お世話になっているご家族のお子さん方が、学校へ出発した月曜日の朝、そのあとを追う形でぼくも出発した。年末年始と合わせて、この度はたくさんお世話になり、ほんとうにありがとうございました。
今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【81/175】
訪れた旧市町村の数【794/2,094】総計【875/2,269】スーパーカブの総走行距離
22180km
水彩画のような淡い空の朝、旧愛野町へ向かった。そして何より、昨日、国道251号線で見たじゃがいも畑や愛野展望所からの景色は圧巻だった。雲仙の地形が生み出す凄さは、畑や海にもあるのだと。
今日はまちなみを歩いてみた。愛野駅には「愛の駅」と言葉をラブリーに変えた表現もあって、確かに愛あふれる地名だよなあと思った。
次にやって来たのは、旧吾妻町。吾妻岳の北西山麓の扇状地に位置するまちだ。山並みは強い日差しの逆光で、眩しくてはっきり見えなかった。
雲仙市役所を訪れたあと、干拓堤防道路へ向かう。この道路は旧吾妻町と、諫早市の旧高来町を結んでいる。海を走るような道で、近くまで訪れると盛り土がしっかりされた道で、規模の大きさを感じられたのだった。
下村博士の言葉と、森の中の岩戸神社。ー旧瑞穂町(雲仙市)
次に訪れたのは、旧瑞穂町だ。まずは海側の市街地へ向かう。瑞穂総合支所に着くと、2008年にノーベル化学賞を受賞された下村脩博士の石碑が建っていた。
旧瑞穂町と下村博士のつながりとして、石碑の説明文を読むと「旧佐賀藩神代鍋島領伊古村庄屋下村家」の14代当主だったそうだ。そして、石碑の言葉には、
「どんな難しいことでも
努力すれば何とかなる
絶対に諦めないで頑張ろう」
と言葉が刻まれていた。誰しもがこの言葉を自分ごととして、当てはめられる気がする。ぼくもエネルギーが湧いた。
次にやってきたのは、旧国見町。国見といえば、サッカーの国見高校が有名だということはぼくも知っていた。でも、今まで国見という具体的な場所をわかっていなかった。だから、旧国見町が存在していたのだと知って腑に落ちた。島原半島の北部に広がるまちである。
まずは神代小路と呼ばれるエリアへ向かった。かつて鍋島藩に所属した神代地区の武家屋敷群で、当時の暮らしの気配が感じられる。鍋島邸は屋敷の門までの道も丁寧に残されていて、想像をかき立てた。
隣の多比良や土黒地区は松平藩に属していたので、今では同じ国見町、雲仙市だけれど、かつては違う所領だったのだなあ。
そして、多比良港を訪れた。多比良港からは熊本県の長州港(長州町)へ船が出ている。45分で結ばれた航路だ。島原半島から熊本へ行く船は、ほかにも島原港ー熊本港や、口之津港ー鬼池港(天草市)がある。
島原港から熊本港へ行く便だけ乗ったことがあって、今回もその便を計画しているので、多比良港からもいつか乗る機会があるといいな。
岩戸神社へ訪れたあと、雲仙グリーンロードを通って、旧千々石町へ向かっていく。雲が多い時間帯が続いたけれど、ようやく晴れてきて、グリーンロードからは気持ちのいい景色を見渡すことができた。
そして、千々石展望台にやってきた。過去の記憶と重なって、「確か前回の旅で、バイク乗りのおじちゃんたちとここで話したなあ」と。実際、その通りだった。千々石名物の「じゃがちゃん」を食べたのである。
今回訪れてみて、展望台から見える景色が素晴らしかった。畑の色が一色ではなく、茶色、赤茶色、緑、黄色と、複数の色が広がっていた。畑の奥の山並みも壮大だ。
今度は展望台から南下していく。海が近く、斜面に佇む家並みが印象的だ。千々石川沿いの漁師町へも向かってみた。昔のままの町並みが、ところによって多く残されていた。流れている水の流れも美しい。空も広い。そして、普賢岳の方角には険しい山並みが重なっている。様々な景色が同時に存在していると思った。
最後に向かったのは、旧小浜町だ。富津地域の六角井戸にも訪れたかったのだけれど、まずは雲仙温泉へ向かうことにした。雲仙温泉街に着くと、硫黄の匂いがあちこちから漂っている。雲仙地獄からはゴォと低い音を立てながら湯気が立ちのぼっていた。
それから湯の里共同浴場で、温泉に入ることにした。おひとりさま200円。安さにビックリしてしまう。
温泉に入ったのは14時過ぎで快晴だった。南側の窓の手前の木に光があたり、木漏れ日をつくってキラキラと揺れている。さらに、浴室の湿度が高いことで、早朝の森のような光芒が差し込むのだった。
温泉が気持ちいいことはもちろん、この時間帯だからこそ見られた景色に感動した。写真は撮れないので、目で見て心にしまった。
雲仙温泉のあと、小浜温泉へ下っていく。雲仙温泉で滞在することも考えていたけれど、今日は出来るだけ早い時間にチェックインする必要があって、小浜温泉のビジネスホテルを予約していた。
そのビジネルホテルにも内風呂があり、あとで入浴させてもらった。雲仙温泉とお湯の具合は違う気もしたけれど、ミーハーなので、どっちも気持ちいいなあと思ってしまった。
落ち着いてからは、夕焼けの時間帯に市街地を歩いた。小浜温泉もあちこちで湯気が立ちのぼっている。「日本一長い足湯」にも入ってみた。太ももの真ん中ぐらいまで深さがあり、しっかり温まる。夕日が沈む前まで読書した。とてもいい時間だった。
というわけで、今日の散策はここまで。雲仙市は小さなまちが多く合併していることを強く感じた1日でした。
LEAVE A REPLY