ふるさとの手帖

市町村一周の旅

七尾市と中能登町の旅へ。【旧市町村一周の旅(石川県)|4月15日―740日目】

七尾市と中能登町の旅へ。【旧市町村一周の旅(石川県)|4月15日―740日目】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【171/171】

171/171
100.00%
訪れた旧市町村の数【2083/2,105】
2083/2105
98.95%
総計【2254/2,276】
2254/2276
99.03%

スーパーカブの総走行距離
47851km

七尾市→旧田鶴浜町→旧中島町→旧鹿西町→旧鹿島町→旧鳥屋町→旧能登島町、の7つ。
今日の旅先のこと
石川県の旅も終盤に差し掛かってきました。そして、今日は時間帯によって吹き飛ばされそうな風が吹くことも。もしスーパーカブの旅なら断念したであろう雨風でした。なかなか経験したことがないぐらい。でも、急に天気が回復して、時には晴れ間も見えて。とても不思議な一日。それでは振り返っていきましょう。


七尾市ななおし(1/7)
昨晩は和倉温泉の民宿で一泊しました。朝ごはん付きで、お給仕をしてくださったお母様方の心配りがあたたかくて。どうしてそんなに細かなところが見えているのだろう。じぶんはまだまだいろいろと見えていないのだろうなぁ、と。

そして、朝はまず、和倉温泉の周辺を散策です。直前まで降っていた雨も、散策のときには止んでくれました。温泉街の中心には「ここが総本山です!」と言わんばかりの立派な総湯があり、朝8時半ですが、地元の人たちが出入りしている様子でした。朝風呂をするわけですから、やっぱり観光地でもありつつ、地元の方たちにとっての場所でもあるのだろうなあと。

温泉街ではもちろん、すべてのお宿が営業できているわけではなく、休業しているかもしれない建物もありました。でも、温泉街としての雰囲気は深々と感じられて、あらためてゆっくり来たいなあと。

また、最後に能登島へ向かう前に、七尾駅周辺も散策しました。長谷川等伯の銅像を近くで見ることができて、うれしかったり。国宝『松林図屏風』の作者であります。
和倉温泉街。
海もすぐそばに。
湯気が出てた。
「ちょっこし休んでいかんかいね。」
能登ミルク!
とてもかっこいい、和倉温泉総湯。
七尾駅。
長谷川等伯像だ。
昔ながらの通りも。
田鶴浜町たつるはままち(七尾市)(2/7)
ここからは車に乗って移動します。次に向かったのは、旧田鶴浜町。和倉温泉からは5km、車で10分ほどの距離です。

田鶴浜駅や、その周辺を散策してみます。震災で崩れてしまった家屋にはビニールシートがかけられていて、そのまま残っている建物も少なくはありませんでした。ただ、一概にまちが全体そうなのではなく、部分的なものです。とはいえ、部分的だから、と言ってしまえるものではまったくありません。更地になっている土地もありました。とにかく知らないところで、そういうことが進んでいる、ということです。

また、田鶴浜野鳥公園にも訪れてみると、見学可能な木造小屋が。そこから水辺を眺めることもでき、落ち着いた時間が流れていました。張られていたポスターを見ると、かなり昔から小屋もあったのだなあと。
田鶴浜駅。
他人とくらべず あせらず あきらめず
田鶴浜野鳥公園にも。
ひっそりと湾が広がる。
かわいい。
中島町なかじままち(七尾市)(3/7)
次に向かったのは、旧中島町。まずは能登演劇堂の周辺へ訪れてみます。日本で唯一、自然と舞台が一体となった演劇専用ホールです。仲代達矢さんが主宰する「無名塾」が舞台公演の中心となっているようで、ポスターを拝見すると、仲代さんご自身も演じられるのだと。外観しか訪れることができませんでしたが、間違いない場所だろうなぁと、いつか演目を見に行きたいものです。

また、田んぼと集落の風景を抜けて、「中島祭り会館」へ。中島地区に伝わる複数のお祭りが紹介されていて、赤い旗を掲げて歩く枠旗行事わくばたぎょうじはこの地区にしかないものだと。建物の中に、その赤い旗も展示されていたのですが、なんと高さは20mから23m。しかも、重さは1トン!?(聞いた限りでは) すごいですよねえ。
お祭りに関する18分の映像も見て、猿田彦の不思議な舞いだったり、神さまと人間のつながりだったり、昔から大切にしている心が、お祭りを通して引き継がれているように感じられました。
能登中島駅。
日本郵政の列車がかつてあったと。
ガソリンスタンドの壁に、お祭りのタイル絵があって感動した。
熊木川。
能登演劇堂。
かっこいいなあ。
中島祭り会館。

天狗のお面がいっぱい。
赤旗は圧巻でした。
お祭りの舞台の神社にも。
鹿西町ろくせいまち(中能登町)(4/7)
ここからは、中能登町へと向かっていきます。30kmほど一気に移動したのですが、風がものすごいことになってきました。さらには雨も。ザァアアと暴風雨がやってきては止む、という感じに。

また、市街地を散策する中で、黒い瓦屋根の家も多かったですが、そうではない新しいタイプ家も少なくないと思いました。全体的にひっそりとしていて、低い山に囲まれた独特な雰囲気も感じつつ。

それにこの辺りの地形について、地図を見ても、直接訪れてみてもあまり見慣れない感じだったので調べてみると、「邑知潟おうちがた溝帯」という地形とのことでした。すなわち断層帯が細長く広がっていると。そして、市街地はその断層帯と山の境界部に広がっているようでした。
能登部駅。
風がとても強い。
かっこいいデザインだ。
鹿西中学校跡地。
向こうは雨。
能登上布会館。入ってみて、ご担当の方がご不在とのことで、またの機会に。
鹿島町かしままち(中能登町)(5/7)
次に向かったのは、旧鹿島町。先ほどの旧鹿西町とは地溝帯の逆側に、主な集落が広がっていました。とはいえお互いの距離はとても近いです。

その山の裾野に広がる集落をぐるっと歩いていくと、緩やかな斜面になっていて、もっともひらけた土地には田んぼが。また、特に小学校の近くの通りの雰囲気が好きで、桜並木もまだギリギリ残っており、土地に染み込んだ時間を感じるなあと。

凹部にあたる田んぼエリアからは山の麓の集落が小高いところにあるとは感じませんでしたが、逆に集落までやってくると、ちょっと小高くて標高差があるのだなあと、印象の違いもありました。
旧鹿島町へ。
雲行きがちょっと怪しい。
山の麓に集落が。
鳥屋町とりやまち(中能登町)(6/7)
役場に着いたタイミングで、嵐のような雨風になったので休憩しました。これまで嵐のとき、カブだと結局ずぶ濡れでしたから、レンタカーという存在の偉大さを感じるばかりです。

ちょっと小ぶりになったタイミングで、散策を再開です。やはり元々まちが形成されていったエリアは山の麓だと感じられて、やや小高く坂道もあります。昔ながらの住宅地は道も細くカーブも多い感じでした。

ただ、景色のひらけた田んぼ側はより新しい住宅も広がっていて、年代ごとに求められるものがいろいろと違うのだろうなあと。
土砂降りのあと。
カーブの感じが懐かしい。
かわいいな。
能登島町のとじままち(七尾市)(7/7)
最後に向かったのは、能登島です。合併以前は島全体がひとつのまちだったと。能登島には前回の市町村一周から何度か訪れたことがあったのですが、今回は初めて「のとじま水族館」にも訪れてみることにしました。今年の3月22日に、全面営業再開したのです。

巨大な水槽を優雅に泳ぐジンベイザメはもちろん、動線に沿っていろんな魚と出会えてウキウキする館内でしたし、震災後に水族館が直面したことなども展示として紹介されていて、飼育員さんのことばを読んでいると、じぶんは知ったかぶりなだけで、知らないことがいっぱいあるのだなあと。

そして、運よくイルカショーにも間に合って、イルカの華麗なジャンプなども見ることができました。

ただ、とにかく感動したのは飼育員さんの声でした。天気は荒れに荒れ、外はものすごい暴風雨で、飼育員さんの立っているプールは屋外で、ずぶ濡れでした。でも、そんなことを微塵も感じさせない澄んだ声の張りで、「この度はお足元の悪い中、最後までイルカショーをご覧いただき、ほんとうにありがとうございました!!」と、心から明るい声が響いて。飼育員さんこそ寒いはずなのに、そんなそぶりを一切見せない様子に、なんてプロフェッショナルなのだろうと。水族館のことがとても好きになりましたし、姿勢として、ああいうかっこいい人になりたいと、ものすごく背筋が伸びる思いでした。

また、友人のおうちがあった場所にも行ってみたのですが、なかなか見つからなくて、「あれ、ということは、無くなったのか……」と。確証はないのですが、おそらく更地になっていました。震災後に半壊してしまった、ということまでは知っていたけれど、そうやって土地は変化していくのかと。心の中で、いろんな感情が渦巻くばかり。
野崎地区。
友だちの家は見つけられなかった。

そして、のとじま水族館へ。
完全復活!

ジンベイザメは大きいなあ!
飼育員さんたちの言葉も。
ビューン。
震災後の水族館の様子。
すてきなイルカショーにも。
というわけで、今日の散策はここまで。ものすごく天気の変化が大きかった一日ですが、無事に終えられてほんとうによかったです。石川県の旅は、明日で最後の予定です。
本日のひとこと
当日は能登島とつながっている2つの橋のうちのひとつがまだ通行止めでしたが、今年の6月から通行が再開されたとのことでした。
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(終わり。次回へ続きます)

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