ふるさとの手帖

市町村一周の旅

自分の脚で巡るということ。【旧市町村一周の旅(山口県|光市 - 周防大島町|5月17日―407日目)】

自分の脚で巡るということ。【旧市町村一周の旅(山口県|光市 - 周防大島町|5月17日―407日目)】

朝、さっぱり爽やかな青空が広がっていて、気持ちのいい出発です。今日は光市から周防大島へ。周防大島は、ぼくが好きな民俗学者・宮本常一のふるさとでもあります。だからといって自分が大きく変わるわけではないかもしれないけれど、惹かれる心は変わらないまま進んでいきました。それでは振り返っていきましょう。

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【86/171】

86/171
50.29%
訪れた旧市町村の数【1061/2,094】
1061/2094
50.67%
総計【1147/2,264】
1147/2264
50.66%

スーパーカブの総走行距離
28379km

光市→柳井市→旧大畠町→旧大島町→旧橘町→旧東和町→旧久賀町、の7つ。

今日の旅先のこと
  • 朝、虹ケ浜海水浴場へ向かう。
    朝、虹ケ浜海水浴場へ向かう。
  • 松ぼっくりさん。
    松ぼっくりさん。
  • 虹ケ浜海水浴場。気持ちいいー!
    虹ケ浜海水浴場。気持ちいいー!
  • 振り向けば松原だ。
    振り向けば松原だ。
  • 砂浜もさらさら。
    砂浜もさらさら。
  • 光市役所。
    光市役所。
  • 室積地区の海商通りへ。
    室積地区の海商通りへ。
  • 北前船の寄港地だった港町。
    北前船の寄港地だった港町。
  • 開放的な感じ。
    開放的な感じ。
  • 向こうは海。
    向こうは海。
  • 屋根に鳶かな。
    屋根に鳶かな。
  • 日常の時間と。
    日常の時間と。
光市ひかりし(1/7)
朝、最初に訪れたのは、虹ケ浜海水浴場です。さっぱり爽やかな朝日は砂浜を照らし、眩しくも真っ白な砂浜に心を奪われました。波の音を聞き、振り向けば松原が広がる砂浜を、地元の方々も気持ちよさそうに散歩しています。
その後、東へ進み、小さな半島になっている室積地区を訪れました。室積は北前船の寄港地として栄えた歴史を持ち、今も“海商通り”には、その面影が残っていると。その海商通りを中心に自由に散策しました。昔の建物もあれば、今の時代の建物もある。両者から感じられる暮らしの気配は落ち着いていて、ドシッとしていました。

  • 柳井市へ。
    柳井市へ。
  • 河村勇輝選手の母校だ。
    河村勇輝選手の母校だ。
  • 伝統的建造物群保存地区。
    伝統的建造物群保存地区。
  • 好きな路地だった。
    好きな路地だった。
  • 川も広がる。
    川も広がる。
  • 金魚ちょうちんたち。
    金魚ちょうちんたち。
  • ちらっと。
    ちらっと。
  • 坂道をのぼり、
    坂道をのぼり、
  • 国木田独歩の旧宅へ。
    国木田独歩の旧宅へ。
  • 茶臼山古墳へ向かう途中。
    茶臼山古墳へ向かう途中。
  • 茶臼山古墳。
    茶臼山古墳。
  • ふむふむ。
    ふむふむ。
  • ザ・堂々たる古墳という感じでした。
    ザ・堂々たる古墳という感じでした。
柳井市やないし(2/7)
田布施町や平生町を越えて、柳井市を目指します。柳井市へ入った途端、緩やかで大きな東の山並みと、その麓に広がるまちなみが印象的でした。そして、柳井市の伝統的建造物群保存地区へ
。途中、柳井中学校の前を通ったとき、今や日本バスケ界の中心選手である、河村勇輝選手の横断幕がありました。柳井中学校が母校だと。知らなかったなあ。
そして、町並みを歩いていると、あちこちに吊るされた金魚の飾りが目立ちます。「金魚ちょうちん」というそうで、資料館に入ると説明があり、弘前の金魚ねぷたが元になっていると。これも、北前船による文化の流れ。地方から地方へ、面白いですよね。
また、国木田独歩の旧宅も訪れました。国木田独歩は小説家であり詩人であり、文学作品を世に残した人物です。作品を読んだことは実はまだない、のですが、彼の名前を見聞きする機会が、この旅でも何度かあって。尾道のように細い坂道を登った先に、その旧宅は静かに建っていました。21歳から23歳の頃、ここで過ごしたと。

  • 大畠瀬戸展望台から。
    大畠瀬戸展望台から。
  • 大畠駅周辺を散策。
    大畠駅周辺を散策。
  • 大畠総合センター。
    大畠総合センター。
  • ちょっと、尾道を感じる。
    ちょっと、尾道を感じる。
  • おおー!
    おおー!
  • 細くて急な坂道。
    細くて急な坂道。
  • 海沿いの交通量は多かった。
    海沿いの交通量は多かった。
大畠町おおばたけちょう(柳井市)(3/7)
周防大島と本州を結ぶ「大島大橋」は、旧大畠町が片側を担っています。「大畠瀬戸展望台」へ向かってみると、橋と周防大島を眺めることができました。「周防大島が見えるのだろうな」と思って向かうわけですが、いざ実際にその光景に出会うと、純粋な気持ちで、ああ、いいなあと感じられることが嬉しいです。
そして、大畠駅周辺の市街地を散策しましたが、海が目の前にあり、地形は急で坂道が多く、雰囲気は尾道に似ているようにも感じられました。のんびりとおしゃべりしている人たちを見かけて、流れている時間がいいなあとも思ったり。

  • 周防大島へ渡った直後。
    周防大島へ渡った直後。
  • 周防大島町役場にて。移動販売車だ。
    周防大島町役場にて。移動販売車だ。
  • とても良い展示だった。
    とても良い展示だった。
  • 裾野に広がる感じ。
    裾野に広がる感じ。
  • 山と集落と水田と。
    山と集落と水田と。
  • 日本ハワイ移民資料館へ。
    日本ハワイ移民資料館へ。
大島町おおしまちょう(周防大島町)(4/7)
いよいよ、大島大橋を渡って周防大島へやってきました。周防大島は、合わせて4つのまちが合併して、現在の姿になっています。まず訪れた旧大島町には周防大島町役場があり、そこへ向かってみると、セブンイレブンの移動販売車が停まっていて、お昼休憩であろう職員さんが列を作っていました。その奥には山と水田が広がり、長閑さも感じられます。
次に、日本ハワイ移民資料館を訪れました。立派な日本家屋が資料館になっていて、初めて入ります。館内は全面撮影禁止。まずは12分間の映像を見ました。周防大島からは多くの島民がハワイへ渡ったこと。厳しい労働環境を生き抜き、日本へ戻った者もいれば、ハワイに定住した者もいたこと。日系の血を持つ現地の方のインタビューで、「血は混じっているけれど、自分はアメリカ人だと思っている」というコメントも印象的でした。たとえばブラジルでもそうです。国内では、日本人の血が混じっている外国籍の方が功績を持つと、「日本人だ!」と騒ぎやすいけれど、そこにほんとうのリスペクトがあるかどうかを、忘れてはならないように思います。

  • 峠を越えて。
    峠を越えて。
  • ここにしかない、風景だなあ。
    ここにしかない、風景だなあ。
  • 市街地が見えてきた。自然がそばにある。
    市街地が見えてきた。自然がそばにある。
  • 市街地へやってきた。
    市街地へやってきた。
  • 静かな気配を歩く。
    静かな気配を歩く。
  • L1006013
    L1006013
  • 奥の山が印象的だった。
    奥の山が印象的だった。
  • 橘総合支所。
    橘総合支所。
  • 懐かしさ。
    懐かしさ。
橘町たちばなちょう(周防大島町)(5/7)
旧大島町から峠を越えていきます。かなり細いカーブの山道で、対向車もほとんど来ませんでしたが、ようやく峠を越えると、下り道の途中に出会う山や海、町並みが素晴らしく、何度もカブを停めました。旧橘町の市街地が、旧大島町の雰囲気と全然違っていたことも印象的です。最も高い山が目立ち、周辺も山に囲まれていて、山麓はまだまだ険しく、海岸線にかけて家が密集している。高校もあって、部活の風景が広がっていたことも、日常を感じた瞬間でした。

  • 宮本常一記念館に、たぶん1時間半ぐらいいた。
    宮本常一記念館に、たぶん1時間半ぐらいいた。
  • 自動販売機と同じ大きさだ。
    自動販売機と同じ大きさだ。
  • 星野哲郎記念館もとても良かった。
    星野哲郎記念館もとても良かった。
  • 町並みを散策。
    町並みを散策。
  • 細い道と。
    細い道と。
  • 東和総合センター。
    東和総合センター。
  • 静かな気配の中で。
    静かな気配の中で。
東和町とうわちょう(周防大島町)(6/7)
旧東和町の市街地へ向かうと、旧橘町よりも空が広く、北に広がる海に大小様々な島が浮かんでいました。木々も南国のようで、開放的な雰囲気です。
そして、「宮本常一記念館」と、「星野哲郎記念館」を訪れました。宮本常一はぼくが大好きな民俗学者です。「学者にならず、発掘者になれ」と、日本中を巡り、高度経済成長期で移り変わっていく社会の中で、民衆の暮らしにある豊かさを追求していた。どんな旅をしたかとか、どんな功績を残したかとか、それが後世になってからは残るかもしれないけれど、当時、宮本さんが生きていた「今」に対して向き合い続ける姿勢は、本当にすごいなあとあらためて思いました。宮本さんの人生に大きく関わる渋沢敬三の存在も前々からすごいと思っていたけれど、やっぱりすごいなと、47分間の映像を見ても感じました。
星野哲郎さんのことは恥ずかしながら詳しく知りませんでした。ですが、周防大島の出身で、日本を代表する作詞家と知って、おお、おおお、と。「
三百六十五歩のマーチ」はすごく好きだったので、星野さんの作詞と知って驚きました。でも、華々しいけれど、苦労した時期が長かったことも感じましたし、人に優しく、自分に厳しい人だったんじゃないかなあと、星野さんの姿を見て感じたのでした。

  • 旧久賀町へ。
    旧久賀町へ。
  • 散策していく。
    散策していく。
  • 久賀総合センター。
    久賀総合センター。
  • 南側に山が広がっている。
    南側に山が広がっている。
  • 見えないものが見える目を。
    見えないものが見える目を。
  • このまま海へ。
    このまま海へ。
  • 灯台だ。
    灯台だ。
久賀町くかちょう(周防大島町)(7/7)
最後に訪れたのは、旧久賀町です。市街地を主に散策しました。これまで、周防大島町の3つの地域を巡りましたが、また旧久賀町は旧久賀町で違う雰囲気だなあと。南側には険しい山々が広がり、北側には穏やかな海と島々。でも、山が迫ってはいないので、昼間も日差しは届きそうと。もちろん、もっと細かく小さな集落ごとに雰囲気は違いますが、周防大島としての全体の印象だけではなく、まずはこの旧町の単位での違うを感じられたことは、とてもありがたいと思うばかりです。

というわけで、今日の散策はここまで。夜は岩国市のラーメン屋さんに入ったところ、ほとんどアメリカの人たちでビックリしました。日本人の店主も英語で「ヘイ、ホットギョウザー!」って。
本日のあとがき

この旅を通して、資料館などで過去の誰かの生涯に触れることが、すごく好きだということを、だんだん自覚してきました。名前を知らないまま訪れた人物の資料館も多いです。この人はどんな考えを軸にして、どういう生涯を送ったのだろうと想像すると、そこから生まれたであろう作品や、出会いの数々にワクワクします。もちろん、誰かの人生を真似することはできないけれど、ひとりひとり、オンリーワンの人生があるということは、奇跡のようにすら感じられます。

旅を応援してくださる方へ

「どこで暮らしても」の商品ページに飛びます。

今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
写真集の商品ページはこちら

(終わり。次回へ続きます)

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