ふるさとの手帖

市町村一周の旅

川崎市と相模原市。自然がそばにある暮らし。【旧市町村一周の旅(神奈川県)】

川崎市と相模原市。自然がそばにある暮らし。【旧市町村一周の旅(神奈川県)】
(川崎市)高津区→宮前区→多摩区→麻生区→(相模原市)南区→中央区。相模原市の南区と中央区は、旧相模原市の地域にも位置するので、+1で合わせて7つという形にしています。
赤丸の部分です。
2023.05.04

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【19/175】

13/175
10.86%
訪れた旧市町村の数【134/2,091】
134/2091
6.4%
総計【153/2,266】
153/2266
6.75%


2023年5月4日(木)

昨日、元隣人の部屋に泊まらせてもらった。いろんな会話をするけれど、お互いもう、勘ぐるような質問もしない。。心を流れる水の音を、じゃばじゃばさせずに、静かに聞くのだ。その川の流れが、増水していたり、枯れていたりしなかったら、それで良いのだと。

朝ご飯をつくってくれた。

出発前に、大家さんがひょっこり顔を出してくださって、「これ、どうぞ」って。

大家さんは、ぼくの東京暮らしの救世主であるけれど、過干渉もしない方だった。普段からサバサバしていて、物静かで。なのに、困ったことがあったらすぐに助けてくれた。端的にまとめるなら、真の紳士。それも、圧倒的な。

川崎市高津区

もう、元隣人の部屋に泊まる予定は、現時点では無いので、荷物をすべて持って出発した。しかし、メガネを忘れてしまった。どこかで回収しなければ。今日は、昨日巡った川崎市の3区のほかに、まだ残っていた4つの区と、相模原市の2区を巡る。

多摩川を渡って、高津区へ。

今、一人だけ、手紙を送っている方がいる。月に一度のペースで、旅の進捗やそのときの心境をまとめて。その方は、写真の仕事でお世話になった。かつては車の広告写真をバリバリに撮っていて、今は別の撮影が主だけれど、仕事の手伝いを何度かさせていただいていた。そして、「旅に出ている間、手紙よこしな」と、やりとりがあって、今に至るわけだ。で、4月分の手紙を書いて、郵送しようと思ったのだが、GWで郵便局が開いてなくて、さらに、その方は高津区に住んでいらっしゃるので、直接ポスト投函してもいいな、と思った。

事前の連絡はしていないし、GWだから外に出ていても当然だ、と、ご自宅に訪れると、その方の車があった。もしかしたら、いらっしゃるかもしれない。インターホンを押して見たら、ビンゴだ。いらっしゃったのであった。

突然の訪問だったので、すみませんと事情を説明して、手紙を渡したのだけれど、「まあ上がって行きなよ」と、家に上がらせていただいたのだった。

大先輩なので、ありがたかった。
大谷選手がカージナルス相手に登板していた。

あまりに長居をしても良くないので、大谷選手が2回、エドマン選手を三振に取ってカージナルスの攻撃が終了したところで、おいとまさせていただいた。ありがとうございました。また、手紙書きます。

二ヶ領用水の脇道。

川崎市には、江戸時代初期につくられた用水路「二ヶ領用水」が通っている。農地の開発のための用水路で、多摩川最古の農業用水が、今も住宅街を流れているのだ。

住宅地の中でも、自然を感じる。
溝口神社へ。

溝の口駅からも近い、溝口神社。御祭神は天照皇大神だ。訪れると初宮参りであろうご家族が複数いらっしゃって、神社は神聖さと温かさが溶け合っていた。

溝の口駅近くも、二ヶ領用水が流れている。

駅の周辺。

久地円筒分水へ。
国登録有形文化財である。
中央が円形になっていて、そこに水が噴き上がる仕組み。溢れた用水は、均等に流れ出していく。

江戸時代につくられた二ヶ領用水だが、その用水を各村に届ける際にはムラがあった。そこで、円筒分水という方式を採用することで、均等に用水を分配できるようにしたわけだ。

よく考えられた仕組みだなあ。

川崎市宮前区

次に訪れたのは、宮前区。東高根森林公園や、等覚院というお寺を訪れた。

東高根森林公園へ。県立の公園だ。
散策する。

途中、富士山が見えます、というスポットの紹介があったが、やや空が霞んでいて、はっきり確認することはできず。

自然の中を歩く。

そして、等覚院へ。

お堂の中に入ると、暑さが和らいだ。

台地を肌で感じる。

道路沿いから眺める住宅は台地が多く、緑にも包まれていた。かつて開発が進んで住宅地が増えていったのだろうなあ。

川崎市多摩区

次に訪れた多摩区では、王道ではあるけれど、生田緑地に訪れた。駐車しようと思ったところ、右から左から、車が列をなしていて、今からここで、フジロックでもあるのか、という混み具合である。駅から歩いて来る家族連れも多く、賑やかな声が溢れていた。

生田緑地には、日本民家園もある。

そして、森林浴だ。
桝形山展望台へ。

文句なしの空。

生田緑地には、ほかにも岡本太郎美術館があるし、ゆっくり1日かけても、楽しめるような広さだと思う。

生田駅も訪れた。

駅から坂をのぼること。

小説家の庄野潤三さんが好きだ。そして、庄野さんがかつて暮らしていた、「山の上の家」と呼ばれる家が、生田にはある。夏葉社さんの影響で庄野さんを知ったのだが、「夕べの雲」を読んだとき、何気ない日常が、飾られるわけでもなく、でも、鮮明にいきいきと描かれていて、好きになったのであった。だから、生田駅に立って、庄野さんの家が、ここから坂の上へ歩いたところにあった、と思い浮かべることに、ちいさな喜びがあった。

川崎市麻生区

7つある川崎市の中で、最後にやって来たのが、麻生区だ。王禅寺見晴らし公園と、琴平神社に訪れた。

道中の景色に、驚かされる。

斜面にびっしりと建てられた住宅の景色は独特。観光地ではないのだから、誰かにとってのささやかな日々の時間が詰まっている、というわけである。

王禅寺見晴らし公園からの景色。緑も見える。

もうひとつ、琴平神社を訪れた。
鳥居がとても大きい。
ここでも、初宮参りの幸せに触れながら。
住宅街を少し歩く。

緑はいつもそばにあった。

相模原市

相模原市南区

ここからは、相模原市へ移動した。横浜市の青葉区から厚木街道に乗って、恩田大橋を渡って、大和市も通って、まずは相模原市南区へ。

相武台団地。ずらりと団地が続く。
トンネルのような。

トンネルのような、シェルターのような道がある。「騒音対策かな?」と、思ったところ、実際の意図としても、騒音に配慮する形でつくられたそうだ。

石の意志。

勝坂遺跡。縄文時代の遺跡だ。
竪穴住居と、新しい住居。
まだまだ、家が建つのだなあ。

奥の開けた景色は厚木市だ。

さらにもうひとつ、有名な場所だけれど、相模原麻溝公園にも訪れた。

芝生も、遊具も、あちこちで幸せが溢れている。

展望台にも上がった。

もし、神様がいて、天から地上を眺めているならば、今は、微笑んでいるだろうなと思った。

素晴らしい時間が流れていたのであった。

相模原市中央区

そして、今日最後に訪れたのは、中央区だ。亀ヶ池八幡宮と、相模原市役所へ。

亀ヶ池八幡宮。
夫婦イチョウの葉が一体になっていた。

亀、の文字のカッコ良さ。

夕方だったので、静かに気持ちよく参拝することができた。

市役所に向かっていく。

いろんな銀行だ。
相模原市役所。

市役所の近くは並木道が続いている。

相模原市は、自然が近い。

地図を見ても、中心部はとても計画的にまちづくりが行われていると思った。

いい場所に、ロイヤルホストがあるなあ。

というわけで、今日の散策はここまで。今まで、川崎市も相模原市も、ぼんやりたくさんの人たちが暮らしていて、都会でもある、という淡いイメージだったけれど、日常そのものは、自然が近くて、広々としたところもあって、そうした場所でもあるのかなあと感じられた。どの土地も、開発されて今の暮らしがあるし、その上で、わたしたちにとって、これから何を大切にしなきゃいけないか、表れていたような気もする。

旅は明日へ続く。


<旅を応援してくださる方々へ&関連ページ>

「どこで暮らしても」の商品ページに飛びます。

今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。

写真集の商品ページはこちら


二見書房編集部noteにて、「旧市町村日誌」も書いています。

「旧市町村日誌」として、ブログにまとめきれなかった内容も含めて、旅についての心境を日記形式で書いています。結構、自然体です。

noteのページはこちら

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

RECENT ARTICLES

Follow me