ふるさとの手帖

市町村一周の旅

やはり豊岡市は広かった。【旧市町村一周の旅(兵庫県|8月4日―485日目)】

やはり豊岡市は広かった。【旧市町村一周の旅(兵庫県|8月4日―485日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【87/171】

87/171
50.88%
訪れた旧市町村の数【1312/2,094】
1312/2094
62.65%
総計【1399/2,264】
1399/2264
61.79%

スーパーカブの総走行距離
33785km

旧出石町→旧但東町→旧日高町→旧竹野町→旧城崎町→豊岡市、の6つ。
今日の旅先のこと
朝4時ごろから激しい雷雨で目が覚めました。いつもだいたいそれぐらいに起きているので、時間は大丈夫なのですが、これ、今日の旅がどうなるのだろうかと。

雨雲レーダーを確認すると、元気に積乱雲が発達している。感覚としては、積乱雲の発達が雨をもたらすのは、お昼ぐらいからだったので、今日は相当、大気の状態が不安定なのだなあと思いました。

ただ、出発する頃には一旦雨が上がってくれたので、このあとどうなるかは分からないけれど、出発しましょうと。

今日は豊岡市の6つの町を巡っていきます。
出石町いずしちょう(豊岡市)(1/6)
雨が止んだ朝7時半過ぎに出発しました。朝から通り抜けた積乱雲たちは、いくつかの雲海を残しており、とても綺麗です。

まず最初に向かったのは、出石町。ここには城下町があるとのことで、目指して進んでいきます。町営の駐車場に到着し、まだ朝早かったものの、係のおじさんがいたことで駐輪できました。おじさんはコテコテの関西弁で、出石の町を案内してくれます。

「ここをずうーっと行きますとね、数分で辰鼓楼、日本で二番目に古い時計台ですわ。あとは、蕎麦屋さんはまだ開いてませんなー。それと、風鈴が400基、川沿いにありますわ。どうぞゆっくりねー」

早速、城下町へ向かうと、たくさんの風鈴があれば城跡もあり、さらには辰鼓楼も見つけることができました。

そして、駐車場のおじさんが教えてくれたように、あちこちで蕎麦の宣伝がたくさん。「皿そば」というスタイルが有名みたいで、ほんとうにお蕎麦屋さんの数が多いので、すごく食べたくなりました。が、今日は我慢。

散策して駐車場に戻ってくると、「なんや、もう行くんかー!」と駐車場のおじさん。いや、ほんとうはお蕎麦もいただいて、ゆっくりしたいんですがねえ。

ちなみにおじさんが、蕎麦は冬がいいなあと言うので、「あったかい蕎麦ですか?」と聞くと、

「いや。冬の寒いときにな、皿そばの冷たいやつを食べんねん。それがなんかこう、うまいんよなあ」
冬に皿そばを、食べに来たいです。
出石町へ。
雨上がりだ。
城下町を歩こう。
風鈴たち。
城門をくぐる。
本丸跡。
本丸跡には神社もあった。
辰鼓楼だ。
かっこいいなあ。
落語甲子園もあるんだねえ。
いつか食べよう、皿そば。

但東町たんとうちょう(豊岡市)(2/6)
出石町から東へ進み、但東町へ入りました。出石町よりも、少し山が近づいた感覚です。徐々に、雲行きが怪しくなっているので、先を急ぎましょう。

市街地を歩きましたが、消雪パイプがあることにも気づきました。やはりこの地域になると、冬は冬らしい光景に変わるのだろうなあと。それに、そばを流れる出石川が茶色く濁っていて、朝の雨が影響しているのだと思いました。
但東町へ。但東振興局。
ちりめんと子午線。なるほど。
出石川。濁っていた。
さらに、安国寺というお寺にも立ち寄りました。本堂の外観はとても綺麗で、お寺全体の雰囲気も柔らかい。どっどっど、と建物の中を歩く音がして、おそらく住職さんと奥さんが、ガラガラと通路に出てきて、ほんまに暑いわーと隣の部屋に入って行かれました。
安国寺。
綺麗なご本堂。

日高町ひだかちょう(豊岡市)(3/6)
但東町からおよそ30km移動して、日高町へ。途中、出石町も再び通過したのですが、片間という地区の田んぼの面積がとても広くて、奥までダーッとひろがる風景に思わず足を止めました。
その後、まず日高町の市街地にたどり着くと、特に江原駅の周辺で、ちょっと北海道みたいな気配を感じます。たとえば、ニセコみたいな感じ。建物の形が、何か違うというか。
なんでだろうと思ったのですが、たぶん日高町の神鍋高原にはスキー場もあり、そうした冬のレジャーが影響しているのではないかなあと。調べていないので、違っていたらすみません。
江原駅。
建物がちょっと北海道っぽいと思いました。
円山川。
そして、市街地を歩いている頃から、空が相当怪しいなあと思っていて、次に向かいたいと思っていた、植村直己冒険館の方角が、最も怪しい。
でも、ここで行かなきゃ、と直感が働いて出発し、あと1kmぐらいから雨が降り始め、耐えられる雨で終わるか、土砂降りをくらうか、紙一重だと思いつつ、こういうときに信号にたくさん引っかかり、ほんとうに土砂降りの雨が最後に降り始めて、それに30秒ぐらい濡れて、植村直己冒険館に辿り着きました。
ここで、屋根がなかったらその時点でアウトだったのですが、奇跡的に屋根付きの駐輪場を見つけて、救われたと思いました。ちょっと雨宿りして、それでも全然止みそうにないので、入口へ向かいます。
植村直己冒険館、入口。
植村直己さんの展示は、東京の板橋にある「植村冒険館」で観たことがあります。そのときの印象では、植村さんがかつて日本縦断も行っていて、凄まじいペースでやってるな、ということはよく覚えています。
ただ、植村さんが日高町の出身であることは、はっきりと覚えていなくて、今回あらためて刻み込まれました。さらに、展示だけではなく生涯にまつわる映像も上映されていて、それを観て非常に刺激を受けました。
やっぱり、もちろん偉業だとか、名誉だとか、世間的にはあるかもしれませんが、ほんとうに大事なことはそこではない。植村さん自身が、そのことを心得ていると感じたし、どうやってそれを得たのだろうと思うと、映像や展示の中では、但馬という土地が関わっていると紹介されているのでした。
人としてのほんとうの優しさ。これは表面的な、外面的な言葉や行動では測れないものです。植村さんは極限の環境下においても、人を思いやる心を常に持っていた。そのことがとても印象的でした。
そして、しばらく展示を観たあと、まだ弱い雨が降っていたのですが、レーダーを見て竹野町方面は晴れているだろうと判断し、再出発です。
雨上がりの日高町。

竹野町たけのちょう(豊岡市)(4/6)
読み通り、竹野町に入る頃には日差しが戻ってきました。まず竹野駅方面に向かっていきますが、道中は山の風景が広がり、竹野町でイメージの強かった海だけではなく、山も身近に感じられます。
そして、竹野駅周辺を散策すると、「北前船の里」と書かれていました。なるほど、北前船の寄港地であれば栄えたのだろうなあと。
海に行くバスかな。
竹野駅。
近くに竹野庁舎もあった。
北前船の里。
その後、竹野浜海水浴場へ向かいます。人気の海水浴場だとは認識していたので、バイクを停められる場所があるかなあと、それがいちばんの心配事だったのですが、駐車場係のおじさんがスペースを提案してくれて、なんとか停めることができて一安心。
そして、とにかく、人の多さに驚きました。ハイシーズンの有名な海水浴場に行ったことがなくて、パラソルが砂浜を埋め尽くす! みたいな光景って、肉眼で見た記憶がなくて。竹野浜はほんとうに、砂浜がテントで埋まっていて、ほんとうにあった……と思いました。
*泳ぎたいところですが、今回は泳がずです。

城崎町きのさきちょう(豊岡市)(5/6)
誰もが知る城崎温泉へ、鋳物師戻峠いもじもどしとうげという強烈な名前の峠を越えて、今回初めて訪れました。前回の市町村一周の旅で訪れた豊岡市は、竹野町方面だったからです。
竹野浜は夏の盛りでしたが、城崎温泉はゆったりな雰囲気。それでも温泉はオールシーズン楽しめますから、安定していますよね。
川沿いの町並みは、ぼくのふるさとである倉敷の美観地区にも少し似ているように感じられました。でも、違いがあるとすれば、車もどんどん通る点と、温泉があるという点(美観地区に温泉はない)。
それに、訪れている客層もバラバラだなあと思いました。若いカップルもいれば、家族連れもいれば、年配の方もいらっしゃれば、海外の方もいます。偏りなく好まれる場所というのは、やはり良い場所である証ですよね。
城崎温泉へ。
足湯もあります。
御所の湯。6つの外湯が有名です。
川は凪いでいた。
温泉、入りたいんですがねえ。今日は時間がないのです。また来れますように。

豊岡市とよおかし(6/6)
そして、最後に合併前の豊岡市の地域を訪れていきます。最初に向かったのは、玄武洞公園。

名前を見て、ぼくはすっかり鍾乳洞のような洞窟だと思っていたのですが、奥まで進んでいくタイプの洞窟ではありませんでした。160万年前に火山の噴火でできたという岩石層で、それが外に露わになっています。

入口を通って階段を登り、最初に現れたその玄武洞の大きさに、自然のエネルギーの凄まじさを感じたのでした。柱状節理の美しさはもちろん、その規模の大きさに圧倒されます。自然の意思はすごいです。
玄武洞公園へ。円山川も綺麗でした。
いざ。
玄武洞。巨大だ!
隣の青龍洞。
自然のスケールの大きさたるや。
その後、豊岡市街地も散策しました。ちなみに玄武洞公園からの移動中、田んぼにたぶん野生のコウノトリがいたんですよねえ。豊岡市はコウノトリの郷として知られているのですが、まさか野生でいるとは思わなくて、「あっ!」と声が出ました(写真は撮っていないし、違う鳥かもしれませんが)。

市街地は碁盤目状かつ、ぐるっと一周するロータリーもあって、計画的に整備された町だと感じられます。雰囲気としては、長岡や弘前、函館などの町を思い出しました。個人的には、青森の弘前にもっとも近いものを感じるなあと。町に雰囲気がありつつ、新しさも古さもある感じ。

そして、最後に豊岡駅前のアイティで買い物をして、今日の散策を終えたのでした。
豊岡市街地へ。
自警団だ。
ロータリーの真ん中に銅像があった。
豊岡市役所。目の前に広場があって良いな。
本屋さん。
カバンストリート。豊岡市はカバンの名産地で、今日はたくさんカバンと出会いました。
落ちてた。集合!
豊岡駅。
というわけで、今日の散策はここまで。兵庫県の旅の第一部は、これで終了になります。最後に訪れた豊岡市、大変だったけれど、無事に一日が終わってホッとしています。いやあ、とっても広いまちでした。
本日のひとこと
兵庫県の信号は、黄色になってから、赤信号になるまでに粘りを感じます。

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(終わり。次回へ続きます)

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