今日までの旅メーター
訪れた23区内の駅の数 【33/490】
歩いた距離(目標2,000km)【102.6/2000】目次
羽田空港まで歩こう。—大田区—
風のない澄んだ朝。散歩日和だ。大田区の南側を歩いて行く。蒲田から羽田空港まで、駅の数としては14駅の旅になる。
蒲田駅
蒲田駅の通勤の朝。東西南北どの方角からも、みるみる人が吸い込まれていく。普段は自分だって最寄駅で吸い込まれていく人間の一人だけれど、外から眺めると、ちょっとだけ機械的に見えてドキッとしてしまう。
朝から腹痛に見舞われてしまい、「信じろ…俺を信じろ」と念じながら、お手洗いへ駆け込むトラブルもありながら、駅周辺を巡った。
京急蒲田駅
蒲田駅から京急蒲田駅までは地下道で接続しているわけではなく、少し歩かなければならない。その道のりに特筆すべき何かがある、とまではいかないけれど、その「普通さ」が、良かったりする。
綺麗にカーブした線路に、羽田空港からやってきた電車がするっと駅へ入っていく。線路は高い位置にあって、近くを歩けば視界が覆われるけれど、周りに都心のような高層ビルは見当たらない。駅のそばを流れる呑川は空が広く、海が近づいていることを予感させた。
糀谷駅
次は糀谷駅、大鳥居駅、穴守稲荷駅と進んでいく。糀谷駅への道中は懐かしい建物が時折目に入り、昭和の色も残っている。大鳥居駅、穴守稲荷駅という駅名はまさに穴守稲荷神社を由来とするが、もともと穴守稲荷神社は羽田空港の敷地にあったというのだから、それもまた面白い。大鳥居駅近くの荻中公園では子ども用の交通コースを、自転車の子どもたちが周回していてほっこりした。羽田神社へ参拝し、大師橋を渡って多摩川を眺めた。そして穴守稲荷駅から、穴守稲荷神社へ。この辺りは立派なお寺や神社が多い。江戸の中心からは距離も離れていたはずだけど、漁師町として栄えた羽田の名残が、寺社からも感じられる。
大鳥居駅
穴守稲荷駅
徐々に穴守稲荷駅へ近づいていく。
神社の名前の通り、奥宮には穴の中に、お稲荷さんが祀られている。
天空橋駅
さて、羽田空港も近づいてきた。天空橋駅は住宅街と空港の境界線辺りだ。地元の中学生たちは、いつものように駅へ入って行ったが、空港は目と鼻の先にある。そのギャップも不思議だ。
整備場駅
次に向かった整備場駅は、名前の通り空港に関連するオフィスや整備工場が集まっている。
「調子がええときわな、150匹は釣れるんじゃ」と嬉しそうに教えてくれた。すごい数だな。
おじさんは最後の一匹が釣れたら帰ろうかというので、一緒に当たりを待っていたけれど、こういうときに限って当たらない。結構早いタイミングで、「もう諦めるわ。アッハッハ」引き際の潔さも、どこか達観していた。
羽田空港第3ターミナル駅
ようやく羽田空港に着いた。といっても、空港は広い。そして駅名も非常にややこしい。まずは京急と東京モノレールが停まる第3ターミナル駅。第3ターミナルは、国際便が主だ。建物内はやはり閑散としていた。しかし、ゼロではない。少し前はニュースで出入国の話がよく出ていたけれど、現場からは極めて冷静で落ち着いた雰囲気を感じる。どんな話題も騒ぐのは、いつも外の人間からだ。
13時を過ぎていたので、ターミナル内の吉野家で牛丼を食べた。あとから大きな荷物を抱えた、日本人男性が入店した。きっと牛丼が、出国前思い出の味になるのだと思う。そういう意味で、第3ターミナルの吉野家は尊い。
羽田空港第2ターミナル駅
シャトルバスに乗って、第2と第1ターミナルへ向かった。2つのターミナルは多少距離があるけれど、建物内を行き来することができる。やはりこちらは国内便ということもあって、人の数が多い。同じ空港でもまるで違うことに驚いた。せっかくなので展望デッキへ行くと、お客さんがいるいる。撮ってる撮ってる。みんなで、テイクオフを見守っていた。
羽田空港第1ターミナル駅
第2ターミナルから、歩いて第1ターミナルへ。ここには京急とモノレールの「羽田空港第1ターミナル駅」があるけれど、両ターミナルの間には、京急の「羽田空港第1・第2ターミナル駅」がある。ややこしくてずっと分からなかったが、行ってみてようやく理解した。でも、実際は駅名を気にする必要なんてない。
羽田空港第1・第2ターミナル駅
そしてここでもう一つ、普通なら立ち寄る機会のない、新整備場駅へ向かう。
新整備場駅
さっき「整備場駅」があったけれど、その新しいバージョン。降りてみると、異国感がすごい。すれ違う人はおそらくみんな、この辺りの会社関連の人だ。少しだけ歩いてみると、ビルの1階にファミリーマートがあったり、エネオスのガソリンスタンドがあったり、ここにも知らない世界があるのだと実感させられた。
新整備場駅で、羽田空港エリアの探索は終了だ。第3ターミナル駅で京急に乗り換えて、六郷土手駅へ向かった。
六郷土手駅
今日はあと2つ。六郷土手駅から、蒲田駅まで歩いて行く。土手の河川敷はやはり誰かの日常が流れていて、見ているだけで心が気持ち良くなる。
雑色駅
雑色駅では商店街を抜けて、線路沿いの「タイヤ公園」へ向かった。アンケートの中で、タイヤ公園をお勧めしてもらっていたのだ。
とてもいい公園だった。広い園内を子どもたちが自由に駆け巡る。地面は砂浜のようにやわらかい砂で、こけても痛くない。タイヤ公園でたくさん遊んだ子どもたちは、大きくなったら、ここでの原体験を思い出すんだろうな。
最後に、蒲田駅のかまたえんで観覧車に乗った。同じくアンケートで、「夕焼けの観覧車がお勧めですよ!」とメッセージをいただいたのだ。
一人で乗った観覧車。水平線へ沈みかけた夕日は、どこからとも言えぬ侘しさを秘めながらも、いつも以上に美しかった。これもまた、いい思い出だ。
(今日は終わりです。ありがとうございました!)
こんにちは
いつもかつおさんの写真と文章を楽しく堪能しています。
蒲田駅は妹が住んでいて、今でもしょっちゅう行く駅です!
かつおさんの目を通して知る蒲田は、私の知っている蒲田とは少し違う景色で、それがまたとても好きです(^^)
かつおさん、今日訪れていたんですねー
今後、あちこちの駅に出没するかつおさんと、街中でバッタリ会えることがあったらいいなぁ
これからも、気をつけて旅を続けてください!