朝6時に佐世保市を出発しました。
外はまだ真っ暗です。
まずは平戸港へ向かって、約40キロの移動からのスタートでした。
思いのほか寒くて体が冷えていきます。
もっと厚着すればよかったなあ、と体が限界を感じて、途中でコンビニにも立ち寄りました。
コンビニで体を温めないと、体が思うように動かなくなることがあるんですよね。
そんなことないでしょ、って思われるだろうけど。
さあ、佐世保市を抜けて平戸市へ。
今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【81/175】
訪れた旧市町村の数【756/2,094】 総計【837/2,269】スーパーカブの総走行距離
21500km
紫色とピンク色の朝焼けがとても綺麗で。
もう、頭で考えるよりも前に、体が自然に止まって。
難しいですか、と聞いたらなんとかなったのかもしれないけれど、無理にお願いをして、それを「親切に対応してもらいました」なんて表現するのは嫌なので、カブは港に置いて徒歩で乗船します。
ぼくは左側の船に乗りましたが、ちょっとドキドキして船員さんに間違っていないか確認したり。
そのあと、船内アナウンスが鳴ります。
的山大島へ出発だ。
変わらない時間、神浦の町並み。ー旧大島村(平戸市)
遮られていない外海を通ったからだと思います。
2005年に合併するまで、的山大島は大島村として存在していました。
港では島から平戸へ向かう船便でお別れがあるようで、名残惜しそうな「またねー!」という挨拶を垣間見ます。
自分が知らないだけで、ここにもひとりひとりの日常があるのだなあと。
そして、徒歩での散策に変わったことで、急に島が大きくなりました。
いくつか行きたかった場所はありましたが、帰りの船便までに残された時間は約2時間。
メインである神浦の集落まで徒歩50分かかる見込みだったので、必死に往復してなんとか間に合わせようという作戦です。
歩くこと50分、ようやく神浦の町並みに着きました。
車と舗装された路面以外は、何も変わっていないような時間の流れに驚かされます。
静かな集落をドキドキしながら歩きました。
昔ながらの佇まい。
そこには生活の中で守られている規律のようなものを感じました。
落ち葉があれば掃き、ゴミがあれば拾い。
「変わらない気配」という美に触れたとき、簡単に「田舎」や「地方」という言葉に寄せてしまうのは、やや短絡的だと感じられます。
変わらないことは、守ってきた時間の積み重ねでもありますから。
旧市町村の一周の旅を通して、的山大島へ訪れることができて良かったです。
危ない、なんとか10分前に間に合いました。
港まで向かう間、次々と車に抜かれました。
「この人、歩いて観光してるよ」
って、思われたことでしょう。
汗をたくさんかきました。
ザビエル記念教会、平戸城、川内峠。ー平戸市
朝一の便で的山大島へ向かいましたが、平戸港に帰ってきた時刻は12時です。
ここから、きちんと巡ることとできるだけ遅れないことを心がけて進んでいきます。
最初に訪れたのは、平戸ザビエル記念教会。
建物内は撮影禁止ですが、見学もできました。
天井が高く、柱にも細かな装飾が施されていて、ステンドグラスには陽射しが差し込み、包まれた空間は粛々と清々しい。
1931年の献堂落成式の写真を見ると、信者さんであろう方々がたくさん写っていました。
禁教の歴史は、やはり考えさせられるものがあります。
もちろんまだまだ、知らないことばかりですが。
次に平戸城に向かいました。
松浦(まつら)家の築いた亀岡城の展示を見ながら、最後は展望台に上がれる形式でした。
松浦家の26代と29代がそれぞれ亀岡城を築いていたけれど、26代目は築城後に自ら城を燃やしていたり、いろいろ大変そうだなあと。
まちが海外にひらかれていると、国内だけではない均衡を保つ必要があります。
対馬の宗氏が、海外との板挟みの関係で大変だったこととも重なりました。
最後に、川内峠にも訪れました。
冬の黄色に染まった草原も見事でしたよ。
鮮やかな漁港と暮らしの気配が好きだ。ー旧生月町(平戸市)
「とっても良い島だから!」
という言葉をもらっていました。
でも、実際に行ったことがないので、どんな島なのかは正直実感が湧かなかった。
ところが、海沿いの道に出て生月島が遠目に見えてきたところで、「なんだこの島は!」と。
旅で直感が鍛えられていたら嬉しいですが、遠目から見ても良い島だなあと。
そして、漁港がとても生きていると感じられて。
気仙沼で見た漁船と雰囲気が似ていました。
気仙沼の漁港には北海道や青森からやってきている船も多く、それと似たものを感じたからです。
田平天主堂と昆虫自然園へ。ー旧田平町(平戸市)
入館料を支払って天主堂内も見学します(堂内は撮影禁止)。
ほっこりしたのは、教会内の柱に小学校の教室についていたような扇風機がたくさんついていたこと。
夏場は暑いのだろうなあ。
でも清らかで、祈りの場を感じた時間でした。
「ここに、サンショウウオの卵があります」
って、ほんとうにいたりもしました。
見ている視点が違うと、見えるものがこんなにも違うのかと。
楽しかったなあ。
閉館間際に優しく案内していただき、ありがとうございました。
昆虫への愛が溢れていて。
いい写真って、そういうことだなあって。
知らない世界がぐっと広がって、もちろん、今日だけで知ったつもりには到底なれませんが、ありがたい1日だなあとつくづく思いました。
松浦市の宿で、中学校の成人式の同窓会がひらかれていました。いろいろと思い出しますネ。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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