日記を書こうと決めてはいるものの、どうせ、初日は気合が入って長くなりそうで、ずっと嫌だった。あとで無理がたたって続かなくなるのも嫌だし、結局、たいしたことも書かないのだし。「今どんな気持ちか」にしても、疲れた、ほっとしている、まだまだ先は見えない、どうしてこの旅をはじめたのだろう、とはいえやりますやります‥‥、と感情はどこにも定まらず溢れ出る。だから、何も定まっていない。今唯一はっきりしているのは、雨に濡れて靴下が冷たい、ということである。
12時に止む予報だった雨が、16時まで止まなかった。霧雨のような降り方を見て、これは進んだ方がいいと思ったので、13時半には実家の倉敷から出発した。だが雨脚はめっぽう元気で、初っ端から屋根のあるところで原付を止めて、合羽を着た。止むかもしれないと思って出発したのに、逆だったわけだ。旅の初日はぼくの鬼門なので、とにかく怪我をしたくない一心であった。下りの大きなカーブに差し掛かったとき、後続車が近くて、前回の旅の初日で転倒したシチュエーションとまったく同じだったので、3年前のそのシーンがはっきりよぎった。しかも、今日は雨だし。後続車に会釈をして、白線側ではなく車道の真ん中を、とろとろとゆっくり走った。天に試されている気がした。怪我だけは‥‥。それを越えられたので、すごくほっとした。
港に着いて、船に2回乗る。岡山県玉野市の宇野港から香川県の直島へ。直島からは高松港へ。今、四国へ原付で渡るには2回船に乗る必要があるのだ。そして、船の乗り場はヨーロッパの人々ばかりでたまげた。地元の人の何倍も多いではないか。自分が海外に来たのかと一瞬錯覚するほどの、完全アウェー。日本人は今、せっせと働いているというのに、瀬戸内海では、ヨーロッパからの旅行者がジャパンをたのしんでいるのか。と、せっせと働いていないぼくは多方面に申し訳なくなる。
それでも。直島から高松へ向かう船で、空が一ヶ所だけぽっかりとひらけた。太陽は見えないが、雨の鬱憤を晴らすように光が差し込み、そこを見ていればどんよりした気持ちを忘れさせた。ヨーロッパからやってきた旅行者たちも数人、じっとそれを見ている。彼らは空をどう解釈するのだろう。ぼくは一緒に同じ空を見て、「進んでいいのだな」と解釈した。初心を忘れずに。まずは出発することが大切だったから。
午後からのスタートだったのに、普段の何倍も長く感じる1日だった。明日も船に乗る。午後からは電波がないので、明後日以降更新できたら。無事に関東へ着けるように。
安心しました。出発しないと着かないですからね。これからの長い月日をかつおさんを見ながら生活できる幸運に感謝します。
かつおさん、初めまして!
倉敷生まれ&在住の者です。
今、ホラン千秋さんのラジオを聴いて検索して読ませてもらいました。
倉敷出身のかつおさんのご活躍を知り、素直にすごいなぁ!と思いました。
どうか無事に旅を終えて、帰郷してくださいね。
倉敷でも写真展をして下さるとうれしいです。
全国のステキな写真を待っています。
初めまして!ラジオ聴いてくださったとのこと、とても嬉しいです✨
はい、少しずつですが、終えられるようにがんばります!ほんとうにありがとうございます。
ありがとうございます。はい、少しずつしっかり、進んでいけたらと思います。ぜひ記事も一緒に追っていただけると嬉しいです。
ラジオを拝聴してとても興味がわきました
楽しみにしています
お体と事故にはくれぐれもお気を付けください
ひらおか様
ラジオを聴いてくださったとのこと、ありがとうございます。はい、安全第一で、進められたらと思います。