ふるさとの手帖

市町村一周の旅

奥座敷や震災遺構、そして伊達政宗公。仙台市5区の旅。【旧市町村一周の旅(宮城県仙台市・89日目)】

奥座敷や震災遺構、そして伊達政宗公。仙台市5区の旅。【旧市町村一周の旅(宮城県仙台市・89日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【49/175】

49/175
28.00%
訪れた旧市町村の数【287/2,091】
287/2091
13.73%
総計【336/2,266】
336/2266
14.83%

スーパーカブの総走行距離
7130km

仙台市太白区→若林区→宮城野区→青葉区→泉区、の5つ。

2023年7月4日(火)奥座敷や震災遺構、そして伊達政宗公。仙台市5区の旅。(日本一周89日目)

いよいよ宮城県の旅がはじまった。宮城県は、ちょっと偏った巡り方をする。

仙台市。
旧市町村。

最初の目標は仙台市にある5つの区を巡ることで、次に巡っていく旧市町村は、仙台市よりも北西部に位置するまちだ。県のエリアによって、はっきりと合併に変遷の差があった。でも、ほんとうは時期的な違いにもよるし、南部のまちにもいろんなふるさとの土地が、広がっている。そのことを忘れずに、今回は通過させてもらった。

北西部では平成の大合併以降、ひとつのまちの合併数も多い。特に大崎市や栗原市、登米市、石巻市では多くのまちがかつて独立して存在していた。トータルでみれば、今回巡る旧市町村の数は、福島県よりも多い。コツコツ進んでいこう。


さて。今日は仙台市にある5つの区を巡った。太白区、若林区、宮城野区、青葉区、泉区だ。仙台市には旅と仕事で2回訪れたことがある。でも、いずれも仙台駅を中心とした過ごし方だったし、区が5つあるなんて考えたこともなかった。

だから、仙台市を区ごとに巡っていくと、どのように感じるのかは、自分でも興味があったし、いざ巡ってみて、ちょっとだけ仙台市の解像度が上がった気がする。ちょっとだけなのは、住んでいない人間が、「仙台のことわかりました!」なんて、言えないからね。それでは、行ってみよう。

前日に名取市で食べた美味しいナポリタン。

磊々峡に秋保大滝。—太白区—(仙台市)

朝6時半に出発した。じんわりと暑さが広がる。最初に向かったのは、太白区にある磊々峡(らいらいきょう)という峡谷だ。温泉街の秋保温泉と同じ場所にあって、どちらかというと秋保温泉と書かれた標識を目印に進んでいった。

道中は「山形 53km」と書かれた標識があった。あれ、山形市と仙台市って、こんなにも近いんだ。行こうと思えば今からでもいけるじゃん。だって、この前は会津若松市から葛尾村まで100kmあったんだから。といったようなことを思いながら走っていたら、無事に到着した。

道中のナイスな看板。
磊々峡へ。名取川が流れる。

磊々峡は、名取川によって侵食された巨大な岩が美しい峡谷だ。石が3つで磊という漢字だし、まさに石の渓谷。ちょうど朝の日差しが差し込んだ。

巨岩と朝日。

遊歩道を出て。お城のようなホテル。

ちなみに、「磊々峡 藤崎マーケット」で調べてみたら、ロケに訪れた様子はなかった。磊々峡こそ、「ラララライッ」って、やるべきだと思うんだけどなあ。

秋保大滝へ向かう途中。ここも仙台市だ。

磊々峡からさらに山側へ15kmほど進んで、秋保大滝を目指した。途中の道のりは、犬が脱走しているのを追いかけている人がいたり、子どもと親御さんが走り回っていたり、とてもゆったりした時間が流れていた。

秋保大滝へ。
日本の滝百選にも選ばれている、名勝だ。
見事な滝だった。

滝見台に立つ前から、轟々とした音が聞こえてきて、大きな滝なのだとすぐにわかった。幅は6m、落差は55mあるそうだ。当然かもしれないけれど、「良い滝だなあ」と素直に響いた。

帰り際、お店の準備をしていたお母さんと話をした。同じ仙台市でも、自然が豊かですねと言ったら、「ここは仙台の奥座敷ですからねえ」と仰った。出発するときも最後まで手を振ってくれて、素敵な人だった。

長町駅の近く。こちらは街だ。近くにはIKEAもあった。

同じ太白区の中でも、ぜんぜん違う。それもまた、面白い。

震災遺構 中浜小学校。—若林区—(仙台市)

そして、次にやって来たのは若林区だ。震災遺構の荒浜小学校と、杜の市場の二か所に訪れてみようかなと思っていたけれど、最初に荒浜小学校に訪れて、ゆっくりと過ごしたので、杜の市場へ行くのはやめた。見たいと思ったものをじっくり見るという形でも良いかなと。ちょっとだけ性格が丸くなった感じ。

若林区、荒浜近く。田んぼが広がる。

この辺りも海から数kmほどの場所だ。計画的に田んぼが広がっているのを感じた。

すごい。
荒浜小学校へ。

荒浜小学校は震災遺構として校舎が保存され、公開されている。

ひととおり校内を巡って、その後で18分ほどある映像を見た。

“震災遺構”という漢字を見ると、悲劇や、マイナスのイメージがつきまとうことを、誰もが承知している。けれど、この土地で過ごした方々からすれば、もっともっとプラスで温かいものをこの土地で感じているし、そこに簡単な感情の答えはない。ということを、震災を経験していない側の人も、ほんとうは学んできたように思う。ドラマだったり、映画だったり、小説だったり、新聞だったり、SNSだったり、震災から12年経つ間に、いろんなところで何かを考えるきっかけが落ちていたはずだから。

だから、感情はポケットにしまって。その上で、「たとえ建物がなくなっても、ふるさとはここにある。ここにいなければ、ここにいる人たちとは出会えなかった」という言葉が映像で流れたとき、そうか、とハッとした。ふるさとは、姿が変わってもふるさとなんだ。ぼくも、生まれてから15年間住んだ実家が今は均されて、別の新築が建っている。でも、確かに土地からは声が聞こえるもんなあ。

日和山や榴岡公園へ。—宮城野区—(仙台市)

次にやって来たのは、宮城野区。最初に「日本一低い山」である日和山を訪れた。調べ方がゆるゆるで、向かっていたら山が見つかるだろうと思っていたら、どこにもなくて。よく見たら、立っている場所よりも低いところに日和山があった。

山はどこに? あ、あそこだ!
裏側は工場のような。
しっかり登山口もある。
落石や遭難に注意して、階段を6段ほど。標高3.0mの山頂を目指す。

登山ってすごく良いですよねえ。

山頂からの景色。
その後、榴岡(つつじがおか)公園へ。

楽天の球場もあった。

10年ほど前、かつて星野仙一さんが監督だったとき、星野監督の故郷である倉敷市で秋季キャンプがあった。ぼくは同じく倉敷市の野球少年だったので、仲間とサインを貰いによく出かけていた。ということを、思い出したり。

隣には陸上競技場も。

瑞鳳殿と大崎八幡宮。—青葉区—(仙台市)

そして、次にやって来たのは青葉区。仙台駅から東側のエリアが主に含まれる。もちろん中心街は東北地方ナンバーワンの栄え方だけれど、青葉区が山形県と県境を接しているのもすごいなと思う。

とはいえ、県境まで行く体力はないので、中心街周辺を巡った。伊達家にまつわる瑞鳳殿と大崎八幡宮へ。

仙台駅近く。
仙台って坂が多いよなあ。
瑞鳳殿にやって来た。

瑞鳳殿は、仙台藩祖である伊達政宗公の霊廟だ。今の仙台市があるのは伊達政宗が築いた礎があるからだ。そう思うと、瑞鳳殿は聖地だよなあ。すごい場所だ。

住所がすごい。
瑞鳳殿。黒で引き締まるけれど、煌びやかだ。

お邪魔しました。
ほかにも二代忠宗公、三代綱宗公の霊屋もある。

緑に包まれた静かな場所だった。
並ぶマンション。
仙台城跡の奥に、東北大学の川内キャンパスがあった。

仙台城跡は博物館の工事で入り方がよくわからなくて、また別の機会に訪れようと思った。

大崎八幡宮へ移動しよう。
着いた。

大崎八幡宮も、伊達政宗が創建した神社だ。社殿は国宝に指定されている。

そっかあ、七夕も近いなあ。
何だろうか。
参拝した。

青葉区は繁華街もあるけれど、カブに乗っているし、仙台駅からやや離れたところを巡ってみた。伊達政宗公の遺した存在感は、さすがだと思った。

七北田公園や泉中央駅。—泉区—(仙台市)

そして、最後に訪れたのは泉区。七北田公園や泉中央駅付近を散策した。

七北田公園には、ベガルタ仙台のスタジアムがある。

名前はユアテックスタジアム。ちょっとだけ郊外にあるというわけだ。

かっちょいい銅像。

泉中央駅へ。
とても大きな駅だ。
バスもすごく多い。

泉中央駅から仙台駅まで、約15分。

明石台の住宅街にて。

台地には整備された住宅街がずらりと広がっていた。暮らしのまちだと感じられた。


というわけで、今日の散策はここまで。どう感じるかなと思っていたけれど、仙台市もやっぱり広い。訪れてみたい場所も結果的に増えた。また来れる機会があったら、前泊したくなりそうだ。
 
本日のひとこと
天気予報がむずかしくて、なかなか先の予定を決められずにいます。
(終わり。次回へ続きます)

<旅を応援してくださる方々へ&関連ページ>

「どこで暮らしても」の商品ページに飛びます。

今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
写真集の商品ページはこちら

二見書房編集部noteにて連載中です。

二見書房編集部noteのページはこちら
旅についての心境を、週に一度日記形式で書いています。ブログにまとめきれなかったことも残せたらと思います。

日本加除出版noteにて連載中です。

日本加除出版noteのページはこちら
旧市町村で気になったまちのことについて、月に一度まとめています。本文は『戸籍時報』でも連載中です。

ストレートプレスにて連載中です。

ストレートプレスのページはこちら
トレンドニュースサイトのSTRAIGHT PRESS(ストレートプレス )にて、旧市町村をひとつずつまとめた記事を連載中です。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

RECENT ARTICLES

Follow me