ふるさとの手帖

市町村一周の旅

鬼無里から中野市へ、次々と美しい風景に出会い。【旧市町村一周の旅(長野県)|10月14日―557日目)】

鬼無里から中野市へ、次々と美しい風景に出会い。【旧市町村一周の旅(長野県)|10月14日―557日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【87/171】

87/171
50.88%
訪れた旧市町村の数【1510/2,097】
1510/2097
72.01%
総計【1597/2,268】
1597/2268
70.41%

スーパーカブの総走行距離
38499km

旧鬼無里村→旧戸隠村→旧牟礼村→旧三水村→旧豊野町→旧豊田村→中野市、の7つ。
今日の旅先のこと
朝は長野市街地を出発。外に出るとほんとうに綺麗な青空で、こういう天気だからこそ、スピードを出さずゆっくり進まなければ、と気を引き締めて。鬼無里から飯綱町を通って中野市まで。それでは振り返っていきましょう。
鬼無里村きなさむら(長野市)(1/7)
朝7時20分に出発し、長野駅の横を通過していく。中心街はビルが並び、ビルの隙間からは山も見えて、長野らしい風景だとあらためて。市街地からまもなく裾花川すそばながわ沿いの国道に入り、景色も山間部へと移り変わっていく。日陰が多くて、まだ日陰は冷え切っていたのでかなり寒かった。

鬼無里に着くまでに広がっていた集落もとても美しい。何度もトンネルを抜けて、最後に長いトンネルを抜けると、鬼無里の集落が現れた。田んぼが広がり、山に囲まれた美しい里だ。

旧鬼無里村へ。

一度写真を撮って、市街地まであと1kmだったので、手袋を外したまま向かったが、手袋を付けないと痛くてハンドルを握れないと思える寒さだった。

市街地にも袖花川が流れ、朝の光が差し込む。静かな雰囲気で、玉ねぎやもろこしが干されていたり、家族で出かける準備をしていたり。

市街地を歩く。
袖花川。

何という品種だろう。

最後に旧戸隠村へ向かう峠で、「大望展望台」を通った。展望台の標高はさらっと1055mと。北アルプスの山並みもうっすら。視線を外せば、深い山の中にぽつんと建っている家もある。いろいろ壮大だ。

展望台へ。
どんっ、と。
1055m。
見事だ。
戸隠村とがくしむら(長野市)(2/7)
大望峠を降りて、旧戸隠村へ。峠を降り切ったところに郵便局があり、外観が茶色でよく見かける赤色ではない。さらに戸隠神社の中社へ向かっていくと、宿坊が並んでいた。宿坊ということは、お寺なのかな。といろいろ謎が深まる。

あとで調べたわけだけれど、明治までの戸隠神社は「戸隠山顕光寺」という名を持っていたようだ。すなわち、神仏分離で形態が寺から神社に変わっていったと。宿坊が多い理由もこれでつながった。修験道の霊場として栄えたのだなあ。

境内はまだ朝9時だが参拝客で賑わっている。冷んやりした風が吹く中での参拝だった。すべて巡ろうと思うと、戸隠神社は五社ある。徒歩でいくつか巡っているであろう参拝客もいた。
戸隠神社の中社へ。
三本だけれど、根本では一本。
また、旧戸隠村の市街地にも向かう。スパゲティの香り、テレビの音、洗車をする人、子どもたちの声。いろんな日常を感じる。集落近くの小学校のグラウンドは見晴らし抜群で、奥に見える山並みがほんとうにすごかった。どの山がどの連峰で何の名前なのか、知識がなくてわからなかったけれど、きっとひとつずつ名前があり、崇拝されてきたのではないかと。
広々とした空と。
牛だ。
奥の山並みがすごい。
たぶん小学校のグラウンドだけれど、日常の景色を超えている。
牟礼村むれむら飯綱町いいづなまち(3/7)
飯縄山の裾野をなぞるように移動し、旧牟礼村へ入った。たぶんこの辺りは道路標識の看板からして、飯綱高原と呼ばれているのだと思う。

そして、旧牟礼村に入ってまもなく、「霊仙寺湖」に立ち寄る。空も高く見晴らしが良く、ヘルメットを外した瞬間に木々の唄が聴こえた。やわらかく、風も葉も愉しそう。流れている時間そのものに透明な美しさがあった。湖の周りでジョギングする人がいたけれど、ここで流す汗は気持ちいいに決まっている。
霊仙寺湖。
きらきらと。
その後、国道18号線を下って市街地へ向かう途中、焼きカレーが有名な老舗洋食店の辺りで、南側に広がる景色の絶景に息を呑んだ。国道で交通量も多いので、しばらく離れたところから歩いてそこへ行った。緩やかな台地に集落と棚田が広がり、それを遠い山並みが囲う。今は、緑と黄色。稲刈りをする人、ゆっくりと動いて見える車。それらひとつひとつが尊く感じられる。

牟礼駅そばの通りからはたぶん飯縄山が遠く見えて、その姿も綺麗だった。
ただ美しい。
牟礼駅。
町と山と。
三水村さみずむら(飯綱町)(4/7)
旧牟礼村と旧三水村はとても近くて、牟礼駅から少し坂を登った先に、旧三水村の市街地が現れた。まずは、「いいづなアップルミュージアム」に入ってみる。入口には飯綱町のりんごを宣伝するポスターがあって、30種類のりんごが1枚のポスターに写っていた。すごいな。

受付で、しばらく誰もいなくて、どうしようかなあと思ったところに受付の方が戻ってこられたのだけれど、片手には袋いっぱいのりんごを持っていて、さすが、アップルミュージアムだと。

館内はアート展や、りんごにまつわる歴史、文化の展示など。旧三水村は日本一のりんご村になった歴史を持ち、その歴史も興味深かったし、りんごに関係する置物や雑貨、音楽や映画のポスターなどなど、いろんなりんごが集められていて、面白かったのだった。
いいづなアップルミュージアムへ。
こんなにも品種があるんだなあ。
安藤忠雄作のりんご。直筆メッセージも展示されていた。
三水村のリンゴ栽培。
いろんな雑貨があった。
りんご何でもシリーズ。
集落にはやはりりんご畑もあって、農家の方が一人用のクレーンに乗って高い箇所を管理している。赤く色付いているりんごもあって感動だ。もちろんりんごだけではなく、柿を収穫している人もいて、りんご畑の横に三角形の形で置かれた稲も印象的だった。
この辺りのはさかけは、三角形だ。
大集合してた。
りんごだ!
豊野町とよのまち(長野市)(5/7)
再び国道18号線に入り、旧豊野町へ向かう。まちへ入ってから、かなり新しいであろう戸建ての住宅団地も見えた。見晴らしもよく、囲まれた山が気持ちいい。

市街地もやはり新しい建物が多く感じられて、ベッドタウンなのかなあとも感じる。でも、豊野支所には「豊野町役場」の看板が残っていたり、「がんばろう豊野」とかかれた看板があったり、豊野のアイデンティティも感じる。長野市だけれど、豊野だよ、という感じかなあ。国道沿いには北陸新幹線も通っていて、これから新幹線を利用することがあったら、この辺りが豊野かなあ、といつか確かめてみたい。
旧豊野町へ。りんごを発見。
豊野駅と電車。
とよの、のマークだったのかな。
アメリカンドラッグ、初めて見た。
がんばろう豊野。
豊田村とよたむら(中野市)(6/7)
今度は中野市の旧豊田村へ。集落は主に千曲川の西側に広がっていて、道中の景色が美しく、何度も停まりたくなる。国道なので難しいところではあるけれど。

市街地を散策すると、ここでもりんご畑がいくつかあった。大きなカゴいっぱいにりんごが詰まったものも見つけた。それに、りんご畑の規模が小さいところでは、りんごの木のそばでネギなども植えられていて、自由だなあと感じる。薪が綺麗に積まれていたり、交差点に植えられた花がとても綺麗だったり、ホッとする時間の流れがあった。
豊野庁舎。
とても綺麗だ。
斑川。
りんご畑。
美しいなあ。
中野市なかのし(7/7)
最後に向かったのは、中野市街地だ。いくつか訪れたい場所があって、順番に。

まずは一本木公園へ。事前に調べているときにヒットして、中野市へ向かう途中も一本木公園の看板がたくさんあったので、何かあるのではないかと。もしそうではなくても、看板の数から、何か軸になる場所だと感じたので、訪れてみることに意味があるはずだ。

そして、一本木公園に着くと駐車場に車がいっぱい停まっていて、「秋のバラまつり」とかかれている。公園に入ると豊かなクラシック調の曲が流れ、優雅なバラたちが見事に咲き誇っていた。すっかりバラは5月頃に咲くものだと思っていたので、「秋バラ」という概念がなかった。でも、バラは5月から6月にかけてと、この季節と年に2回咲くそうだ。そうだったんだなあ。

車のプレートナンバーを見ても、遠く県外からというよりも、比較的近場からの人たちが多そうで、それもいいなあと。ゆったりだけど華やかで、誰でもたのしめる場所だった。
一本木公園へ。
とても美しい公園。
次に、中野晋平記念館へ。記念館へ着く直前のガードレールが音符調になっていたのは、中野晋平が作曲家だから。館内では20分ほどの映像も観た。

中野晋平は中野市新町で生まれ育ち、音楽が好きなことから夢を追って上京し、恩師の縁で作曲家としての道を切り開いて行った。作曲した曲の中には、誰もが知っている曲もある。「シャボン玉」だったり、あめあめフレフレかあさんが〜♪の「あめフリ」だったり、東京音頭だったり。

映像の中で、中野晋平の心境などはあまり描かれなかったけれど、取り巻く時代の中で、大衆の子どもたちがのびのびと自由に歌える歌を、たくさんつくったのだなあと。やっぱり、大衆に届けられるものをつくることは簡単ではないし、とてもかっこいいなあと思うのだった。恩師の島村抱月が残した言葉は、「芸術は大衆とともにあることを忘れずに」だ。
移動中の風景。
中野晋平記念館へ。ちょうど音楽が鳴った。
中野晋平像。
その後、最後に「湯の駅 ぽんぽこ」で温泉に入った。かなり急な坂道を登った先にあり、振り返ると中野市街地の絶景が。盆地かなあと思ったけれど、正確には扇状地だと。温泉の露天風呂からも同じ景色が見えて、ぼーっと景色を眺めている人もいたのだった。
ただただ、見事。
湯の駅 ぽんぽこ。
というわけで、今日の散策はここまで。長野市も山間部はまったく違う景色が広がっているし、飯綱町から中野市まで、今日も新しい出会いの連続でした。もちろん明日以降はわかりませんが、今日もいい天気だったことは、ほんとうにありがたく感じられます。素晴らしい景色にたくさん出会えましたから。
本日のひとこと
毎日、簡単ではない山道をがんばって走ってくれているカブ号には感謝の気持ちでいっぱいです。
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(終わり。次回へ続きます)

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