ふるさとの手帖

市町村一周の旅

108のまちを巡る、新潟県の旅もいよいよ最後。【旧市町村一周の旅(新潟県|11月8日―216日目)】

108のまちを巡る、新潟県の旅もいよいよ最後。【旧市町村一周の旅(新潟県|11月8日―216日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【67/175】

67/175
37.71%
訪れた旧市町村の数【640/2,093】
640/2093
30.58%
総計【707/2,268】
707/2268
31.17%

スーパーカブの総走行距離
18686km

旧大和町→旧小出町→旧湯之谷村→旧六日町→旧塩沢町、の5つ。

108のまちを巡る、新潟県の旅もいよいよ最後。(2023年11月8日(水)―216日目)

旧大和町(南魚沼市)

ここまで長かったなあ。と感傷に浸りながら朝を迎えた。今日で新潟県の旅も最後になる。47都道府県の中で、たった新潟県だけを巡ることについても、ぼくはいたく感動していた。やっぱり、地図を見ていても、2、3日でできることではないし、途中、カブの調子が良くなかったり、パソコンの液晶が壊れたり、トラブルもあったわけで、それで迎える最終日だったので、小さな達成感というものがあったのである。

巡るのは、魚沼市と南魚沼市の旧市町村だ。最初に訪れた南魚沼市の旧大和町は、「浦佐」という地名でわかる人もいるかもしれない。新幹線が停まる浦佐駅の正面には、大きな田中角栄像が鎮座していた。屋根付きで、先生が雨に濡れないようになっている。それから近くの八色の森公園を訪れ、八海山尊神社へ参拝した。

浦佐駅前の田中角栄像。ちょっとプールの監視員みたいな屋根。
浦佐駅。

八色の森公園へ。

トリケラトプスかな。
八海山尊神社へ。八海山信仰の神社だ。

石段が大きくて、風格がある。

旧小出町(魚沼市)

魚沼市役所も位置する、旧小出町にやってきた。最初に西福寺を訪れて、石川雲蝶の作品を拝観できればと思っていたけれど、ぼくの凡ミスで訪れた時間が早すぎた。落ち着いた古刹だったことは確かだ。また、行ける機会があるといいなあ。

市役所周辺も散策してみる。驚いたのは、ごく普通の用水路で鴨が泳いでいたこと。やっぱり水が綺麗ってことなのかな。

雲も雲海みたい。
西福寺へ。

この堂内で、石川雲蝶の作品が見られる、はず。

魚沼市役所。モダンだ。

いろいろ、冬支度。

旧湯之谷村(魚沼市)

旧湯之谷村の市街地は旧小出町とも非常に近くて、ご近所さんという感じだった。それから佐梨川沿いの国道352号線を東に進む。ずっと福島県の県境へ近づいていくと奥只見湖があり、そこまで行ってみることも考えたけれど、「奥只見シルバーライン」が原付では通れないみたいだったので、湯之谷の市民センターまで訪れることにした。

市民センターの周りは用水路は水量も流れ方も、見せかけではない豊かさを感じた。それに市民センターであろう建物の入り口の文字が、英語で「プレステージインターナショナル」と描かれてあって、何だろうと思って調べてみると、どうやら今はこの名前の会社が入っているらしい。市民センターはテナント貸しみたいな感じなのかな? そのあとに「道の駅 ゆのたに」も訪れてみる。周辺にはスーパーやらお店も並んでいて、一気にいろいろ買い物できそうだった。

用水路の水が豊か。

入り口に、PRESTIGE INTERNATIONAL
道の駅ゆのたにへ。

旧六日町(南魚沼市)

旧六日町には「魚沼の里」と呼ばれる、八海醸造が運営する複合施設がある。Googleマップで見てもどういう場所になっているのかよくわからず、ひとまず向かってみることに。すると、魚沼の里一帯に、「猿倉山ビール醸造所」や「八海山雪室(ゆきむろ)」など、いろいろな施設が併設されているようだった。まだほかにも工事中の建物もあった。猿倉山ビール醸造所に入ってみると、食事ができる空間があったり雑貨が売られていたり、とにかく素敵な空間で心が楽しくなる。八海山雪室は、雪を利用した天然の冷蔵庫であり、かっこいい建物の中にたくさんのお酒が貯蔵されていた。

そして何より、「八海山みんなの社員食堂」で昼食を取ることにしたのだが、ここで食べた「魚の八海定食(鮭と舞茸のフライ)」が、すっっっごく美味しかった。鮭のフライがさくさくほろほろで、鮭の甘みが口の中でブワァと広がって、なんじゃこりゃって。量も多いし、しばらく時間が経ってからも鮭が熱々で、感動しっぱなしだった。八海醸造さん、すごいな……。

そのあと、「トミオカホワイト美術館」を訪れる。上越市高田生まれの画家、富岡惣一郎氏の作品を観ることができる美術館だ。館名にもなっている「トミオカホワイト」は、雪国の白を表現するために富岡氏が開発した絵の具のことで、富岡氏が描いた白の世界のことも指している。

ちなみに今回、富岡氏の作品と同時に、写真家の中井菜央さんの展示も一緒に行われていて、同時に観ることができた。なんて幸運なのだろうと。中井菜央さんが撮る雪国の写真は、もう、とても“写真”なのだ。少し前に東京で開かれていた展示には行くことができていなかったので、ものすごい写真たちを大きな作品で観られて嬉しかった。

猿倉山ビール醸造所。オープンファクトリーっぽい形になっていた。

魚沼の里に、お蕎麦屋さんがあったり。

八海山みんなの社員食堂。

奥は社員さんが使うスペースで、手前のスペースが一般開放されていた。そして、食事を注文することもできた。

甘酒も一杯、飲んでいいですよと。ノンアルコールだしうれしい。
八海定食(魚)が、もう、もう、超美味しかったんですよ。
トミオカホワイト博物館へ向かう途中。晴れてきて、八海山だ。大迫力だなあ。

トミオカホワイト美術館。富岡氏と中井さんの作品を観ることができた。
六日町の市街地にも向かってみる。

旧塩沢町(南魚沼市)

そして、新潟県の旅でラストになったまちが、旧塩沢町だ。金城山の麓に位置する曹洞宗のお寺、雲洞庵を訪れたあと、塩沢宿のまちなみを歩いた。鈴木牧之記念館にも立ち寄る。鈴木牧之は『北越雪譜』という江戸時代のベストセラーを書いた人物なのだが、この本が世に放たれるまでには、出版の兼ね合いもなかなかうまくいかず、なんと40年もの歳月がかかったのである。出版時の年齢は68歳だ。かっこいいなあ。

さらに、鈴木牧之記念館ではトミオカホワイト美術館と同じく、中井菜央さんの別の作品が展示してあって、それを観ることもできた。トミオカホワイト美術館で観た作品とはまた全然違っていて、雪でも幅が広いなあと。数日前には平間至さんとトークショーをやってらっしゃっていて、別世界だなあと。

見事な景色を進む。
雲洞庵へ。
堂内に入ることもできた。
撮影もオッケー。
塩沢宿の周辺へ。すっかり良い天気。
鈴木牧之記念館にも入った。
塩沢宿を歩こう。
メイン通りは、牧之通りと呼ばれている。
かっこいい郵便局だ。

というわけで、新潟県の散策もこれで無事に終了だ。

ガソリンを満タンにして、湯沢町を通って、ウルトラライトダウンを着て、三国峠を越えた。峠越えの気温は4度ぐらいだったかな。三国峠は越えるのに精一杯で、カブを停める余裕がなかったけれど、道中の山並みは西日が当たってとても綺麗で、最後に素晴らしい景色を見せてもらって、心が洗われるようだった。

そのまま群馬県みなかみ町に入り、東京に近づけるところまで進んでいく。沼田市辺りでもう真っ暗になって、ほんとうは熊谷市ぐらいまで行きたかったけれど、前橋市で休むことにした。
 
次の日は東京まで約130キロ進んで、バイク屋さんまで辿り着き、修理をお願いして、そこから一週間ぐらい仕事があって、ちょっと休んで、今日に至るわけである。
 
とにかく、新潟県の旅は訪れる旧市町村と区の数が108と、47都道府県で最も多かったので、山場だと思っていて、それをクリアできてよかった。振り返ってみて、新潟県だけでも、元々はこんなに暮らしの数が広がっていたなんてと思うと、とても感動する。
 
新潟県にてお世話になった方々、ほんとうにありがとうございました。いただいたご縁を忘れずに、旅を進めます。
 
本日のひとこと
11/25(土)から、旅が再開できるといいな。また、よろしくお願いします。
(終わり。次回へ続きます)

<旅を応援してくださる方々へ&関連ページ>

「どこで暮らしても」の商品ページに飛びます。

今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
写真集の商品ページはこちら

二見書房編集部noteにて連載中です。

二見書房編集部noteのページはこちら
旅についての心境を、週に一度日記形式で書いています。ブログにまとめきれなかったことも残せたらと思います。

日本加除出版noteにて連載中です。

日本加除出版noteのページはこちら
旧市町村で気になったまちのことについて、月に一度まとめています。本文は『戸籍時報』でも連載中です。

ストレートプレスにて連載中です。

ストレートプレスのページはこちら
トレンドニュースサイトのSTRAIGHT PRESS(ストレートプレス )にて、旧市町村をひとつずつまとめた記事を連載中です。

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

RECENT ARTICLES

Follow me