ふるさとの手帖

市町村一周の旅

宮城県で一番広い栗原市を巡ろう。【旧市町村一周の旅(宮城県・91日目)】

宮城県で一番広い栗原市を巡ろう。【旧市町村一周の旅(宮城県・91日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】

49/175
28.00%
訪れた旧市町村の数【299/2,091】
299/2091
14.30%
総計【348/2,266】
348/2266
15.36%

スーパーカブの総走行距離
7480km

(赤色の)旧一迫町→旧花山村→旧鶯沢町→旧栗駒町→旧金成町→旧若柳町→旧志波姫町、の7つ。

2023年7月6日(木)宮城県で一番広い栗原市を巡ろう。(日本一周91日目)

宮城県で一番広い面積を誇るのは栗原市だ。というのは後づけのリサーチなわけだけれど、確かに栗原市が広いというのは大きく頷ける。2005年に9町と1村が合併した大合併の市であり、北東部には雄大な栗駒山と高原地帯も広がっている。

今日は一度にすべてを巡るのはむずかしいので、7つの旧町村を巡った。宿泊地からの移動も含めて200km走った。やっぱり栗原市だけでも広いのだ。それでは、行ってみよう。

旧一迫町(栗原市)

最初にやって来たのは、旧一迫町だ。「いちはさま」と読む。いきなり、珍しい名前だなあと思わずにはいられない。朝6時ごろ、空はまだ不安定さが残っていて、一瞬雨にも降られた。

旧一迫町へ。

朝の静かな通り。

おじさんが掃除をしていた。

「おう、にいちゃんは芭蕉の道を巡ってんのかい?」

そう聞かれた。栗原市は「奥の細道」の奥州の終着点、平泉にも近づきつつある。よって、奥の細道にゆかりのある土地も多いみたいだ。

みちのく縄文橋を探しに来た。
みちのく縄文橋。見た目以上に巨大だ。
どどん。

史跡の竪穴住居も。

旧花山村(栗原市)

小さな峠を越えて、次にやってきたのは旧花山村。栗原市の中で、唯一の村だった場所だ。まだ朝の時間が早くて中に入ることはできなかったけれど、「仙台藩花山村寒湯番所跡」という史跡にも訪れることにした。

旧花山村へ。

山肌。人の手によるものだろうが、どうなっているのだろう。
朝の花山湖。

花山湖が現れたとき、思わずバイクを止めた。小高い山が織りなす陰影と、凪いだ湖面、やわらかく差し込む朝日。日本とは違う国に来たかのようだった。

ここも日本なんだなあ。

花山湖から15km弱走って、仙台藩花山村寒湯番所跡へ。隣のホテル。
仙台藩花山村寒湯番所跡。立派な表門だ。
関所守の居宅もとても大きい。

山の中に関所があり、居宅もあって、暮らす人々がいた。ということを想像して、でも、想像しきれない。どんな暮らしだったんだろうなあと。

旧鶯沢町(栗原市)

次にやって来たのは、旧鶯沢(うぐいすざわ)町。アニメなら主人公で登場しそうな名前だ。なかなか、今だと名付けられない地名じゃないかな。それぐらいかっこいい。

旧鶯沢町は、「細倉マインパーク」という細倉鉱山を元につくられたテーマパークが有名だ。鉱山の中を探検できるという。もちろん訪れたいのだけれど、開館よりも1時間早く着いてしまったので、入り口まで訪れた。

鉱山の跡地という感じがする。焼けたような匂いもした。

ラプラスだ!

鉱山を泳ぐのか!? と一瞬思ったわけだが、さっき訪れた花山湖で、ラプラスのボートがあるらしい。栗原市と仲が良いのね。

名前はマイン坊や。

オードリーの春日にも負けない立ち姿。

市街地へ。
晴れてきた。

鶯沢支所。
除雪車だ。

スカッと晴れた市街地も、とても気持ちが良かった。

旧栗駒町(栗原市)

そして、天気も晴れてきたので、これで今日は大丈夫だという思いで、旧栗駒町へ向かった。訪れたのは、「六日町通り商店街」と「いわかがみ平」のふたつ。商店街は鶯沢からも近いけれど、いわかがみ平は栗駒山の登山口だ。標高は1100mほどある。だから、天気を少し心配していたのだ。でも、大丈夫だと思ったので、くりこま高原を感じに行こう。

今まで見た中で一番大きな中学校の看板。
リラックス。
六日町通り商店街へ。

昼になれば、いろんなお店に入れそうだ。

そして、六日町の商店街から約30km、気合を入れて、いわかがみ平を目指した。

スノーシェルター。
いわかがみ平に着いた。

雲が、見上げるのではなくて、同じ目線で、ぷかぷかと浮かんでいた。そういえばさっきの曇りは君たちだったのだな、と思いながら。

登山していくと、また良い景色だろうなあ。

肝心の「いわかがみ平」という看板を撮り忘れたけれど、一応、嘘はついていない。いつかは山登りもできるかな。

旧金成町(栗原市)

いわかがみ平から一気に下って、今度は旧金成町へやって来た。金成歴史民俗資料館と、金成ハリストス正教会へ。

田園風景が美しい。
金成歴史民俗資料館へ。ただ、現在は資料館だけれど、元々は小学校だ。
素晴らしい木造建築。

Webのいくつかの記事では1887年につくられたとあるが、現地の看板では、1910年に竣工したと書かれてあった。

校内も見学できた。

もし、自分の母校がこのような木造建築だったら、どんなことを感じて過ごしただろうなあ。と、歩くときにちょっとだけ軋む床音を聞きながら。

金成ハリストス正教会。

地方の歴史ある教会は、九州で出会うことが多かったけれど、東北にもあるのだなあと。

歴史的な場所が静かに残っていることは、素晴らしいことだ。

旧若柳町(栗原市)

次に向かったのは旧若柳町。旧金成町もだけれど、岩手県の一関市と接しているので、一関市の看板もいくつかあった。そして、旧若柳町では「くりでんミュージアム」と「伊豆沼」に訪れた。

ほんとうにひらけた見事な田園風景。

新幹線の線路だ。
くりでんミュージアムへ。

この辺りは2007年まで、くりはら田園鉄道が通っていた。線路は朝に訪れた、細倉マインパークの方まで伸びていたそうだ。そして、名前はくりはら鉄道ではなく、くりはら田園鉄道。そう、田園という名前を見て、さきほど感動した田園風景は、地元の方々にとっても素晴らしいものなのだ、と感じられて嬉しかった。

ミュージアムにも入った。

車庫の建築もかっこいい。

展示資料も。
「田植えの時期も秋の訪れも栗駒山が教えてくれます。」

伊豆沼へ。冬は渡鳥がたくさんやってくる。

宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター。館内は展示資料が豊富でとても良かった。
ラムサール条約登録湿地だ。

今日、このヤマドリと山道で出会った。

館内の展示はとても丁寧で、伊豆沼や内沼が大切に守られていることを感じた。渡鳥の季節も訪れたくなった。

伊豆沼に降りて。
湿地って、自然を感じるなあ。

旧志波姫町(栗原市)

そして、最後に訪れたのは旧志波姫町だ。まず、名前に驚いてしまう。「姫」がつく地名があるのだと。「姫路」はあるけれど、それはちょっと違う。◯◯姫という響きが良いわけで。地名の由来は、木花咲耶姫が祀られる神社から名付けられたそうだ。やっぱり神秘的だ。

旧志波姫町へ。
糠塚遺跡。ここから先は入れなかったけれど、竪穴住居跡だ。

新幹線の線路に向かって進んで、
くりこま高原駅へ。
くりこま高原駅。旧志波姫町に位置している。

停車することはあっても、外から見る機会はなったから新鮮だ。

大きな水車があった。
志波姫総合支所。

この花さくや姫プラザだ。

神様の名前がプラザになるって、すごいな。「空海プラザ」とか、「アッラープラザ」ってことだもんな。でもとにかく、響きはとっても素敵だ。


というわけで、今日の散策はここまで。ひとつの市とはいえ、場所が変わり、視点が変わると見える景色も新しくなる。とても不思議だ。栗原市がどんどん、好きになっていった。
 
本日のひとこと
暑さには気をつけて過ごしましょう。
(終わり。次回へ続きます)

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