今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【59/175】
訪れた旧市町村の数【505/2,093】 総計【564/2,268】スーパーカブの総走行距離
15550km
仙北郡の自然と共にある風景。(2023年9月23日(土)―170日目))
キーン! と冷えたあとの、スカッと晴れた青空が広がる朝だった。昨日の夜の外は「さむっ!」と体がぶるぶるしたもんなあ。最低気温は16度だったそうだ。今朝も、横断歩道を歩く4人に視線を向けると、4人中3人が長袖を着ていた。徐々に衣替えが進んでいる。
さて、今日は大仙市と美郷町の旧市町村を訪れた。仙北郡に広がる秋の風景は美しくて、走っているだけでも感動しながら。それでは振り返っていこう。
旧仙北町(大仙市)
横手市から昨日と同じく国道13号線を北上して、大曲の市街地に入る途中で右折する。今は合併していて、あまり大曲と変わらないと感じる近さなのだが、旧仙北町に入った。最初に訪れたのは旧池田氏庭園だ。
受付をした建物内に、庭園の設計者である長岡安平の紹介がなされていた。秋田市の千秋公園や東京の飛鳥山公園をはじめ、全国の近代公園を手がけた人物だそうだ。日本庭園と洋館が共存する空間はとても静かで、トンボのバタバタ飛ぶ音も聞こえてきた。国の名勝に指定されているこの庭園は、その風情をまだまだ保っている。
払田柵跡(ほったのさくあと)にも訪れた。約1200年前につくられた政治的・軍事的拠点だとされている場所だが、まだ歴史的な解明はされていないそうだ。謎めいた外柵や柱が、青空の下で建っていたのだった。
旧太田町(大仙市)
次にやってきたのは旧太田町。やはりカブで走っていると気持ち良い。手前の畑や稲作は素早く、遠くの奥羽山脈はゆっくりと流れていく。肌を撫でるような風も吹いている。
太田支所を訪れたあと、「オブ山の大杉」を目指して東へ進んだのだが、山道に入るところで通行止めになった。しかし、その途中、すこし標高も上がったところから眺めた景色も、また素晴らしいものだった。
旧千畑町(美郷町)
街中に向かって下るような道を進んでいき、旧千畑町の坂本東嶽邸へ向かった。途中、見事な並木道に出会う。日光街道のような並木道とは違って、道幅が狭い。車がギリギリすれ違うぐらいだ。そこに温かみを感じた。
坂本東嶽邸では、手づくりのお弁当を食べているおじさん二人に受付してもらう。「坂本東嶽についての動画を見ますか?」の返答に「はい」と答えた。動画はよっぽど時間が差し迫ってなければいつも見るようにしている。でも、「動画は15分間ありますので」と言われて、ちょっとだけ「朝ドラ1話分だなあ」と思った。
ただ、動画でわかったことがいくつかあって、ひとつは明治29年の陸羽地震。100年ほど前の地震のことは、関東大震災ぐらいの印象しか持っていなかったけれど、陸羽地震も大きな被害が出たのだなあと。その災害に見舞われた美郷町の地で、田園都市計画をつくり復興させた人物が、坂本東嶽だった。奥羽本線の全線開通に尽力し、さきほど出会った並木道も、坂本東嶽の一声によるものだと知って、さらに感動した。
旧六郷町(美郷町)
同じ美郷町内の移動はとても近くて、あっという間に旧六郷町に入る。「名水市場 湧太郎」を訪れた。名前の通り、旧六郷町は湧水地が多い。奥羽山脈から長い時間をかけて、地下を通ってきた湧水が、六郷だけでも60ヶ所以上あるという。
さらに周辺を歩いてみると、まちの雰囲気がぜんぜん違うように感じられる。お寺も非常に多く、宿場町として栄えた歴史も持っているとのことで、まちなみから溢れている気配には歴史の香りがした。
旧仙南村(美郷町)
旧六郷町から南下して、国道13号線に乗ってしまうと、旧仙南村の中心部からはやや外れた道になる。横手市との境界線に「道の駅 美郷」もあって、前回の旅ではここを訪れたけれど、今回は旧仙南村の市街地へ行ってみることにした。
宿泊施設「ワクアス」を通過して、体育館の「リリオス」へ。伝説のポケモンみたいだなあと思って良いのかわからなかったが、ワクアスとリリオス、耳に残る名前だ。
最後に後三年駅を訪れる。後三年も珍しい地名だ。地名の由来はぎゅっと省略すると、中世に起きた清原一族の内部分裂の合戦から。文献に合戦のことが書かれるとき、別の合戦も混ざり合ったことで、結果的に「後三年合戦」と呼ばれ、名前が残ったのではないかという。
というわけで、今日の散策はここまで。素晴らしい天気の日に、巡ることができてうれしかった。秋田県の旅も、後半に差し掛かったところだ。
お昼に横手焼きそばを食べようと思ったら、営業時間内のはずだったけれど閉まってた。ガビーン。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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