ふるさとの手帖

市町村一周の旅

天辻峠を越えて、奈良の山間部にも。【旧市町村一周の旅(和歌山県ー奈良県)|2月14日―680日目)】

天辻峠を越えて、奈良の山間部にも。【旧市町村一周の旅(和歌山県ー奈良県)|2月14日―680日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【160/171】

160/171
93.57%
訪れた旧市町村の数【1795/2,098】
1795/2098
85.56%
総計【1955/2,269】
1955/2269
86.16%

スーパーカブの総走行距離
43529km

かつらぎ町→旧高野口町→橋本市→(奈良県に続く)
旧西吉野村→旧大塔村→五條市、の計6つ。
今日の旅先のこと
和歌山県の旅も今日が最後。そして、奈良県にも入っていきます。今日のルートは以前から気にしていました。理由は五條市の「天辻峠」。十津川方面に向かっていく峠であり、道路のライブカメラでは頻繁に雪が積もっていたからです。それをずーっとチェックしていて、天候も確認し、今日なら通過できると判断したのでした。結果、無事に訪れることができて、とてもホッとしています。それでは振り返っていきましょう。


かつらぎ町(1/6)
朝、朝食会場のテレビで天気予報をじっと見る。「奈良南部降水確率0%、十津川の最高気温10℃」。ここ数週間の天気を思えば、ほんとうにありがたい予報だ。がんばろう、とにかく。という気持ちで出発する。

紀の川市から東へ進み、かつらぎ町に入った。かつらぎ町は旧花園村と合併しているけれど、場所はものすごく離れているので、日本も広いなあと感じるばかり。「道の駅 紀の川万葉の里」に立ち寄ってみると、植えられた花々に霜が降りていた。よく晴れている分、冷え込んでいる。

世界文化遺産の「丹生都比売神社」に行ってみたい気持ちもあったけれど、山奥に位置していて、まだ朝なので、今回は市街地を巡る。山並みの手前に住宅地が広がり、穏やかな時間が流れていた。町の看板には「フルーツ王国」とあって、柿、桃、ぶどう、梨、いちごなど、いろんなフルーツが栽培されているみたいだ。
朝の道の駅。霜が降りてる。
紀の川と。
美しいなあ。
かつらぎ町役場。
凍ってた。
何の木だろう。
フルーツ王国。
高野口町こうやぐちちょう(橋本市)(2/6)
次に訪れたのは、旧高野口町。駅前はすごく懐かしい雰囲気で、タクシーもたくさん停まっている。高野口で、タクシーということは、高野山までタクシーに乗る人もいるのだろうか。乗るとしたらいくらかかるのだろう?

そして、駅の周辺も古い町並みが残っていて、家からはお経の声も聞こえてきた。また、移動中にちらっと見えた木造の建物がとてもいいなと思っていたら、なんと現役の小学校だった。看板でもそのことが紹介されており、外観は見られるとのこと。近くまで訪れてみて、ほんとうにかっこよかった。木造平屋建てで、昭和12年に建てられた校舎だ。廃校となってしまった校舎を見学できる機会は何度かあるけれど、今も学び舎であるということに感動してしまう。
高野口駅。
味のある建物が多い。
懐かしい雰囲気だなあ。
坂の上から。
瀧の井戸。
行ってみよう。
高野口小学校。今も現役の校舎だ。かっこいいなあ。
瓦屋根もとても立派だ。
橋本市はしもとし(3/6)
旧高野口町から5kmほど東へ進んで、橋本市街地へ。緩やかに坂道を登ったあと、市街地が見えてきた。安いガソリンスタンドがあって渋滞もしている。

徒歩で橋本駅の方まで歩いてみる。国道沿いにはスーパーやお店が並んでいて、細い道に入ると昔ながらの懐かしい住宅地も広がっていた。大和街道という看板も見つけて、昔は人々が多く往来していたようだ。街道がある方が紀の川よりも少し離れていて、地盤も高い。昔はその方が洪水に巻き込まれないよなあと思ったり。

それに、お手洗いで掃除中のおじさんが気さくに声をかけてくれて、矢継ぎ早に冗談を言ってくれたあと、「和歌山の人は真面目すぎんねん、と大阪でよくいじられましてなあ。もっとアホなこと言わんかい!」と。おじさんにもいろんな苦労があったのかもしれない。
橋本市街地へ。
細い路地も。
橋本駅。
基本のくり返しが近道。
ここは大和街道。
紀の川の南側から。
西吉野村にしよしのむら(五條市)(4/6)
さあ、ここから奈良県へ向かっていく。旧大塔村へ向かう途中に位置する旧西吉野村も、かなりの山間部のまちだった。うねうねと山道を進む中、トラックの交通量も多い。

今、奈良県には東吉野村が存在するけれど、西吉野村もあったのだなあと。場所としてはちょっと互いに離れていて、これまでは気づいていなかったから。市街地に住宅が集まっているというよりも、いろんな場所に集落が点在しているように感じられた。流れている川はとても澄んでいて、山間部の美しい日常である。
旧西吉野村へ。
西吉野支所。
トラックが多い。
いろんな集落。
どうやってあそこまで行くのだろう。
大塔村おおとうむら(五條市)(5/6)
旧西吉野村から国道を南下し、旧大塔村を目指す。旧大塔村の地域に入るには、天辻峠のトンネルを越えてからだ。ゆっくりと進んでいき、いよいよ迎えたトンネルはかなり細かった。そして、トンネルを抜けるとやはり残雪はまだ残っていて、それでも路面は大丈夫。やがて景色がひらけて、壮大な自然の光景が広がった。まずはよかった。ここから大塔支所までも進んでいく。途中、ナビが感知していないトンネルが現れて焦ったものの、どうやら大きなトンネルがいろいろ建設されつつあるらしい。この辺りの道が良
くなっていくと、確かに利便性は向上するはずだ。

支所の周辺にも住宅がたくさんあるというわけではなく、おそらくあちこちに集落が点在しているのだと思う。周辺の大自然の景色を見て、すごいなあと思わずにはいられない。といっても、かつて十津川村へ訪れた際に、この周辺も通っているはずなのだ。でも、そのまま通過してしまっていた。だから、旧大塔村として訪れることで、あらためてここにある暮らしに触れることができた。支所のそばに小さなお宮があって、ご挨拶をして離れることにした。
旧大塔村へ。
大塔支所。
すごい自然の中だ。
右手の道を進めば、十津川村へ続く。
天辻峠と近い道の駅にも立ち寄った。
ありがとうございました。
五條市ごじょうし(6/6)
旧大塔村から五條市街地までは、およそ30km。しかも大部分は山道なので、焦らずゆっくり、ゆっくりと進む。

無事に五條市街地が見えてくると、景色がひらけてとても気持ちがいい。市街地は吉野川沿いに広がっている。ちなみに和歌山県の「紀の川」と同じ川だ。県が変わると川の呼び方も変わることは、結構あるなあと思う。

そして、昔ながらの五條新町通りを歩いてみることに。とても懐かしい町並みが残っていて、そのままの時間の流れにとても落ち着く。「まちなみ伝承館」に入ってみると、児童文学作家の川村たかしさんや、元極道の画家、山本集さんの紹介もあった。いろんな人が、五條のまちとゆかりを持っている。

そして、伝承館の方が「chocobanashi」さんをお勧めしてくれた。chocobanashiさんは、大学の先輩が営んでいるお店で、ご活動も拝見していたのだ。訪れるつもりでいたけれど、紹介してもらうと、より行きたくなる。店内はお客さんも多くて、お店の方も明るい。先輩はいらっしゃらずご挨拶できなかったものの、チョコレートを買っていこう! そして、「プレゼントですか?」と店員さんに聞かれてハッとした。あっ、今日、バレンタインデーか! とにかく、「2月14日は天辻峠‥‥」とひたすらに思ってきたので、頭になかった。しかも、知り合いの方がひらいているチョコレートのお店というものは、ぼくにとってはここしかないので、バレンタインデーの日に、chocobanashiさんに訪れることができたのは、不思議だなあと。

チョコレートを買ったあと、お店の方が笑顔で「ハッピーバレンタインです!!」と言ってくださったときは、「あっはー!!」とニヤニヤして後退りしてしまった。いやあ、うれしいなあ。ありがたいなあ。
五條市街地へ。
吉野川だ。
餅商一ツ橋の看板は、まちのシンボルのひとつ。今はさかもと養鶏さんの無人カフェに。
落ち着くなあ。
まちなみ伝承館にて。
庭も立派だった。
そして、chocobanashiさんへ。
オリジナルギフトバッグもかわいい。
手作りチョコレートたち。ぜんぶ美味しそう!
というわけで、今日の散策はここまで。無事に一日を終えることができて、ほんとうにありがたかったです。もちろん、旅は続いていきます。しっかりと休んで、また明日に備えましょう。
本日のひとこと
和歌山県の旧市町村を、すべて訪れることができました。ほんとうに良かったです。すてきな出会いをありがとうございました!
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(終わり。次回へ続きます)

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