ふるさとの手帖

市町村一周の旅

茶畑と大井川と。【旧市町村一周の旅(静岡県)|11月21日―595日目)】

茶畑と大井川と。【旧市町村一周の旅(静岡県)|11月21日―595日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【90/171】

90/171
52.63%
訪れた旧市町村の数【1628/2,097】
1628/2097
77.63%
総計【1718/2,268】
1718/2268
75.75%

スーパーカブの総走行距離
40739km

旧大井川町→島田市→旧金谷町→旧川根町→旧中川根町→旧本川根町、の6つ。
今日の旅先のこと
昨日は一日冷たい雨だったけれど、今朝は窓の外を見ると、淡い朝焼けがじんわりと広がっている。よかった、と、とにかくそのひとことで。今日は大井川を何度も行き来しながら、大井川沿いのまちを巡りました。一面に広がる茶畑や、木造橋や吊橋など、生活の中にあるうつくしさと出会いながら。それでは振り返っていきましょう。

焼津市(0/6)
まず、昨日から滞在していた焼津市街地で写真を撮りました。朝は路面が濡れていて水たまりも残っていたけれど、青空がとても気持ちよくて。海岸線には漁船が多く、並ぶ姿は迫力満点。漁港は景勝地ではないかもしれないけれど、漁船が横並びになっている光景には生きる力がこもっていて、エネルギーをわけあたえてくれます。
夜明け。
おはよう。
大井川町おおいがわちょう(焼津市)(1/6)
そして、海沿いの道を抜けて、旧大井川町へ。大井川の左岸に位置するまちで、海にも面しています。臨海部はおっきな工場が目に入り、そこから外れると住宅街が。元々行こうと思っていた公園にはおそらく道を間違えて到着せず、別の公園に着いてしまったのですが、おじいちゃんおばあちゃんたちがゲートボールをやっていて、ほのぼのした日常です。

また、大井川庁舎付近も散策してみました。やはりこの辺りは河口部なので平坦で、区画も比較的、碁盤目状につくられているというか。家と家の間には、畑が多かったです。静岡県は田んぼと畑でいうと、畑が多いなあと。
名前のわからない公園。
大井川でもない。
植生がちょっと南国の気配。
大井川庁舎。
焼津市が重なってる。
大井川沿い。
島田市しまだし(2/6)
次にやってきたのは、島田市です。旧大井川町から大井川沿いに進んでいき、蓬莱橋までやってきました。前回の旅でも訪れた蓬莱橋。ただ、当時は台風の影響で途中までしか渡れませんでした。今はどうなのだろう…と近づいていくと、どうやら最後まで渡れる様子。これは! 全長897.4メートル、往復するしかないでしょう。

通行料を支払って、木造橋を渡っていきます。ミシィ、ギシィ、キイッ、といった音が出るし、人とすれ違うときには片方へ寄るわけですが、寄るだけでもちょっと怖いぐらい。江戸時代の大井川は架橋されていなかったため、徒渡し(徒歩で川を渡る)でした。それが明治になって念願叶い、蓬莱橋が架けられたと。ここをたくさんの人々が歩いたのだなあと思うと、しみじみ感動です。
蓬莱橋へ。
人々がずっと歩いてきた。
欄干は膝下ぐらいなので、あるようなないような。
川は流れが何本にもわかれていた。
渡りきった先から。
また、島田市街地にも訪れてみました。旧島田宿の看板を見つけて、その周辺を歩いてみると、なつかしい雰囲気の商店街もあり。東海道という歴史を持つワクワクさは、これからも消えないんだろうなあ。
機関車を発見。
大井川を渡った先に、島田宿があったと。
商店街だ。
金谷町かなやちょう(島田市)(3/6)
今度は徒歩ではなく、カブで大井川を渡り、旧金谷町へ入りました。カブでも大井川は川幅が広いなあとあらためて思いつつ。そして、市街地は緩やかな丘に囲まれていて、丘の斜面には茶畑も。

その丘を一気に登った先に、「ふじのくに茶の都ミュージアム」があります。丘からは大井川周辺の景色が一気に見えて、すごく感動しました。また、丘を登りきると、ミュージアムだけではなく、一面の茶畑が広がっていて。ここに茶畑があるのだなあ。
旧金谷町へ。
丘の上から。
ミュージアムの駐車場にカブを停めたとき、駐車場係のおじちゃんが気さくに声をかけてくれて仲良くなりました。それで、おじちゃんが今朝撮ったという富士山の写真を見せてもらうと、もう、雪化粧した富士山と茶畑が合わさった、完璧な1枚で。このときふと、疑問が浮かびました。

「えっ、富士山ってこんなに冠雪してましたか?」

なぜなら、数日前まで雪はわずかだったから。

するとおじちゃんは、

「昨日の雨で、雪が積もると思ったんだよなあ」

と。

確かに昨日、地上は冷たい雨でした。ただ、それ以上のことは考えなかった。それが地元のおじちゃんからすれば、この雨は富士山だと雪だなあ、とわかっていたと。雨をこういうふうに捉えているのかと。その発見も個人的に大きな気づきでした。もちろんミュージアムも、すごく面白かったです。お茶の文化は世界中にあるし、その上で、抹茶という発展の仕方もした日本は面白いなあ、ということも思ったり。
一面の茶畑。
ふじのくに茶の都ミュージアム。
日本庭園もきれい。
今朝の富士山。すごい!写真をいただきました。  ©駐車場係のおじちゃん
川根町かわねちょう(島田市)(4/6)
さあ、ここからは大井川を北上し、旧川根3町へ。まずは旧川根町へ向かいます。大井川の右岸をそのまま北上すればいいと思っていたけれど、こちらの道は全面通行止めだったので、再び大井川を渡ってからの北上です。少しずつ山道を登っていき、旧川根町の市街地が見えてくると、一気に景色がひらけて眼下にまちなみが。わあ、すごいなあ! と。大井川の左岸と右岸、どちらにも住宅地が広がっていました。

今回は大井川鐵道の家山駅が位置する右岸を散策しています。天王山公園に登ってみると、ここからもまちが一望できたし、機関車の汽笛が「ぷぉぉ!」と煙を出しながら鳴り響いたとき、山に囲まれたまち全体に汽笛がこだまして、それがずっと余韻を残していて…。なんだろうなあ、このなつかしさ。童心にかえるような気持ちでしょうか。
家山駅前。
川根茶ののぼりもたくさん見た。
なつかしい家も多い。
うつくしいなあ。
右手は大井川。
野守の池。
中川根町なかかわねちょう(川根本町)(5/6)
さて、さらに大井川を北上し、旧中川根町へ。途中の風景もやはり見事で、何度かカブを停めながら進んでいきました。

川根本町役場のある旧中川根町。山の風景が増していくのかなあ、と思っていたけれど、市街地は大井川の川幅と、山同士がやや離れていて、空が十分に広く感じられました。山奥で、これだけ空が広いと、すごく気持ちいいなあと。晴れた日に散歩するには絶好の場所だなあと思いながら散歩したのでした。
旧中川根町へ。
川根町役場。
また、「道の駅 フォーレなかかわね茶茗館にも立ち寄ってみると、藤城清治さんの影絵も展示されていて。ええ〜すごいな。藤城さんの作品がここで見られるなんて。しかも、川根本町の四季がテーマになっていました。そうかあ、藤城さんもきっと、いろんな土地へ訪れたのだろうなあと。小さな出会いがうれしかったです。
道の駅 フォーレなかかわね茶茗舘。屋根が立派。
そばには茶畑も。
本川根町ほんかわねちょう(川根本町)(6/6)
最後に向かったのは、旧本川根町。大きな道は交通量もそれなりにあって、おそらく多くの方は寸又峡へ行っているのかなあと思いつつ、ぼくは市街地の
千頭駅まで向かってみることに。駅周辺は観光地っぽくなっていて。駅にはトーマス列車も停まっていました。しかも3体。こうしてみると、ほんとうにトーマスの世界がここにあるみたいだったな。
旧本川根町へ。
静かな暮らし。
やんばいです。
お茶のいい香りがした。
千頭駅。
おいしそう!
また、両国吊橋という吊橋にも行ってみました。長さは140m、高さは8m。揺れるし細いしスリル満点で。でも、川の流れが絶えず聞こえて、北の方角には高い山が見渡せて、それが気持ちよかったです。
両国吊橋。歩くと揺れます。
レールも上から見えた。
というわけで、今日の散策はここまで。長野県では家と家の間にりんご園がありました。山梨県では、家と家の間にブドウ畑が。そして、静岡県では家と家の間に茶畑が。そうした違いが豊かさであり、うつくしさであり、尊さであると感じます。
本日のひとこと
カブで移動中だった日が沈む頃、東の空の光が淡いピンク色で、今の季節を表しているようで、うっとりした夕方でした。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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(終わり。次回へ続きます)

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