今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【67/175】
訪れた旧市町村の数【640/2,093】 総計【707/2,268】108のまちを巡る、新潟県の旅もいよいよ最後。(2023年11月8日(水)―216日目)
旧大和町(南魚沼市)
ここまで長かったなあ。と感傷に浸りながら朝を迎えた。今日で新潟県の旅も最後になる。47都道府県の中で、たった新潟県だけを巡ることについても、ぼくはいたく感動していた。やっぱり、地図を見ていても、2、3日でできることではないし、途中、カブの調子が良くなかったり、パソコンの液晶が壊れたり、トラブルもあったわけで、それで迎える最終日だったので、小さな達成感というものがあったのである。
巡るのは、魚沼市と南魚沼市の旧市町村だ。最初に訪れた南魚沼市の旧大和町は、「浦佐」という地名でわかる人もいるかもしれない。新幹線が停まる浦佐駅の正面には、大きな田中角栄像が鎮座していた。屋根付きで、先生が雨に濡れないようになっている。それから近くの八色の森公園を訪れ、八海山尊神社へ参拝した。
旧小出町(魚沼市)
魚沼市役所も位置する、旧小出町にやってきた。最初に西福寺を訪れて、石川雲蝶の作品を拝観できればと思っていたけれど、ぼくの凡ミスで訪れた時間が早すぎた。落ち着いた古刹だったことは確かだ。また、行ける機会があるといいなあ。
市役所周辺も散策してみる。驚いたのは、ごく普通の用水路で鴨が泳いでいたこと。やっぱり水が綺麗ってことなのかな。
旧湯之谷村(魚沼市)
旧湯之谷村の市街地は旧小出町とも非常に近くて、ご近所さんという感じだった。それから佐梨川沿いの国道352号線を東に進む。ずっと福島県の県境へ近づいていくと奥只見湖があり、そこまで行ってみることも考えたけれど、「奥只見シルバーライン」が原付では通れないみたいだったので、湯之谷の市民センターまで訪れることにした。
市民センターの周りは用水路は水量も流れ方も、見せかけではない豊かさを感じた。それに市民センターであろう建物の入り口の文字が、英語で「プレステージインターナショナル」と描かれてあって、何だろうと思って調べてみると、どうやら今はこの名前の会社が入っているらしい。市民センターはテナント貸しみたいな感じなのかな? そのあとに「道の駅 ゆのたに」も訪れてみる。周辺にはスーパーやらお店も並んでいて、一気にいろいろ買い物できそうだった。
旧六日町(南魚沼市)
旧六日町には「魚沼の里」と呼ばれる、八海醸造が運営する複合施設がある。Googleマップで見てもどういう場所になっているのかよくわからず、ひとまず向かってみることに。すると、魚沼の里一帯に、「猿倉山ビール醸造所」や「八海山雪室(ゆきむろ)」など、いろいろな施設が併設されているようだった。まだほかにも工事中の建物もあった。猿倉山ビール醸造所に入ってみると、食事ができる空間があったり雑貨が売られていたり、とにかく素敵な空間で心が楽しくなる。八海山雪室は、雪を利用した天然の冷蔵庫であり、かっこいい建物の中にたくさんのお酒が貯蔵されていた。
そして何より、「八海山みんなの社員食堂」で昼食を取ることにしたのだが、ここで食べた「魚の八海定食(鮭と舞茸のフライ)」が、すっっっごく美味しかった。鮭のフライがさくさくほろほろで、鮭の甘みが口の中でブワァと広がって、なんじゃこりゃって。量も多いし、しばらく時間が経ってからも鮭が熱々で、感動しっぱなしだった。八海醸造さん、すごいな……。
そのあと、「トミオカホワイト美術館」を訪れる。上越市高田生まれの画家、富岡惣一郎氏の作品を観ることができる美術館だ。館名にもなっている「トミオカホワイト」は、雪国の白を表現するために富岡氏が開発した絵の具のことで、富岡氏が描いた白の世界のことも指している。
ちなみに今回、富岡氏の作品と同時に、写真家の中井菜央さんの展示も一緒に行われていて、同時に観ることができた。なんて幸運なのだろうと。中井菜央さんが撮る雪国の写真は、もう、とても“写真”なのだ。少し前に東京で開かれていた展示には行くことができていなかったので、ものすごい写真たちを大きな作品で観られて嬉しかった。
旧塩沢町(南魚沼市)
そして、新潟県の旅でラストになったまちが、旧塩沢町だ。金城山の麓に位置する曹洞宗のお寺、雲洞庵を訪れたあと、塩沢宿のまちなみを歩いた。鈴木牧之記念館にも立ち寄る。鈴木牧之は『北越雪譜』という江戸時代のベストセラーを書いた人物なのだが、この本が世に放たれるまでには、出版の兼ね合いもなかなかうまくいかず、なんと40年もの歳月がかかったのである。出版時の年齢は68歳だ。かっこいいなあ。
さらに、鈴木牧之記念館ではトミオカホワイト美術館と同じく、中井菜央さんの別の作品が展示してあって、それを観ることもできた。トミオカホワイト美術館で観た作品とはまた全然違っていて、雪でも幅が広いなあと。数日前には平間至さんとトークショーをやってらっしゃっていて、別世界だなあと。
というわけで、新潟県の散策もこれで無事に終了だ。
ガソリンを満タンにして、湯沢町を通って、ウルトラライトダウンを着て、三国峠を越えた。峠越えの気温は4度ぐらいだったかな。三国峠は越えるのに精一杯で、カブを停める余裕がなかったけれど、道中の山並みは西日が当たってとても綺麗で、最後に素晴らしい景色を見せてもらって、心が洗われるようだった。
11/25(土)から、旅が再開できるといいな。また、よろしくお願いします。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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