ふるさとの手帖

市町村一周の旅

湿地はサンクチュアリ、ゆるキャラはねじりほんにょ。【旧市町村一周の旅(宮城県・92日目)】

湿地はサンクチュアリ、ゆるキャラはねじりほんにょ。【旧市町村一周の旅(宮城県・92日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】

49/175
28.00%
訪れた旧市町村の数【306/2,091】
306/2091
14.63%
総計【355/2,266】
355/2266
15.67%

スーパーカブの総走行距離
7580km

旧石越町→旧迫町→旧南方町→旧築館町→旧瀬峰町→旧高清水町→古川市、の7つ。

2023年7月7日(金)。湿地はサンクチュアリ、ゆるキャラはねじりほんにょ。(日本一周92日目)

天気のニュースはよくチェックするわけだけれど、今日は全国で雨のエリアもあれば、猛暑の地域もあったようだ。そっかー、こっち(宮城県北部)はというと、朝は涼しくて、昼は暑い感じ。でも、これから梅雨前線が、徐々に北上してくるんじゃないかな。そうしたらどうするか、むつかしいなあ。などと考えていると、あっという間に時間が過ぎるので、さておきさておき。

旧石越町(登米市)

今日は合わせて7つのまちを訪れた。登米市は9つの旧市町村が合併しているまちだが、今回はそのうち3つを巡った。どうしてこういうルートなのかといえば、滞在地からの逆算だ。現在は大崎市を拠点にしているので、そこからできるだけロスのないように、ルートを組んでいる。

そして、最初に登米市の旧石越町へ。昌学寺というお寺を目指していると、道中で石越駅にも辿り着いて、駅周辺の雰囲気も感じられた。

チャチャワールドの看板だ。チャチャワールドは石越にある遊園地。

もちろん、行くのもアリだけれど、幼児向けのアトラクションが多いみたいで、ひとりで行くのはやめにした。係の人に、「こやつ、ひとりで来てるゾ!」みたいに警戒されちゃうのも、ねえ。

石越駅近く。立派なお家だ。
左手に石越駅がある。
そして、お寺へ向かう途中の道。
やはり畑や田園風景は抜群だ。
境目。

パイプだ。広大な農地は、技術によっても支えられているのだろうなあと思う。
昌学寺へ。
堂々たる門。

曹洞宗のお寺だった。

曹洞宗ってことは、住職さんも、永平寺か總持寺に修行に行ったのかな、ということを、この旅を経て考えるようになった。

旧迫町(登米市)

次にやって来たのは、旧迫町。あれ、“迫(はさま)”っていう地名は、栗原市にもあったよなあ。そうそう、旧一迫町だ。栗原の一迫、登米の迫、だね。

長沼フートピア公園へ。風車があった。

長沼という沼地のそばに、オランダ風車がある。丘の景色に溶け込んで、見事にオランダの世界を醸し出しているのだが、風車に近づいてみると、羽根の中心部に「白鳥」と漢字で描かれてあった。そこだけはジャパニーズスタイルだ。

ながーい、滑り台。

滑ってもいいけれど、ひとりだからねえ。

周辺には蓮が広がっている。

近くの長沼ダム。
奥には蓮。
新田駅の集落。
サンクチュアリセンター。

脱線するけれど、「サンクチュアリ」という言葉を聞くと、大相撲の土俵が思い浮かぶようになってしまった。Netflixの相撲ドラマ「サンクチュアリ -聖域」のせいである。いやあ、観ました? ぼくの決まり手はもう、張り手、ツッパリ、突き落とし。観てるだけで自分も泥まみれになるような、没頭してしまうドラマだった。雨の日に、ひっそり全部観たのである。

しかし、宮城県におけるサンクチュアリとは、相撲のことではない。そう、伊豆沼と内沼こそがサンクチュアリだ。伊豆沼と内沼がラムサール条約の登録湿地となったのは、1985年のこと。渡り鳥をはじめとする生態系を守ること、そして、自然に触れ合う聖域(サンクチュアリ)として、サンクチュアリセンターが伊豆沼と内沼の周囲には、3つある。

メェ! と聞こえて、まさかとは思ったが、まさかである。

サンクチュアリセンターの前に、ヤギがいた。しかも二匹。サンクチュアリとどのような因果関係があるのかは、わからない。

よっ。
もう一匹はヒゲが立派で。
そして、わずかだがハスの花が咲いていた。

昨年の豪雨の影響で、今年のハスの生育はあまり良くない状態だそうだ。どうか良い状態に戻るといいなと願うばかりである。

旧南方町(登米市)

次にやって来たのは、旧南方町。興福寺というお寺と、道の駅へ訪れた。

旧南方町へ。
印象的な信号。
興福寺。山の中に静かに。
蜘蛛も忙しい。
隣の展望台上がってみた。
畑と平野。
道の駅みなみかた(もっこりの里)。

もっこりの里。もっこりかあ。うんうん、力こぶのことだよね。面白いなあ。

旧築館町(栗原市)

そして、登米市から今度は栗原市に向かった。旧築舘町は栗原市役所も位置する中心部だ。内沼を通りながら、中心街を目指そう。

道路脇。こんなにかっこいい標識あります?

「動物注意」の大御所といえば、鹿やタヌキだろう。だが、渡り鳥のパターンがあるなんて。貴重かつ、スタイリッシュだ。

バサバサァ。
内沼とはいえ広い。

伊豆沼、長沼に比べると小さな沼ではあるが、見た目は上野の不忍池の10倍ぐらいはあった。

築舘総合支所。そして、街中を歩いてみた。
へい、ここは栗原だぜ!
ヨロシクな!

なんなんだ!

ゆるキャラ の ねじり ほんにょ。

栗原市のゆるキャラは、「ねじり ほんにょ」という。田んぼで収穫された稲の束を干すときに、この辺りの地域では、ねじりながら棒に引っ掛ける。その姿を「ねじりほんにょ」と呼ぶことから、ゆるキャラもそれをモチーフに誕生したという。とってもかわいい。

薬師公園の双林寺も訪れた。

樹齢1200年を超えるという姥杉。

人の寿命を12回分生きたら、どんなことを考えるかな。

旧瀬峰町(栗原市)

そして、次に向かったのは旧瀬峰町だ。「さぶん酒店」という酒屋さんにも訪れた。

五輪堂山公園。桜と藤の名所。今はシーズンが過ぎて緑が茂っていた。
せみね駅。

総合支所。
荒町という集落へ。
さぶん酒店。

今回、栗原市や登米市では、行政が公開している観光情報をベースに、訪れる場所を探している。それで旧瀬峰町に載っていたのが「さぶん酒店」さんだった。行政のページだけれど、説明文がユニークだったので、気になったのだ。

全国のいろんなお酒がある。

そして、ちょうど友だちにお酒を贈りたいと思っていた。旅先だから、大型のチェーン店で買うよりも、「ここから送りたい!」というお店があったらいいなと思っていて、お店の雰囲気もピッタリだった。店主の方もいらっしゃったので、宮城県の地酒をいくつか聞いた。「ああ、そのまちは今回行けないんだよなあ」という地名もあったけれど、「そこ、すごく好きなまちだった!」という蔵元のお酒があったので、それを選んだ。

ご主人、ありがとうございました。

ご主人もかつてカブに乗っていて、九州から東京まで走ったり、東北や北海道を駆け抜けたり、縦横無尽だった。ネットからも注文できるとのことなので、みなさんもご贔屓に。

ねじりほんにょだ!

旧高清水町(栗原市)

そして、10あった栗原市の旧市町村だが、旧高清水町で最後だ。桂葉清水という湧水と、高清水新堤自然公園に訪れた。

桂葉(かつらは)でかつらっぱ。
桂葉清水。

網の下に湧水があった。開けていいものかわからなくて、そのままにしておいた。

小径。
高清水総合支所。

見つけた食堂でお昼ご飯にした。

冷やし中華大盛り。さっぱりの季節でしょう!
高清水新堤自然公園。シダが隙間から。

木々と湖面と。

旧古川市(大崎市)

そして、最後にやって来たのは旧古川市だ。現在は大崎市の中心部で、かつては古川市と呼ばれていた。市名は無くなってしまったわけだけれど、まちの中心駅は古川駅であるし、ほかにもあちこちで古川の地名は残っている。

数日前から古川を拠点に動いていたので、そのときの写真から。

早朝の雲。

吉野作造生誕の地。今日は、吉野作造記念館にも訪れた。
黄色のポストだ。
カレー屋さんでランチ。
スープカレー、美味しかった。
用水路と植物。

そして、今朝。
やさしい光だった。
登米市と栗原市を巡り、戻ってきて、古川駅近く。

吉野作造記念館へ。
建物の中は、撮影禁止だ。

吉野作造という人物について、ぼくは聞き覚えはあるけれど、いつだったかなあと。だから、具体的な人物像は今日がほぼ初めて知った。とにかく、大正デモクラシーの旗手だった人物だ。

「映像もありますのでよかったら」ということで20分間、ストーリー仕立ての映像を見た。吉野作造が現代に現れて、すれ違った少年に「中央公論(かつて論文を寄せた)」を手渡し、その少年が吉野作造を知っていくストーリー(のような感じ)。どっどこ太鼓が鳴り、少年は走り出し、展開はしっかりとした映画だ。そして、吉野作造の人生が紐解かれていった。

国民に寄り添い、国民をもとにした政治の実現を目指した吉野氏。思想にはキリスト教が組み込まれていたとも知って、同じ時代のほかの人物のストーリーもどうだったのだろうと追いたくなった。やはり、あるべき未来を信じて声を上げていくことは、リスクを背負いながらでもあり、凄みを感じる。人物像に触れるということは、毎回新しい発見がある。

吉野氏の名言のひとつ
「路行かざれば到らず、為さざれば成らず」

古川駅、大きな駅だ。

というわけで、今日の散策はここまで。栗原市の「ねじりほんにょ」だけじゃなくて、大崎市には「パタ崎さん」、登米市には「はっとン」というゆるキャラがいるのだけれど、出会えるだろうか。

本日のひとこと
七夕の願い事メーカーで自分の名前を入れたら、「世界征服」でした。惜しい、旧市町村征服かな(征服!?)。
(終わり。次回へ続きます)

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