今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】
訪れた旧市町村の数【292/2,091】 総計【341/2,266】スーパーカブの総走行距離
7280km
2023年7月5日(水)加美郡と玉造郡の暮らしの中を進もう。(日本一周90日目)
朝6時半に出発した。外は曇りだ。最近は天気予報が合っている気があまりしなくて、目測で判断した方が動きやすいな、と思う。だから、空を見て「今日はフツーかなあ」という印象だった。晴れるかもしれないし、雨が降るかもしれない。実際、どっちもあった。
旧中新田町(加美町)
加美町は2003年に中新田町、小野田町、宮崎町が合併したまちだ。いずれの町も加美郡だったので、合併後の名前も「加美」を引き継いでいる。最初に訪れた旧中新田(なかにいだ)町には加美町役場があって、近くの商店街である花楽小路(からくこうじ)も散策してみた。
近くの小学校の送迎で、車の出入りも多かった。
中新田町は国道が十字路に近い形で通っている。朝は交通量も多くて、みんなどこまで行くのかなあと思った。
旧小野田町(加美町)
次にやって来たのは旧小野田町。前回の旅でも訪れた「やくらいガーデン」は、旧小野田町に位置している。ただ、オープンが10時からでまだ時間も早いし、天気も曇りというわけで、ガーデン以外を訪れた。「やくらい」というのは標高553mの薬莱(やくらい)山のことを指している。加美富士と呼ばれる地域のシンボルで、晴れた姿はとてもうつくしい(今日は曇りだった)。
車が一台停まっていたけれど、中に人がいるのか、いないのか、わからなかった。
晴れの日に、サイクリングなんてできたら、すっごく気持ち良いだろうな。
旧宮崎町(加美町)
次にやって来たのは、旧宮崎町。宮崎県以外にも、宮崎の地名があるって知らなかった。ここではかつて仙台藩の御用窯として、「切込焼」という陶磁器が栄えたそうだ。ただ、明治以降は生産が途絶えて、まだ歴史的な謎も多いという。それもまた、面白きかな。
過去見てきたゲートボールの中でも、屈指の好環境ではないだろうか。
旧鳴子町(大崎市)
さて、ここから約1時間ほど走って、大崎市の旧鳴子町に移動した。実は鳴子には、今年の2月に初めて訪れた。
ただ、このときは電車の旅だったので、カブに乗って訪れるのは初めてだ。道中も電車とは違う景色が見えた。急な山道を進むわけでもなかったので、思いのほか電車よりも近く感じられた。
鳴子温泉の中でも「中山平温泉」というさらに県境側の温泉を訪れた。あと数分走ったら、山形県に入る立地にある。「しんとろの湯」は自分でも気になっていたし、先輩からもお薦めしてもらった温泉だった。
……ガラガラガラ。浴場の扉を開けると、湯船とシャワーにおじいちゃんが4人ほどいた。地元のおじいちゃんかどうかまではわからない。それでもしっかり、入ってきた扉を最後まで閉める。うん、別の温泉で地元のおじいちゃんに叱られたことがあるからね。「扉の隙間をあけるな!」って。静かに閉めて、癒しを荒らしませんよ、と小さく宣言するのだ。
ここは源泉掛け流しの温泉だ。でも、源泉は93度ある。えっ、どういうこと? と一瞬思ったけれど、湯船の壁に説明が書いてあった。
「源泉から木の樋で流すことで、温度を適温に下げて浴室に注いでいます」
なるほど、ちょうど窓の外を見ると、長細い木の桶がずらりと順に並んでいて、そこを源泉がリレーしながら流れている。そうやって温度を調整して、加水せずに源泉のまま流しているんだ。湯船はぼくにとってもすごく適温であった。
そして、ぼくはたとえば温泉で肌がすべすべになるって、今までちょっとした幻想だと思っていた。美肌の湯にも入ったことがあるけれど、肌がすべすべになるということが、事実なのか実感なのか思い込みなのかよくわからなかったし。
しかし、湯船から上がって、鏡を見たときに、肌がすべすべのツヤツヤでたまげた。幻想じゃないんだって感じたの、人生で初めてかも。それぐらい、鏡で自分の肌を見て思った。いやあ、なんだか、うさんくさくなってしまう。でも、これはほかのWeb記事や、Googleのレビューを一切見ずに、自分だけの感想で書いている。
これからすぐに服を着て、防具をつけて、また汗をかくかもしれないと思うと、とても切なくなった。ああ、恋しくなるいい湯だった。
まだお肌が、もちっとしている。ああ、今日だけの肌の輝き。
旧岩出山町(大崎市)
そして、最後は旧岩出山町へ。伊達政宗といえば仙台藩、仙台市のイメージがとても強いけれど、実は岩出山は、若かりし政宗が過ごした土地だった。
まず、『あ・ら・伊達な道の駅』を訪れた。じゃらんの全国道の駅ランキングで、2020年と2021年に全国1位、2022年に全国3位という、とっても人気な道の駅だ。
至福の入口の先は、食事処だけではなくて、地元の農産物売り場、お土産売り場、それも広々とした気持ちのいいスペースで、いろいろと販売されていた。ロイズのチョコも売っててビックリした。
でも、豪華だとか、豊富だとか、充実だとか、そういう場所は、案外どこでもないことはない。だから、なんだろう……。雰囲気が明るくて、過ごしやすかった。お店の方たちがつくり出しているものなんだと思う。すごい、ってことも良いけれど、明るくてたのしい! ってことがうれしくなる。
内川は農業用水や生活用水、防火用水の確保のために開削された、人工水路だ。それって、すごいことだよなあ。江戸時代がはじまる前だもの。神田川が同じく人工河川であることを思い浮かべた。
気になって訪れようと思ったのだけれど、具体的なことはわからないまま訪れた。それでいいじゃないか、感覚なのだから。
館内に入る前から、ゲームのメニュー画面みたいな、電子音のような不気味なサウンドが流れていた。
入館料を払って進む。撮影が可能なのは、フロント辺りまでだ。そこには楽器のようなものが置かれていた。いや、それはいろんな形の楽器だった。自由に叩いたり、弾いてもいいとのことで、それぞれ音を鳴らしてみた。わあ、すごく楽しいぞこれ。そうか、感覚ミュージアムというのは、音のミュージアムなんだ! と思って、そこから撮影禁止のエリアに進んだ。
「こちらからどうぞ」と案内されて、いざ入場だ。すると、なんと、いきなり暗闇の世界が待っていた。え、え、どういうこと? どうやら手すりを持って進むらしい。そして、何か穴があったら触ってみて、と。お化け屋敷みたいだ。ビビりながら進む。やがておそらく穴を見つけた。触る? うん、触るしかない。うわあっ。人の手だ。動かない、模型だ、良かった。でも、やっぱりお化け屋敷みたいだ。そのまま進む。ジャラーン。わわっ、ピアノの鍵盤だ。今度は光った! えっ、どういうこと!?
今日巡った地域で見かけたドラッグストアは、薬王堂の一強でした。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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旅についての心境を、週に一度日記形式で書いています。ブログにまとめきれなかったことも残せたらと思います。
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旧市町村で気になったまちのことについて、月に一度まとめています。本文は『戸籍時報』でも連載中です。
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旅が進むにつれて、文章がほんとうに楽しそうになってきて読むのも楽しい。
田村さん、ありがとうございます。うれしいです^^