ふるさとの手帖

市町村一周の旅

酒田市と庄内町を、港から山まで。【旧市町村一周の旅(山形県|10月11日―188日目)】

酒田市と庄内町を、港から山まで。【旧市町村一周の旅(山形県|10月11日―188日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【59/175】

59/175
33.71%
訪れた旧市町村の数【534/2,093】
534/2093
25.51%
総計【593/2,268】
593/2268
26.15%

スーパーカブの総走行距離
16170km

酒田市→旧八幡町→旧平田町→旧松山町→旧余目町→旧立川町、の6つ。

酒田市と庄内町を、港から山まで。(2023年10月11日(水)―188日目)

こんにちは、の前に、ご無沙汰していますが正しいかもしれません。何度か旅をストップさせていますが、今回は過去最長、2週間のブランクがありました。その間はいくつか撮影仕事に出かけたり、結婚式に参列したり、漁船に乗せてもらったりしていました。旅で漁船に乗る機会なんてなかったのに、休んでいる間に旅っぽいことをするなんて。

さて、酒田市に戻ってきて、いよいよ旅を再開しました。久しぶりにカブに乗ると、今までの日常が戻ってきたようで、やっていることは非日常のはずなのに、おかしなものです。それでは振り返っていきましょう。

酒田市

酒田市にて、前回の旅で訪れたのは、もちろん土門拳記念館です。5年前のことで、当時は大学生でした。写真好きなら、土門拳記念館で得られるものはたくさんあるはずだ、と当時は意気込んでいましたが、今ではあまり記憶が残っていない。覚えているのは、土門拳が使っていたカメラを必死に見ていたことぐらいかな。

だから、5年経って、見える世界がどれだけ変わっただろうかと、自分にとってはお試しモードだったわけです。なぜなら土門拳の写真は一つも変わっていないから。目の前の世界が違って見えることは、世界が変わったのではなく、自分が変わったということだから。

つらつら書くと長いので端的に言いますが、びっくりするぐらい土門拳の写真が違って見えました。今回の方が、彼の写真の凄さをあまりに感じた。それを、「前回よりも成長した」とまとめてしまうのは駆け出しの写真人間にふさわしくないので、「5年経つとはそういうことだ」ぐらいに思うことにしました。

土門拳の代表作である仏像の写真たち。写真集で見るよりも、大きなプリントで見る方が抜群に良かった。そもそも、アクリル板がない額装が多くて、しかもすごく綺麗なプリントだった。仏像たちの表情を見ていると、本当に生きているようだった。

遠い存在だなと、ちょっと悔しかったですね。でも、旅の再開直後に土門拳記念館に行けたことは、偶然のようで必然のようで、これからの旅の土壌になりそうです。


酒田市街地では、ほかに日和山公園や、山居倉庫を訪れました。前回訪れていなかったことを後悔するぐらい、それぞれ観光地として素晴らしく。山居倉庫は明治期に建てられた米の保管倉庫です。黒い屋根と板壁の倉庫がけやき並木に溶け込んで、自分が小さく見えるほど、遠くまで伸びていました。

あと、酒田はラーメンが有名な街ですが、つい先日東京で開かれていた「日本ご当地ラーメン総選挙」で、酒田ラーメンが日本一になったんですよね。会場の中継をテレビで見ていたので、優勝したのか! すごいな酒田! と。花鳥風月さんをはじめ、酒田ラーメンのお店にも行って、薄いワンタンが特徴のラーメンを味わうこともできたのでした。

街には獅子がいっぱいいた。

市街地を歩く。

日和山公園へ。
港が見渡せる。

土門拳記念館。
山居倉庫。

街と光。
鳥海山の朝。

川柳さんで、塩ワンタン。
花鳥風月。
すごいぜ!
えびワンタン。
ビジネスホテルのテレビ。

旧八幡町(酒田市)

酒田市街地から北東の方角へ進んでいくと、旧八幡町に入ります。2週間前に泊めさせてもらった友人の家もこの辺り。彼が好きだと教えてくれた道を訪れてみると、日本海を見渡せる棚田の風景に、虹が架かっていたのでした。この道は、ほとんどの人が知らないだろうなあという立地です。この世のほとんどの人が知らない、秘密の風景を教わったようでした。

さらに、「玉簾の滝」と呼ばれる滝も見に行きました。神社の裏手に滝が流れていて、クセはなく、真っ直ぐな落ち方。その高さが63mで、とても高いのです。高いほど勢いがありそうなのに、ゆっくりと落ちて見えた。ここまで少し遠いけれど、誰でもぜひ行って欲しいと思える滝だ。

二週間前にお世話になったそうちゃん。
地元のおばあさんが作ってくれた調味料。名前なんだったかな〜〜すごく丁寧に作られていて、味が深かったことは覚えている。
二週間前は大雨でした。

今朝は快晴。

素晴らしいと思った。

旧校舎がコミュニティセンターに。
そうちゃんに教えてもらった景色。虹も。
玉簾の滝へ向かう。

奥が玉簾の滝。手前の木も良かった。

旧平田町(酒田市)

次に向かったのは旧平田町です。酒田市の市街地へ戻ることはなく、内陸の道を進みます。平野と山間部の狭間ぐらいで、山側の裾野に時折集落が現れるのでした。

最初は山楯の大ケヤキと呼ばれる大木を訪れてみました。小さな集落の家と家の間に、枝葉が溢れんばかりの大木が聳え立っていて、そのギャップに驚かされます。近くには酒造もあって、きっと美味しい水からつくられているのだろうなあと、“楯の川酒造”の名前を暗唱したのでした。

旧平田町へ。
山楯の大ケヤキ。

西の方角は庄内平野。

雨上がりだ。

平田総合支所にて。
産直だ。めんたま畑。

旧松山町(酒田市)

酒田市で最後にやって来たのは、旧松山町です。旧平田町の市街地からもさほど遠くはありません。それでも町の雰囲気は今までと違っていて、昔からここで町が形成されていることは感じられたのですが、この違いはなんだろうかと思いながら歩きます。やがて「松山城」の言葉を見つけて、なるほど城下町だったのかと。江戸時代には、2万5千石の城下町だったそうです。

町の中心地から3kmほど山道を登っていくと、眺海の森の展望台に着きます。“眺海”は鳥海山にかけているのだろうと思いますが、上手な表現。展望台からは庄内平野を思い切り見渡します。眼下には最上川も流れていましたが、それよりも「でっかい平野だ!」って感じでした。

旧松山町へ。
山の手前に集落が広がる。

イチョウとバスセンター。

眺海の森へ。
展望台。
平野だなあ。

旧余目町(庄内町)

眺海の森の展望台から見えていた最上川を渡ると、庄内町に入ります。庄内町は旧余目町と旧立川町が合併してできたまち。特に余目(あまるめ)は、独特の読み方ですし、駅を何度か利用したことがあるので、訪れることがちょっと楽しみでした。

最初に余目に位置する庄内町役場を訪れましたが、なんと大きくて立派な庁舎でしょう。垂れ幕の文字は「子育て応援日本一」や「日本一住みやすいまち」力が入っているなあと、庁舎を見るだけでも伝わって来ました。どういう政策が行われているかまでわからなくても、こういう町の姿勢を感じると、まちのことが気になります。

中心部を歩いているとJAの前に小さな屋台があって、玉こんを食べました。やっぱり、山形ですし。でね、この玉こん、とっても大きな丸いこんにゃくが、なんと3つで100円。安い! と心の声が出るわけですが、食べてみたら、美味しいのなんの。今まで食べた玉こんの中で、いちばんかも。味が染みてて、その醤油ベースの味が、クセになる旨味を閉じ込めてしまっている。きっと店頭のおばあちゃんが作ったのだろうから、地元のおばあちゃん、最強だ。

余目駅周辺に行ってみると、立派な観光施設があって、その施設内のパン屋さんでお昼ご飯を食べることにしました。アジフライサンド、カニクリーミーコロッケ、明太マヨパン。余目では美味しいものをたくさん食べちゃったなあ。

庄内町役場。立派だ。

玉こんを発見。
大きな丸いこんにゃくだ。
見た目以上に大きかったです。そして、すんごい美味しかった。
「昨日も写真撮って行った人いたッケ!」とお母さんに言われた。

新産業創造館クラッセにて。
梅肉ソースにやられた(味に感動)。
高校生たち、一緒にがんばろうぞ!
余目駅。

旧立川町(庄内町)

最後にやって来たのは、旧立川町です。当初の予定では、市街地と庄内町風車村、もしくは道の駅に行こうかなと思っていましたが、先ほどの余目の施設で見つけたポスターから、市街地よりももう少し最上川の上流へ進んだ清川というところに、歴史公園があることを知ったので、そこまで訪れてみることにしました。

歴史公園はかつて荘内藩の清川関所があった場所です。舟運は経済と文化の大動脈ですし、出羽三山詣の登山口としても大いに賑わったとのことでした。まちなみには独特の静けさがあって、かつての賑わいとは反対かもしれませんが、土地からは歴史の声が十分に聞こえてきます。行って良かった場所でした。

立川総合支所。

立川風来風流(からふる)通り。

清川のまちなみ。

清川関所跡。
松尾芭蕉は1689年6月3日に、清川の地に上陸した。「五月雨を 集めて早し 最上川」は、途中の舟の中で作ったと言われている。

北楯大堰。
歓喜寺。


これで、今日の散策は終了したのですが、そのあとに鶴岡市へ向かい、理髪店の「ヘアーサロン髪切屋」で散髪をしてもらいました。店主の三浦さんが楽しく会話をしてくださって、会計のあとに、色紙に書を書いてくださって。鶴岡で書を習っているそうで、味のあるとても素敵な字なのでした。「なんと書きましょう?」の答えは、なかなか難しい。裏千家のお稽古の軸で好きになった「喫茶去」を書いてもらいました。ありがとうございました!

店主の三浦さん。
かっこいい。
素敵な書をいただいてしまった。
ありがとうございました!
本日のひとこと
朝はとても寒くて、早速ネックウォーマー出動です。
(終わり。次回へ続きます)

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