ」とiPadにアラームが届いて、滞在していた北上市で、避難指示情報が出た。ハザードマップや避難先は確認していたし、指示の該当地区には含まれていなかったから、そのまま過ごしたけれど、納得の雨であった。

昨日は大雨ではなかったが、梅雨らしい雨であった。ぼくは家がないし、迷惑にならないように作業する場が欲しいので、合羽を着て移動するのが日課になった。

そして、今日は大丈夫かなと思っていた。朝見上げた空も、まあまあ晴れていた。

花巻市を目指していたし、「雨ニモマケズ」かあと、それっぽくこの言葉を何度も頭に浮かべていたわけだけれど、蓋を開けてみると、出発してからもう、今まででトップクラスの土砂降りであった。

雨ニモマケズという言葉は、雨に濡れている立場からすると、なるほど…と思う。それでは旅を振り返ろう。

旧湯田町(西和賀町)

最初にやって来たのは旧湯田町だ。秋田県と県境を接している山間地帯で、北上市から向かうとき、険しい山並みを覆うように、もくもくと分厚い雲が湧き上がっていた。冬であればこうやって雲が山にぶつかって、雪雲として雪を降らせるのだろう。

と、最初はまだ余裕があったわけだけれど、いざ旧湯田町に入ると、「雨だな…」と。霧雨からはじまって、まだ合羽は大丈夫かなと思ったら、10分後にはいよいよ本降りになった。「北上市は晴れているのでは?」と思ったが、それも違った。半日ずっと雨が続いたのであった。

道中の和賀川。

湯田庁舎へ。
そして、雨が降り始めた。

ほっとゆだ駅はなんと温泉付きの駅だ。

旧沢内村(西和賀町)

次は旧沢内村へ。旧湯田町と同じく山間部に位置している。まだ開館前だったけれど、旧沢内村には「深澤晟雄資料館」という施設がある。深澤さんとは元村長で、村民のため医療を中心に、誠心誠意の力を尽くした人物だ。

交通安全の看板がいくつも設置されていて、旧沢内村の名残を感じる場面が幾度かあった。ぼくは初めて訪れる場所なので、「村の団結を感じた」なんて言うのは大間違いだろう。でも、深澤元村長をはじめとした方々が築いてきたであろう土地の気配は、リスペクトされるべきものがあるのではないかと感じた。

旧沢内村へ。
沢内庁舎。
プールに水が張られていた。

「早め」の意識付けが、すごい。
徹底されていて、いいなあと。

旧東和町(花巻市)

次に向かった旧東和町まで、旧沢内村からは60km以上あった。車移動の60kmは大したことないかもしれないけれど、原付で60kmを一気に移動するときは、ちょっと深呼吸したくなる。20kmずつ移動して60kmは楽なんだけど、一気に60kmを走ると長く感じる。

そして、旧東和町では萬鉄五郎(よろず てつごろう)記念美術館を訪れた。旧東和町に生まれた萬鉄五郎は、日本近代美術の先駆者と言われている。

萬さんの展示も良かったけれど、現在は「安野光雅」さんという方の大規模な展示が行われていた。画家・絵本作家・装丁家、さまざまな分野で活躍した方で、2020年に亡くられている。

この、安野さんの絵は、またすごかったなあ。繊細なタッチ、淡く優しい色合い、捉える目線。そして、騙し絵だってお手のモノ。すごくファンになった。

小高い丘のような風景。
中心街へ。
すごい!万国旗はためく土沢商店街。

早池峰霊水。

萬鉄五郎記念美術館へ。館内は撮影禁止。
隣の蔵は展示スペースと喫茶もあった。

旧大迫町(花巻市)

次にやって来たのは、旧大迫町。まちのコピーには、「神楽とワインの里」というフレーズがある。伝統的な神楽と産業のワイン、違う二つの魅力がそれぞれあるって、カッコいい。

ワイン工場の近くを訪れてみると、道路脇の歩道が観賞用のブドウ畑になっていて、実際にブドウの実もできていた(観賞用で食べられないという但し書きと一緒に)。ワインの味がわかる人もかっこいいけれど、ワインをつくる人もつくづくカッコいいなあと思う。

葡萄畑かな?(違うかもしれない…)

エーデルワインさん。

山に何かが建っている。

旧石鳥谷町(花巻市)

そして、旧石鳥谷町を訪れた。読み方がわからなかったけれど、みなさんはおわかりだろうか。「せきちょうや」でも、「いしとりたに」でもなく、「いしどりや」だ。

道の駅石鳥谷で、「南部杜氏伝承館」という施設に入ってみた。なるほど、「南部杜氏」は石鳥谷を拠点とする杜氏の集団で、日本三大杜氏に数えられるそうだ。

今、日本酒は文化として、さらにぐんぐん進化している気がする。伝統的な日本酒の技術と、新しい発想によるアプローチ。いずれもが作用しあって、日本酒という価値を高め合って。杜氏さんって、すごくかっこいい仕事ですよね。

15時前にようやく雨が上がった。
いしどりや。

道の駅へ。

いろんな日本酒の銘柄が展示されていた。

花巻市

最後に訪れたのは花巻市だ。5年ぶりに「宮沢賢治記念館」に訪れた。

この旅で気づいたことがあって、大したことではないのだが、ぼくの誕生日は、宮沢賢治が生まれた99年365日後だ。

別の記念館で宮沢賢治の紹介があって、そのときにアレッ、と気づいたわけだけれど、宮沢賢治に比べれば、圧倒的に人間力が足りてないなあという今日である。どっどどどどうど…。

畑が奥まで広がる。

セブンイレブンの前に。
ブドリとネリだ。『グスコーブドリの伝記』より。
宮沢賢治記念館近くから。

クワガタがいた。蟻に捕らえられる間近で、なんとか逃げ切った。
一度ひっくり返ってしまって、元に戻した。元気に生きてね。
館内は言わずもがな、だ。
山猫軒は売店でもあり、レストランもある。食べられちゃう?(ここは大丈夫)


というわけで、今日の散策はここまで。しばらく長い雨が続いたけれど、これからはどうだろうか。そして、明日から週明けまでは「気仙沼」に向かいます。その後、旅を再開予定です。

本日のひとこと
花巻市で、バイクのオイル交換をしてもらった。おじちゃんが何を言っているのか、訛りがきつくて全然聞き取れなくて、結構怒られてた。(しかし、とても優しいおじちゃんであった)。
(終わり。次回へ続きます)

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