今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【82/175】
訪れた旧市町村の数【806/2,094】 総計【888/2,269】スーパーカブの総走行距離
22385km
昨日、旧布津町を訪れたあと、旧深江町の深江支所を経由して、島原港近くで滞在した。南島原市役所には「みそ五郎どん」がいたけれど、深江支所には「ろくべえどん」がいる。「島原大変」で見舞われた飢饉を救ったのが、六兵衛どんが考案した「ろくべえ」と呼ばれるさつまいも麺料理だ。「島原大変」については、がまだすドームで展示を見た。1792年に起きた、約1万5000人が犠牲になった国内最大規模の火山災害だ。
「日本一海に近い駅」の一つ、大三東駅。ー旧有明町(島原市)
翌朝、まずは旧有明町の大三東(おおみさき)駅へ向かった。穏やかな有明海がすぐそばに広がり、「日本一海に近い駅」とも呼ばれている。日本にはいくつか、海が近くて有名な駅がある。たとえば新潟県の青海川駅からは、日本海の波の音が聞こえた。愛媛県の下灘駅では、晴れていれば夕日が沈んでいく。大三東駅なら、有明海の干潮差を味わうことができるだろう。
ぼくが訪れたときはやや干潮気味で、ところどころ大きな池のようになっていて、その姿もまたいいなあと思った。朝から電車を待つ人もいて、日常の中にこの景色があるのだなあと。
がまだすドームで、平成大噴火に触れる。(島原市)
旧有明町から戻ってきて、次にがまだすドームへ向かった。雲仙岳災害記念館とも呼ばれている。1990年11月から1995年2月まで続いた、平成大噴火に関する展示を中心に、雲仙と噴火の歴史に触れることのできる施設だ。
シアターでは15分間の映像を見た。地元の人、取材クルー、タクシーの運転手、消防団、それぞれの人物の動きが映画のように描かれていて、ハラハラする内容だった。大噴火が果たして起きるのかわからない中、現場に近づくのか、避難するのか……天気の子のようなストーリーだとも思った。
地震、津波、洪水、さまざまな災害がある。ごく普通の日常があることが、いかに尊いか。映像を見てちょっと涙が出て、スタッフさんがいる反対側の出口から出た。
土石流被災家屋保存公園、大野木場砂防みらい館へ。(旧深江町)
がまだすドームを訪れた後、土石流被災家屋保存公園と、大野木場砂防みらい館を訪れる。保存公園は、土石流によって埋まった家屋がそのまま残されている。ここは海岸線近くなのに、2階建ての日本家屋が当たり前にように埋まっているのだ。ジオラマにすら見えてしまう。想像以上だったし、これを想像できるようにならなきゃいけないのかと。
大野木場砂防みらい館で、旧大野木場小学校の被災校舎を見た。前回の旅でも訪れたけれど、もう一度訪れたかったのだ。あらためて訪れると、火砕流で焼失した校舎は、津波で被災した校舎に似ているように思った。なぜ似ていると感じたのかは、わからなかった。でも、自然の猛威というものが圧倒的なことだけははっきりしていると思った。
湧水庭園四明荘や、島原城を訪れよう。ー島原市
そして、長崎県最後のまちとして、島原市街地を巡った。まず訪れたのは、湧水庭園四明荘だ。日本家屋の真下に池が広がる、とても風流な庭園。元々はお医者さんの別荘地で、周囲に建物がなく、有明海と熊本が見えたのだと教えてもらった。今も1日に3000トンの湧水があるのだと。池には鯉が泳いでいて、縁側に腰を掛ければ足元が池なので、ほんとうに風流だなあと心が晴れやかになった。
その後、島原城にも訪れた。フェリーの時間が迫っていたので、城内の展示は省かせてもらって、展望台のある5階まで駆け上がる。城からの景色を見たかったのだ。東西南北いずれも絶景で、最後にいい景色を見させてもらったなあと、また嬉しくなった。
フェリーで熊本へ。西南戦争の激戦地、田原坂を訪れる。ー旧植木町(熊本市)(北区)
無事に、長崎県のまちを全て訪れることができた。船旅も多くてかなり時間がかかったけれど、濃い時間を過ごすことができてありがたい気持ちでいっぱいだ。
さあ、ここからはカーフェリーに乗って、熊本を目指そう。
今日は熊本港に到着し、北区の旧植木町で予定があったので、旧植木町を目指して進んでいった。その予定の前に、田原坂公園を訪れる。西南戦争の激戦地だ。
西南戦争は国内最後の内乱。明治維新に貢献した西郷隆盛が挙兵する形となった。そして、資料館も併設されていたので見ていくと、1万3000人もの命が犠牲になったことを知った。親や兄弟が敵味方に分かれて、互いの義を貫いたのだと。
何度も同じことを思うけれど、歴史を経て現在はある。西南戦争の結果が逆だったら、といった「もし」は必ず存在しない。そして、西郷隆盛は、そのことを知っていたのではないかとも思った。
というわけで、今日の散策はここまで。長崎県の旅が無事に終わり、熊本県へやってきた。またゼロからがんばりたいと思います。
本日のひとこと。
雨予報と寒波に合わせて、少し長く休んでいます。
雨予報と寒波に合わせて、少し長く休んでいます。
(終わり。次回へ続きます)
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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