今日までの旅メーター
訪れた23区内の駅の数 【70/490】
歩いた距離(目標2,000km)【208.4/2000】

西武線を頑張って、30km歩こう。(練馬区)
前回は凛太朗くんと一緒に練馬区を歩いた。今日はツイッター経由でつながった渡辺さんと一緒に、西武新宿線と西武池袋線を交互に、がむしゃらに歩く。先に言ってしまえば、渡辺さんは30kmを余裕で踏破されたけれど、ぼくはヘロヘロのしなしなになった。では、行ってみましょう。
野方駅
最初のスタートは西武新宿線の野方駅から。駅のすぐ近くには環七通りがある。前回訪れた新桜台駅とつながっていて、電車だけでなく、道路のつながりも分かってくると、なんだか嬉しさがある。

ちなみに渡辺さんも区内の駅を網羅的に歩いていらっしゃる。タフだなあ。

ちなみに最終目標は石神井公園の方だが、まだまだ遠い。まずはいまいる場所を、しっかりと歩いていこう。






歩いている道中、体が緑色、しっぽがオレンジ色の美しい鳥と出会った。すぐに飛んで行ってしまって、何の鳥だろうと後から調べてみると、ジョウビタキのメスだった。住宅街の散策も、やはり楽しい。
都立家政駅
特徴的な駅の名前、都立家政駅。大学か高校があったのかな、と想起させる。かつて旧都立家政高校があった名残で、いまは鷺宮(さぎのみや)高校へと変わっている。







のちに池袋線まで進んで行く。いまはもう一度Uターンして、都立家政駅の近く、鷺ノ宮駅へ。
鷺ノ宮駅
鷺ノ宮駅と都立家政駅の距離は約500mで、同じ路線の駅としてはかなり近い。しかし、鷺ノ宮駅は急行が停まるし、それに乗ればたった12分で西武新宿駅に着いてしまうのだから、東京の狭さ、暮らしの特徴が肌で感じられる。ちょうど朝の通勤ラッシュ帯で、駅周辺は混み合っていた。





区内を歩いていると、東京は電車だけではないことに気づく。バス文化も大いにある。特にこのあたりの電車路線は東西に走っているから、南北の往来が煩わしい。それをしっかり補うように、バス路線がたくさん通っているのだ。通勤ラッシュ帯、電車と変わらないペースでぐんぐんやって来るバスたちに驚いた。中央線の荻窪駅や西武池袋線の中村橋駅へ。バスは暮らしを支えている。

中村橋駅
今度は路線を跨いで、西武池袋線の中村橋駅へ向かっていく。バスならあっという間に着いてしまうのだけど、それをぐっと堪えて、歩いて行くことに意味がある。

偶然神社に出会って参拝すると、それから太陽が差し込んできた。渡辺さんも晴れ男ということで、運気が上昇したのかな。






マロンがほろほろで、甘いんです。


中村橋には、練馬区立美術館がある。園内には「幻想美術動物園」と呼ばれるエリアがあって、キリンやゾウ、ゴリラ、いろいろな動物たちがのんびり過ごしていた。



美術館がそばにある暮らしって、いいですよね。
富士見台駅
今度は西武池袋線を進んでいく。中村橋駅の隣、富士見台駅へ。



東京を歩いていると、「富士見」という地名がとても多い。高台から眺める富士山は抜群だったからだ。
いま富士山は、地上からなかなか見えない。しかし、「富士山が見えてあたりまえ」の時代があったことを思うと、江戸・東京において、富士山という存在の大きさがよく分かる。だから、現代はそのシンボル的役割を、富士山の代わりに東京タワーやスカイツリーが担っている、ということもよく分かる。


練馬高野台駅
富士見台駅から、もうひとつ隣、練馬高野台駅へ。少し高台の、住宅街がつづく。

環七や環八は、東京を広く通っているんだなあと、何度も思う。

練馬高野台駅のすぐそばに、石神井川が通っている。





下井草駅
先ほどの練馬高野台駅は西武池袋線。今度は西武新宿線の下井草駅へ、逆戻りしていく。1時間歩いて、ようやく駅の近くまでやって来た。



すでに西武新宿線、池袋線の往復でへとへとになってしまったぼくに対して、渡辺さんは余裕そうだったのだけど、頃合いなのでお昼休憩に。『らせん屋』さんでポークソテーをいただいた。

口の中で、「ああ、もう、ほろほろになくなってしまう」と溶けていく柔らかさ。何も考えずに「あっ、美味しい!」という言葉が溢れるって、すごく幸せだなあと思った。

すごく美味しかった。「デミグラスが、うまぐらす」とメモに残っていた。でもとにかく、デミグラスソースと卵とライスをひとつのスプーンにのせて、パクッといただく瞬間の幸せは、旅の疲れを心から癒してくれる美味しさだった。
とっても素敵なお店でした。
井荻駅
すっかり元気になって、後半戦も進んでいく。下井草駅のお隣、井荻駅へ。名前は「井草」と「荻窪」を合わせて生まれたものだそうだ。





近くにのびのびした公園があるって、また良いなあ。
上井草駅
下井草があれば、上井草もある。区内の西武新宿線も、あと少しだ。





下井草、井荻、上井草で流れている時間は、このままであって欲しいなあ。穏やかでとっても好きだった。
上石神井駅
途中にわか雨が降ったけれど、上石神井駅に着くころには、また晴れてきた。「しゃくじい」という呼び方は、覚えるまでにずいぶん時間がかかった。





聞こえてくる暮らしの音が、とてもやさしいまちだ。
武蔵関駅
西武新宿線を進んで、区内最後の駅は武蔵関駅。武蔵関駅を越えると、まもなく西東京市に入る。西東京市も懐かしい。田無神社を思い出した。




放課後の女子高生たちが、すごく楽しそうに商店街を歩いていた。都心へ遊びに行ったりするだろうけれど、明るい日常がある暮らしって、幸せだ。
ここからは、石神井公園に向かっていく。武蔵関駅からだとかなり遠い。しかし、あとひと踏ん張りだ。

石神井公園駅
ようやく石神井公園に着いたころには、まもなく日が沈みそうであった。目標は石神井公園駅だけでなく、大泉学園駅まで行くことだったけれど、まずは公園を散策しよう。というわけで、これまた広い石神井公園を、ぐるりと一周した。


たくさんの鴨さんがいて、しかも池は凪いでいて、美しい景色が一面に広がっていた。素晴らしい景色ばかりで、一周するのに時間がかかった。というわけで石神井公園がゴールになりそうだ。



いろんな公園を歩いているけれど、ものすごく好きだな、石神井公園。何度でも行きたいもの。


30kmオーバーの散策、お疲れ様でした。ちょっとハードな1日。それでも渡辺さんはけろっとしていた。ぼくはまだまだだなあ。
石神井公園駅の近くにある銭湯『豊宏湯』さんに入って、ご飯を食べて解散した。豊宏湯さんの番台のお母さんが、柔らかで優しくて、1日の疲れがそのまま流れていった。銭湯のある暮らしって、すごくありがたいことだ。石神井公園、大好きなまちです。



訪問できなかった大泉学園駅は、後日行くことに。
まちを歩けばどこにでも、あたりまえの暮らしがある。まるで関わりを持つことのなかった世界が、ごく普通の場所にある。それに直面すると、ただ生きているだけのことが、ものすごく幸せなことだと気づかされる。
一緒に歩いてくださった渡辺さん、あらためてありがとうございました。
(以上です。読んでいただき、ありがとうございました。次回に続きます。)
前回に続き、練馬区の記事を楽しく読みました。石神井を難読地名だと思うことなく育ってきた練馬育ちです。
電車やバスで縦横無尽に移動できることも練馬の魅力なのですが、その間の住宅地に細かく走る小さな道を自転車で駆け回るのも楽しかったなぁ、と、道幅の狭い商店街の写真を見ながら思い出しました。
今は練馬を離れてしまいましたが、しみじみと、ふるさとを想う時間をもつことができました。ありがとうございます。
まぐろさま
仁科です。コメントいただきありがとうございます。確かに電車やバスを用いず、自転車があれば暮らしも楽しいですよね。人々の暮らしをより身近に感じたのではないでしょうか。
ひきつづき、楽しんでいただけますと幸いです。頑張ります!