ふるさとの手帖

市町村一周の旅

冷たい雨に負けない気持ちで。【旧市町村一周の旅(静岡県)|11月19日―593日目)】

冷たい雨に負けない気持ちで。【旧市町村一周の旅(静岡県)|11月19日―593日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【90/171】

90/171
52.63%
訪れた旧市町村の数【1622/2,097】
1622/2097
77.34%
総計【1712/2,268】
1712/2268
75.49%

スーパーカブの総走行距離
40586km

旧清水市→静岡市→旧岡部町→藤枝市→焼津市
(静岡市)清水区→駿河区→葵区
今日の旅先のこと
今日は朝から冷たい雨でした。昨日から覚悟はしていたので、集中しようと自分に言い聞かせて。雨に加えて、気温も低かったですが、徐々に体も慣れたかなあと感じます。

そして、今日は静岡市から藤枝市へ。静岡市内では区としても巡りつつ。次郎長や芹沢銈介にも触れることができました。それでは振り返っていきましょう。

清水市しみずし(静岡市)(清水区)(1/6)
富士市から約1時間ほど移動して、旧清水市へやってきました。もちろん、旧清水市というよりも、清水区といった方が、今はしっくりくるでしょう。

まずは、清水港の周辺を訪れてみます。港には係留された船がいっぱいで、観覧車、メリーゴーランド、エスパルス、ちびまる子ちゃん、といろんな景色がいっぱい。港の黄色の浮きひとつにつき一羽、ちょこんとユリカモメが立っていて、自分のポジションがないと、奪い合ったりもしていました。
清水港へ。
船がいっぱい。
観覧車も。
ゆりかもめたち。
その後、清水港船宿記念館「末廣」へ。次郎長がかつて営んでいた船宿の復元施設です。そう、清水といえば何よりこの人物、「次郎長」。にもかかわらず、ぼくは最近まで彼のことを知らなかったんですねえ。今回、静岡について調べ始めたときからうっすらと情報が出てきて、先日、六本木の「さくらももこ展」を訪れた際にも、清水出身のさくらさんの言葉の中に「次郎長」も見つけて、これは、清水、ひいては静岡県のキーパーソンなのだな、と気になっていました。

そして、この記念館で次郎長について知ることができそうだったので、訪れたわけです。

元気な受付の方に勧められて、次郎長の生涯をまとめた15分間の映像を見ました。順に触れれば長くなるので、簡潔にまとめると、いろいろあって途中から任侠の道に進み、街道一の大親分と呼ばれるまでになり、やがて任侠からは離れて、世のための社会事業に打ち込んだと。そのひとつは廻船問屋で、次郎長のおかげでお茶の海上輸送が整備され、清水港はお茶の日本一の輸出港になったといいます。

その映像を見て、どんな人生だったとしても、彼の生き方には愛情や魂がこもっていたのだろうなあと感じられて。どれだけ勉強ができるかや、どれだけ富や名声を持っているかではなくて、その人に内包された器の大きさが、その人をほんとうに決定づけるような気がします。次郎長はその点、ほんとうの人物だったのだろうなあ。
レトロな電話ボックス。
さすがサッカーのまち。
巴川。なつかしい雰囲気でした。
次郎長通り商店街。
清水港船宿記念館「末廣」へ。
晩年には英語塾もひらいたと。
駿河区するがく(静岡市)(2/6)
次に向かったのは、久能山東照宮。徳川家康を祀る神社で、訪れるのは初めてです。海岸線沿いを通って駐車場でカブを停めて、ひたすらに雨の中の登山。参道はかなり長くて、計1159段。振り向けばすごい絶景でした。雨でも絶景なのだから、晴れていたらもっとすごいに違いない。

ただ、山を登る道のりは人がまばらだったのに、境内の参道へ入ると、人がどわっと増えて。これは、みんなロープーウェイから来た人だ。その手があったのかあ、知らなかったなあ。と思ったわけですが、たくさん山道を歩いたおかげで、体は温まったのでした。

豪華絢爛な社殿を見て、やはり思い出すには日光東照宮。どちらも家康にとっての神社ですし、いかに家康の存在が大きいか、あらためてしみじみと感じたし、静岡という土地は、歴史においてもすごく濃い土地だなあと。
久能山東照宮に着く頃。
1159段の石段をのぼる。
この地域はいちごが有名みたい。
さっきまで地上にいたのに。
まもなく。
本殿につきました。周辺の装飾も豪華で。
参拝後、今度は登呂遺跡と芹沢銈介美術館へ。どちらもほとんど同じ場所にあります。名前はずっと聞いたことがあるのに、登呂遺跡に訪れるのも初めてで、住宅地の中に弥生時代の住居や田んぼが広がっていました。

また、密かに、かなり楽しみにしていた、芹沢銈介美術館。染色家・芹沢銈介のことを知ったのも、たぶんこの旅を始めてからだと思います。民藝に関わる土地で展示を見ていると、彼の名前が数多く登場するのです。そして、静岡に美術館があることも覚えていました。

念願の芹沢銈介美術館。うつくしい外観と入口を抜けてからは、撮影禁止です。

いやあ、作品はほんとうに好きだなあと思うばかりで。展示冒頭の古事記を題材にした作品から、もう、心を掴まれまくりでした。シンプルなデザインの中にある緻密さはもちろん、色彩がとにかくいい。ビビッドすぎない、日本の伝統色のような色が多いのに、鮮やかに感じられるし、あたたかくてやさしいし、オリジナル性を感じられて。心から好きな作家だ。写真においても、参考になることがあると思った。
登呂遺跡へ。
鳩や鴨がいっぱいいた。
芹沢銈介美術館へ。
エントランスもうつくしい。
美術館を出て。
葵区あおいく(静岡市)(3/6)
次に訪れたのは、葵区です。今回は静岡駅周辺や駿府城公園を散策しました。繁華街はさすがという雰囲気で、パルコもあったので入ってみると、おしゃれな人も多かったです。また、葵区役所や静岡市役所、さらには静岡県庁が、駿府城公園のそばに密集していて、なかなかここまで行政施設と城跡が近いことも珍しいなあと。思い出したのは、鳥取城跡です。すぐ向かいに県庁がありましたから。

ちなみに、これまた密かに楽しみにしていたのは、「静岡市美術館」。ここ最近の散策で、静岡市美術館にて、「写真をめぐる100年のものがたり」という展示があることを発見し、これは行くしかない! と。ただ、館内に入ると様子が違っていて、受付の方に尋ねてみると、「3日前に終わってしまったんです」と。くぅー! そういうこともあります。これは、今じゃないということかあ。と。
静岡駅の周辺へ。
葵区役所。
静岡市役所。
駿府城公園へ。
徳川家康の銅像も。
県庁だ。
静岡駅。
写真の展示は終わってしまっていた。残念。
岡部町おかべちょう(藤枝市)(4/6)
さて、静岡市街地から国道1号線を通って、藤枝市の旧岡部町へ入りました。「岡部宿大旅籠柏屋」を訪問してみます。名前の通り、岡部は東海道の宿場町で、訪れた建物はかつての旅籠はたごというわけです。

受付を済ませると、係のお母さんが小さな声だけれどとても細かく宿のことを説明してくれました。旅人と武士では泊まる部屋が分かれていたことや、玄関の扉が吊り大戸という仕組みになっていたことも、すごく面白かったです。難所だった大井川も近いので、宿場町に人が溢れることも多かったと。その時代の雰囲気、ほんと感じてみたいなあ。

その後、岡部支所周辺も少し訪れています。ふと、長谷部誠さんのポスターを発見。藤枝市出身だもんなあ。相変わらずかっこいい。生き方も。
岡部宿へ。
岡部宿は宇津ノ谷峠を越えたあとの宿場町だったと。
岡部を題材にした浮世絵。
まちも歩く。
岡部支所。
岡部川。
サッカーボールだ。
藤枝市ふじえだし(5/6)
旧岡部町から旧東海道を西へ進んでいき、藤枝市街地へ入ります。「蓮華寺池公園」に訪れる手前には、長楽寺商店街があって、屋根付きの歩道が伸びていました。なるほど、どちらもお寺なのだなあと。

蓮華寺池公園の駐車場にはスタバもあって、車もいっぱい。昨日、富士市中央公園の駐車場にタリーズがあったのと、同じパターンだなあと感じました。大きくていい公園に、カフェが併設されている場所は、きっとほかにもいろいろあるのだろうなあと思います。

また、藤枝駅の周辺にも向かってみましたが、途中のファミレスに自転車がたくさん停まっていて、放課後の高校生だろうなあと思ったり、駅前の様子を見ても、ささやかな生活の時間が、しっかりとここでも動いていることを感じたのでした。
蓮華寺池公園へ。
今日は寒いね。
ずっと雨だったなあ。
長楽寺商店街にも。
サッカーエース最中。
藤枝駅。大きな駅だ。
焼津市やいづし(6/6)
最後にやってきたのは、焼津市街地です。移動中にふと、ドラッグストアの店名を見ると、「焼津小柳津店」と。ややこしい! しかも、小柳津おやいづと読むみたい。ひとつの店名に、ダブルやいづですね。

ほんとうなら楽しみにしていた魚屋さんも、遅い時間だったので今回は通りすぎ、またのチャレンジにしようと。そして、すでに日没を迎えて、夜になる直前だったけれど、焼津駅周辺を散策しました。駅の近くには小石川が流れていて、駅前通りは商店街らしい雰囲気で。明日、海にも立ち寄ってみようかなあ。
居酒屋の灯りもつきはじめる。
焼津駅前の通り。
焼津駅。
もう日が沈んだね。
小石川。
というわけで、今日の散策はここまで。1日中冷たい雨に降られた旅路でした。それでも無事に終えられて何よりありがたいです。今日は1日では時間が足りないと思ったなあ。
本日のひとこと
ふと口をすぼませて息をつよく吐くと、白い息が出ました。
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(終わり。次回へ続きます)

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