ふるさとの手帖

市町村一周の旅

出会いにいざなわれし、ニコニコな旅。【旧市町村一周の旅(福島県・83日目)】

出会いにいざなわれし、ニコニコな旅。【旧市町村一周の旅(福島県・83日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【44/175】

44/175
25.14%
訪れた旧市町村の数【277/2,091】
277/2091
13.25%
総計【321/2,266】
321/2266
14.17%

スーパーカブの総走行距離
6680km

旧本宮町→旧白沢村→旧岩代町→旧東和町→旧安達町→旧二本松市、の6つ。

2023年6月28日(水)出会いにいざなわれし、ニコニコな旅。(日本一周83日目)

朝から土砂降りだった。容赦してたまるかという具合で、雨音がざあざあ鳴っている。だが、不思議なことにさほどショックはない。最近雨が続いたことで、体と心が慣れてきたのだ。それに、今日は午後から人とお会いする予定もある。だから、安全運転で雨を駆けよう。雨でも郵便を届けるバイクのお兄さんみたいに。

旧本宮町(本宮市)

最初に訪れたのは旧本宮町。現在は合併後に市制へ変わっている。本宮駅前と、みずいろ公園へ訪れた。

本宮は福島のへそのまち。

「日本のおへそ」と言っている自治体も複数あって、兵庫県の西脇市だったり、群馬県の渋川市だったり。思うに、「へそ」って妙な説得力がある。本能的にへそが大事だと人間は身に付いているのかな。

駅の近くを歩く。

みずいろ公園へ。

雨に濡れる。

雨でもゴミを拾う方がいた。

街灯、本宮の「本」だよなあ。お洒落だ。

旧白沢村(本宮市)

次にやってきた旧白沢村は、2007年に旧本宮町と合併した。本宮の市街地は景色もひらけているけれど、白沢方面は自然の景色に移り変わっていった。

白沢総合支所。
窓の中。
大きな工事も進んでいた。

雨が止んで空が明るくなった。
ひっそり。
君は…。

旧岩代町(二本松市)

そして、次に向かったのは旧岩代町。「合戦場のしだれ桜」が気になったので、季節は違うけれど行ってみることにした。

岩代のまちなみ。
合戦場、という名前で勝負有り。

桜の名所はあちこちにあるけれど、「合戦場のしだれ桜」という名前の響きで、決着がついているように思う。行きたくなるもの。

今は緑の葉を茂らせる。
とても大きな桜の木だった。
V字型の畑。

もう一度岩代の集落へ。

図書館にも入った。優しい本の香りがした。

旧東和町(二本松市)

次に向かったのは旧東和町。阿武隈川沿いはカヌーの練習場にもなっていると、のちに教わった。今回は『道の駅ふくしま東和』へ。

旧東和町。
かっこいい。

東和では「針道のあばれ山車」というお祭りがある。個性豊かなキャラクターなどが山車を彩り、まちを練り歩くそうだ。

道の駅へ。
この大きな人物は、牛若丸だ。

「また来てくださっしょ」いいなあ。

歌音さんの案内で、旧安達町と二本松市へ。

ここからは、二本松市の市街地で歌音さんという方と初めてお会いした。仕事がお休みだということで昼食をご一緒して、それから旧安達町と、二本松市内を案内していただいたのだった。

歌音さんは市内でもいろんなご活動を広く行っていらっしゃった。
立美という趣あるレストランへ。
歌音さんおすすめのチキン唐揚げ定食。すごく美味しかった。

そして、最初に旧安達町へ案内していただいた。
高村智恵子純愛通り。

高村智恵子は明治から大正にかけて活躍した洋画家だ。夫は詩人の高村光太郎で、夫婦の日々は「智恵子抄」など作品としても残されている。語られる大きなテーマは「愛」だ。まだ作品をいろいろ知らなかったので、これから読んでみたい。

散策コースの神社。
油井地区の風景。
晴れ間がのぞいて暑いぐらいだった。
そして、雑貨と喫茶のお店「watani」さんへ。
歌音さんが持って来てくださった写真集。ありがとうございます。
お店には心躍る雑貨がたくさんあった。

水出しコーヒーとレモンケーキを食べた。最高だ。
とても明るい店主の方でした。30年越しの思いでオープンした雑貨とカフェの場、素晴らしいなあ。
常連さんがやって来た。暑いけどしゃべる。ぼくが倉敷出身だと言うと、「倉敷に花があるんだ。なんの花だったか…」と、思い出せない。
「花が…倉敷の…」
「花、なんだったか…」
と、ここでふらっと、「街角の数学」の五輪先生ともお会いした。

そして、高校生のまなとくんとも合流して、お店が賑やかになった。歌音さんはみなさんとそれぞれ関わりを持っていらっしゃる。そのご縁にあやかって、ぼくも不思議な化学反応に混ぜていただいたのだった。

ありがとうございました!

ちなみに花の名前は「栴檀 (せんだん)」の木だとわかった。美観地区の倉敷川沿いに生えている木で、お父さんは美観地区へ訪れた際、この木の花の香りが、とても印象的で覚えてくださっていたのだ。ぼくは地元なのに気づいていなかった。ありがとうございます。今度匂いをかいでみよう。

隣のスペースで、「街角と数学」の展示があった。さらには高校生のまなとくんも写真を展示していた。
日常にひそむ模様に美しさがある。
奥の棚は折り紙で作られたいろんな形だ。

五輪先生は、数学を日常の中に落とし込んでいらっしゃるけれど、「それでも数学で全体はわからない。だから、切り口が大切なんだ。それは数学でも、数学以外でも共通すること」そう仰った。展示はちょうど、今日までであった。


さて、ここから今度は「岳温泉」という温泉街へ向かった。地域おこし協力隊の方々がいて、お会いできたらいいねと。歌音さんと高校生のまなとくん、さらには五輪先生も一緒に岳温泉へ行くことになった。先生、巻き込まれちゃってませんか!? と思ったけれど、みなさん自由で爽やかだ。

道中、戒石銘。二本松の方々は知っていて当然だと。
「爾俸爾禄 民膏民脂 下民易虐 上天難欺」つまり、民のお金を大切に使いなさいという戒めの言葉だ。
二本松城跡。
しばらく走って、岳温泉に着いた。
岳温泉神社。
この木管は、湯元から源泉を引くために使われたもの。
先生は岳温泉にも精通していた。

そして、ニコニコ共和国国会議事堂へ。

かつて、ここには独立国があった。その名もニコニコ共和国。独自通貨が流通し、夏場は毎日のようにイベントがひらかれ、一世を風靡した。

地域おこし協力隊の坂東さん。
同じく中山さん。湯守(お湯の番人)を担当されている。
「これが、パスポートです」

ニコニコ共和国は独立国なので、パスポートが必要である。

「これが独自通貨のコスモです。加盟店なら今も使用できます」

「このコスモ、すぐそばのファミマでも使えるんですよ」と聞いて、すごく衝撃だった。

かつての写真も見せていただいた。すごく楽しそうだ。

ほんとうに毎日お祭りである。

現在ニコニコ共和国としての姿は主に閉じているけれど、岳温泉として、素晴らしい温泉がこれからも残って欲しいなあと思うばかりだ。温泉の歴史は長く、それでもかつては山津波や大火に遭い、さまざまな変遷を経てきた温泉街なのだ。

少しだけみなさんと散歩した。
元国立議員食堂。

かつては独立国なので、国立議員食堂だったり、いろんな国家レベルの名前がお店にはつけられていたそうだ。人物としても大統領がいらっしゃったそうだ。面白いなあ。

案内をありがとうございます。
ニコニコマップの看板を探す。
アルコール管理局は、居酒屋だったそうだ。
お二人、ありがとうございました!

この辺で、雨脚が強くなってきて、みなさんと解散になった。歌音さんが繋いでくださったご縁で、いろんな方々とお話をすることができた。心から感謝だ。これからご縁がさらに広がっていく気もした。ただ、実はまだ岳温泉に入浴できていないので、旅が終わったら宿泊しよう。

本日のひとこと
カブで走っていて雨が強いと、雨粒が目に入ってコンタクトが飛びそうになります。
(終わり。次回へ続きます)

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