今日までの旅メーター
訪れた政令指定都市の区の数 【44/175】
訪れた旧市町村の数【242/2,091】 総計【286/2,266】スーパーカブの総走行距離
5780km
目次
2023年6月20日(火)常陸秋そばの聖地と、ミニシアターでゴダールを。(日本一周75日目)
茨城県の旅も、あと一歩まで来ている。
全体の旅路は見ての通り、
まだまだ先が長いけれど、
旧市町村を巡っていると、
日本っていうのはじつに絶妙につくられていて、
都道府県をひとつ巡り切ることが、
しんどさと達成感のちょうど狭間ぐらいに感じられる。
たとえば箱根駅伝で、ひとつの区間を走り切ったら、
選手がその場に崩れ落ちるぐらい
全力を出し切っている状態と同じで、
ひとつの区間も簡単ではないのだけれど、
走りきれたら、
次の選手(都道府県)にタスキを繋げる
ということを、信じながら走れるのだ。
だから、がんばりましょう!
旧那珂町(那珂市)
さてさて。自分を鼓舞したりしながら、
今日も旅路を進んでいく。
訪れたのは那珂市と常陸太田市のふたつ。
巡るまちとしては、6つの予定だ。
朝6時30分に出発して、
最初に向かったのは旧那珂町。
朝の空気はまだひんやりしていて、
水分をたっぷり含んだ雲も、そこかしこにいた。
茨城県民の森には、「きのこ博士館」や「茨城植物園」
という施設があって、
特にきのこ博士館は行ってみたかったのだけれど、
訪れた時間が早すぎて、
今回はご縁がなかったということにした。
県民の森には入れると思って来たものの、
門が閉まっていたので、またリベンジしよう。
旧金砂郷町(常陸太田市)
次にやって来たのは、旧金砂郷町。
そして、金砂郷といえば、なんといっても、
「常陸秋そば」の名産地だ。
と、知ったような口をしているけれど、
数日前につくば市で、日立市出身の方に、
教えていただいたのだった。
「常陸秋そばの産地といえば、
(常陸太田市の)金砂郷と水府がとっても有名だよ。
今は時期が違うから、
蕎麦畑は見れないかもしれないけれど、
最高級品と言われるお蕎麦なんだよね」
蕎麦といえば、信州や北海道の
イメージが個人的に強かった。
でも、ここ数日は「常陸秋そば」と描かれた
のぼりを見かける機会もずいぶん多くて、
「常陸秋そば」が世間に浸透していることを、
今回かなり強く実感したのだった。
金砂郷の中でも、
そばの産地として特に知られているのが「赤土町」だ。
そして、赤土町に位置する
「西金砂そばの郷 そば工房」を目指した。
手打ちそばの体験をするわけでもないし、
昼食に行くにしてもまだぜんぜん朝なのだが、
赤土町という土地を感じてみたかったのだ。
そば工房に行く手前に建っていた家屋に圧倒された。
もちろんすべての建物が
写真のようなものではないけれど、
いつの時代に建てられたのだろうと感じる建物たちは、
足元のアスファルトや、現代の建物から視線を外せば、
時代が一気にタイムスリップして見えた。
旧水府村(常陸太田市)
次にやって来たのは旧水府村。
先ほどの金砂郷と同じように、
秋そばの名産地として知られる。
そして、関東近郊にお住まいの方は、
知っている方も多いかもしれないが、
ここには「竜神大吊橋」という有名な橋がある。
東日本最大級の、バンジージャンプがある橋だ。
ちなみに、名前の通り、
「常陸秋そば」の旬は秋である。待ち遠しい。
水府支所から竜神大吊橋へは、
10分ぐらいの距離だった。
同じ集落だと、こんなにも近いのだなと。
前回の旅でも訪れたのだけれど、
そのときは橋を渡らなかった。
なぜならお金がかかるのだ。
しかし、金額が320円だと知って、
同じ値段なら、この320円をケチったのだなあと、
当時を思い返して、少しかわいそうになった。
いや、今だって、320円を節約できるのならしたい。
でも、多分、当時は320円を、
節約するだけではなく、
けっこう本気で高いと思ったはずなのだ。
1円でも安く過ごしたかったし…。
その、今は節約する気持ちを大切にしながらも、
使うときは使って、
それでもかろうじて破産しないことを、
目指したいと思います。
ぼくも橋を渡ったわけだが、
ダム湖からの高さは約100メートル。
もちろん怖いけれど、
正直、高さが100メートルある橋なら、
ほかにも渡ったことがある。
しかし、だ。
「バンジージャンプなら、ここから飛ぶんだ」
ということを想像した瞬間、
守られていた心理的安全性が吹っ飛んで、
命綱がなければ、
確実に命がないという恐怖感に襲われる。
いやあ、拝啓、
バンジーに挑戦するバラエティコーナーで、
「早く飛べよ!」「CMを挟むな!」と
いちゃもんを付けていた自分へ。
君は今、すごくビビっているよ。
橋を渡っていたとき、
「5、4、3、2、1、バンジー!」の声と、
展望所にいたおばあちゃんたちの金切り声が、
同時に聞こえた。
あ、たった今、さっきの方が飛んだんだなって。
でも、その瞬間は見えなかった。
橋をあとにして次のまちへ向かうとき、
ぼくは飛ぶべきだったのだろうかと、
悶々とした気持ちに揺られた。
ひとりで飛んだところで、つまらない。
逆に、ひとりで飛ぶから、面白い?
ああ、いや待て。
そもそも、ありゃ怖いで。
でも、さっきの人も飛んでいたし、
帰り際に見かけたピンク髪の若い女性も、
「今から空飛べるんでしょ? サイコー!」
って、言ってたな…。
まあ、いいや。
いつかは飛んでみようか。
ひとまず、スピッツの、
「空も飛べるはず」を聴こうか。
旧里美村(常陸太田市)
次にやって来たのは、旧里美村。
水府村から細い峠を越えると、
再び開けた景色が待っていた。
常陸太田市
昨日、訪れた常陸大宮市の、
中心地は旧大宮町だった。
それが常陸太田市では、
以前から名前変わらず常陸太田市とのことで、
常陸太田市と常陸大宮市、
名前が揃えられたのだなあと思った。
今回は常陸太田市の中心部を、散策してみよう。
お昼時で、入りたい気持ちは満々なのだけれど、
今日はダメだ。
このあと那珂市の旧瓜連町で、
ミニシアターを訪れて、
映画を観ようと思っていたから。
市街地を訪れるのは初めてだったので、新鮮だった。
常陸太田市と常陸大宮市、似ている雰囲気もあれば、
違う雰囲気もあるなあと。
旧瓜連町(那珂市)
那珂市の旧瓜連町を最後にしたのは、
さっきも書いたけれど、
ミニシアターで映画を観ようと思ったから。
数日前に調べていたら、
「あまや座」さんという映画館があると知ったのだ。
わあ、まちにミニシアターがあるって、
なんて素敵なんだろうと思って、
上映時間に合わせて行こうと思った。
恥ずかしながら、
ぼくは映画界の巨匠、
ジャン=リュック・ゴダールなんて
知らずに育っているのである。
映画好きの人からしたら、
「ありえない!」なんて言われそうだけれど、
「アリエナクナイ!」のである。
だって、身の回りで映画を観る習慣や、
映画を好きになるというきっかけに、
今までまったく出会わずに生きてきたから。
これは、どうしようもないことです。
なので、たとえ出遅れていても、
少しでも世界に触れてみようと、
今回はゴダールの回を選んでみたのだった。
どんどん移り変わる展開や、音と映像のずれ、
裸を見せる光の美しさ。
もちろん、ひとつの作品を見ただけでは、
まだまだゴダールのことはわからないのだな、
ということが、わかった作品だった。
でも、わかろうとするというより、
いっぱい見てみるのが、何よりなんじゃないかな。
そして、とにかく、
あまや座さんがいろんな方々に愛されていることが、
館内の様子からたくさん感じられて、
いいなあと何度も思った。
映画が始まる前の注意喚起の動画も、
あまや座さんのオリジナルムービーで、
それもすごく素敵だった。
旅先で映画を観るという初めての経験、
自分でもちょっと不思議、いいね。
ガソリンが無くなってしまう、ほんとうにギリギリで給油したのですが、3.43L、580円でレギュラー満タンになりました。多分、安いですよね?
(次回へ続きます)
<旅を応援してくださる方々へ&関連ページ>
今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
旅についての心境を、日記形式で書いています。ブログにまとめきれなかったことも残せたらと思います。
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