ふるさとの手帖

市町村一周の旅

東京タワーをぐるっと。【23区駅一周|2021年10月2日その③】

東京タワーをぐるっと。【23区駅一周|2021年10月2日その③】

旅メーター 
全ての駅を訪れた23区の数【0/23】

0/23
0.00%
訪れた23区内の駅の数 【8/490】
8/490
1.63%

10月2日。真ん中のうねうね。
赤羽橋→芝公園→御成門

東京タワーをぐるっと。

三田共用会議所から、次は東京タワー方面の赤羽橋駅へ向かうことにした。日向坂を左折して住宅街に入ると、建物には古いアパートから少し新しいマンションまで、年代の差が伝わってくる。それは全国どこにでもある風景のようだが、遠くを見上げればやはり、目を見張るようなビルが聳えていて、東京は不思議な土地だなあと思わずにはいられない。しかし、この辺りが坂と呼ばれているように、かつては開けた土地だったのだろう。

信号は日向坂。
時代が混ざっている。

道中、昔ながらの神社も。(天祖神社)

橋を渡って、赤羽橋駅へ。
消防車がたくさん。
赤羽橋駅へ。

赤羽橋駅は目の前を環状3号線、その上を首都高速が走っていて、たえず車の音が響いている。高架の下に消防車が何台も停まっていて、よく考えられたものだと思った。赤羽橋交差点から見る東京タワーは、いままで何度か見たことはあったが、すばらしい。見晴らしの良い交差点から、スカッと東京タワーを眺めることができるのだ。写真にはなかなか収まらないぐらい、近いし大きい。

駅近くの公園。

赤羽橋交差点。

東京タワーが高い。
アオスジアゲハがいた。
芝公園へ。
芝公園駅。

芝公園駅に着いた。芝公園は芝だけでなく、お寺もあれば神社もある。もっといえば、古墳もある。芝丸山古墳がつくられたのは5世紀と言われている。都心に1600年前の古墳があることは、歴史的なことだよなあ。吉野ヶ里遺跡だって、最盛期は3世紀だったのだから。木々に囲まれた古墳を登ってみると、頂上に伊能忠敬の石碑が建っていた。測量の起点と関係するらしい。同じ日に、宮本常一だけでなく伊能忠敬にまつわる場所を訪問できた。嬉しさと不思議さが交錯する。市町村一周中、「伊能忠敬みたいだね」と言われたことがある。しかし、やはり彼にはかないっこない。だってあまりに、条件が違うもの。ぼくは文明の利器に頼り切っている。しかも彼は、50歳を過ぎてから全国を測量したのだから。歩くことへのモチベーション、そのパッションは想像しきれない。旅は困難を想像しがちだが、孤独の方が辛い。彼らにはほんとうの強さがある。

芝公園で見つけたこの景色、大好き!と思った。舗装されていない地面とブロック塀。おそらく昭和の景色と、ほとんど変わらない。
うんうん。
土があることを、忘れないこと。
芝東照宮のイチョウの木。立派だ。
芝丸山古墳。
奥にはテニスコート。
伊能忠敬の石碑。
古墳から増上寺が見える。
街並みも。
芝公園の芝。時間の流れがゆっくりだ。
寝ること。
隣の門をくぐると、
東京でも、空が広いなあ。

散策していると、ひとり黙々、倒立の練習をしている若いお兄さんがいた。雰囲気はシティーボーイ。だけど、何度も、何度も、練習を繰り返している。ぼくは気になってしまい、一度通り過ぎたけれど、彼のところに戻って、思い切って声をかけた。突然話しかけたぼくに、彼はやわらかな口調で話をしてくれた。たまにここで、倒立の練習をしているそうだ。

「勤めてる会社がアウトドア系で、社員の人たちを見てると、できるようになりたいと思ったんです」

お兄さんと東京タワー。

写真も撮らせてもらった。倒立と東京タワーの不思議なコラボレーションだった。話も弾んで、仲良くなった。年齢は同級生、出身は北海道の函館だそうで、「ラッピのチャイニーズチキンバーガー食べたいですよね」と言ったら、さらに仲良くなった。現在は麻布でお兄さんと一緒に暮らしているそうだ。今朝出会った、麻布や広尾の人たちの優しさについて話すと、彼も頷いてくれた。

「都会の人は全員冷たいみたいなイメージ、ありますよね。でも、人は人ですからね」

にしても、仕上がってる体よ。
「愛宕神社、絶対行った方が良いっす」

是非いつかご飯行きましょう。とお別れをして、増上寺、御成門駅を散策した。増上寺には、もちろん行っておきたかったので、参拝できてよかった。お江戸の格式あるお寺だ。御成門はたしかに門が残っているけれど、どこか静かに佇んでいて、少し寂しさがあった。

増上寺。
素晴らしいお寺だった。体がそう言った。
御成門駅前の通り。すぐ左手には港区役所がある。
御成門駅。
塀の中に、静かに御成門が建っている。
交差点。

そして、虎ノ門方面へ。

さっきの彼が「愛宕神社、絶対行った方が良いっす!」と教えてくれたので、最後は愛宕神社のある虎ノ門方面へ向かうことにした。歩いた先、偶然出会い、あたらしい道を教えてくれる。ひとつ違う場所を歩いていたら、出会わなかったのだろうか。違う人と、出会ったのだろうか。その「もし」なんて、存在するのだろうか。人と人との交わりが、この東京という土地では、無限に繰り返されているのだろうか。ここにある膨大な暮らしを想像したとき、人生とはなんと不思議なものだろうかと、思わずにはいられない。

(その④で、終わります。)

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