ふるさとの手帖

市町村一周の旅

南部川と日高川沿いの暮らしへ。【旧市町村一周の旅(和歌山県)|2月11日―677日目)】

南部川と日高川沿いの暮らしへ。【旧市町村一周の旅(和歌山県)|2月11日―677日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【160/171】

160/171
93.57%
訪れた旧市町村の数【1776/2,099】
1776/2099
84.61%
総計【1936/2,270】
1936/2270
85.29%

スーパーカブの総走行距離
43217km

旧南部町→旧南部川村→旧龍神村→旧美山村→旧中津村→旧川辺町、の6つ。
今日の旅先のこと
和歌山県はあたたかなイメージもありますが、内陸部に関してはちょっと違います。地域によっては積雪もあるため(顕著なのは高野山)、天候を確かめつつ進んでいきました。それでは振り返っていきましょう。


南部町みなべちょう(みなべ町)(1/6)
8時10分に田辺市を出発。晴れてはいるものの、風がしっかりと冷たい。まずは海沿いの道を進んで旧南部町へ向かった。現在「みなべ町」の旧南部町と旧南部川村の市街地は、いずれも南部川の沿岸部で、あまり距離も離れていない。地名も川が付くかどうかでほぼ同じなので、もともと生活圏は近いのだと思う。

今回は、みなべ町役場とその周辺を散策してみた。ビニールハウスからはラジオが聞こえてきて、海沿いの道を走っている中高生の子たちの眼差しが力強くてかっこよかった。役場の壁面には梅の花が描かれていて、みなべ町が梅の産地であることも伝わってくる。
旧南部町へ。
ザ・活魚。
誰かの足跡。
梅だ!
役場の壁にも梅の花。
南部川村みなべがわむら(みなべ町)(2/6)
高速道路よりも北へ進み、まずは「道の駅 みなべうめ振興館」へ。少し離れたところには、「南部梅林」もあって、行こうかと迷ったけれど、まだ梅の花の時期としては早いと感じていた。道の駅の駐車場係のおじさんの話によると、ちょうど梅まつりが始まったばかりだと。でも、今年は遅いから、まだだねと。

ただ、周辺のまちを散策していると、住宅地の中にも梅林が広がっていた。観光客が集まる梅林もいいけれど、生活の中にある梅林は、すごく土地に溶け込んでいる。家と家の間に梅林が広がり、レールもついていて、梅を収穫するときに使ったりするのかなあと思ったり。山梨でぶどう畑が広がっていたように、青森でりんご畑が広がっていたように、生活のそばに梅林がある。土地によって異なるあたりまえの風土に、ぼくはとても感動してしまう。

ちなみに、道の駅では梅の資料展示があって、南部町の梅システムでは「梅とミツバチの関係性」と「梅林と薪炭林によって守られている山」が大切なのだと紹介されていた。この『みなべ・田辺の梅システム』は世界農業遺産に認定されていると。ショップには生姜の梅風味や梅ジャム、梅バター、いろーんな梅製品があった。
旧南部川村へ。
黄色の橋だ。
朝練。
梅の産地らしさを感じる。
すごいなあ。
中央公民館。
世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」。
龍神村りゅうじんむら(田辺市)(3/6)
和歌山県の旅の中でも、旧龍神村は山場のひとつだと感じていた。理由はシンプルに雪である。Twitterで旧龍神村の雪の様子をつぶやいてくれているアカウントがあって、ここしばらくの寒波の間は、ごく普通に積もっていた。今日は寒波から数日経ち、おそらく大丈夫だろうという認識で向かったわけだ。

みなべ町と境界線のトンネルを抜けると、路肩に残雪が残っていた。やはり、と。路面は溶けているけれど、気をつけて進む。徐行で構わない。

そして、福井という集落に降りてきて、龍神行政局のある方角までは8kmほど。ただ、ひとつトンネルを抜けてみると、残雪の量が増えたように感じたので、行政局には行かず、福井地区を巡ることにした。行けたのかもしれないけれど、直感だ。

福井地区は小さな集落で、町並みは懐かしいまま。ふと、車から声をかけられて、「パン屋さん知りませんか?」とも。もしかしたら近くに人気店があるのかも。

ちなみに、行政局よりもさらに山間部へ進むと、龍神温泉もある。また、いつか訪れることができたらいいな。
旧龍神村へ。
すっかり山の中だ。
残雪も。
日高川。うつくしかった。
そういうこともある。
美山村みやまむら(日高川町)(4/6)
旧龍神村から、日高川沿いに国道を緩やかに下って、旧美山村へ向かった。川を下っていく、という点で雪が増えることはないだろうと思えたことはよかったし、実際に残雪も減っていったので、同じ山間部でも違いがあるなあと感じられた。と、今回は判断できたからよかったけれど、土地勘がないままにGoogleマップを見ても高低差が分かりづらい。だから、気をつけなきゃいけないなあと思う。

そして、旧美山村も深い自然に囲まれたまちだった。小学校のグラウンド脇に生えている木々の中に、一本とても目立つ木があって印象的だ。それに、非常に立派な木を持つ神社もあって、そちらへも引き寄せられた。どうやら大銀杏のよう。さっきの木もこちらの木も、冬なので落葉している。つまり、枝木だけなのに、ぱっと引き寄せられたわけだから、木の存在感はすごいなあと。
ヤッホーポイントへ向かう橋。
行かなかったけれど、けっこう、こだまするそうです。
美山支所。
とても立派な木を発見。
湧水かな。
下阿田木神社さん。
イチョウの木が、とても立派だった。
中津村なかつむら(日高川町)(5/6)
旧美山村から西へ進み、旧中津村へ。日高川を下っていく形になる。雰囲気的に、少しずつ山を降りてきた感じはするものの、中津支所の周辺はまだまだ山々に囲まれた小さな集落だった。

と思っていたけれど、支所からさらに道を下っていくと、景色も徐々に開けてきた。「道の駅 SanPin中津」に偶然着いて、お腹が空いたなあという気持ちで食堂を眺めていると、店内のお母さんとかなり目が合って、あっと逸らし、でもやっぱりともう一度店内を見るとまた目が合って、間合いの気まずさというか、妙な駆け引きを経て、「今、お店大丈夫よ!」のメッセージを受信し、お昼ご飯をいただくことに。

いただいたのは「元祖ほろほろ丼」。日高川町特産の希少ジビエ「ほろほろ鳥」だそうで、和歌山県内で唯一の産地だと。甘辛な味付けですごくおいしかった。知らないことがいっぱいあるなあ。
中津支所。
周辺を散策。
はしごいっぱい。
もう少し進むと、景色も開けてきた。
徳川吉宗ゆかりの地かあ。諸説はあるみたい。
お食事ほろほろ亭。
元祖ほろほろ丼、おいしかった。
あっ、これは道成寺の鐘?
川辺町かわべちょう(日高川町)(6/6)
最後に向かったのは、旧川辺町。日高川町の市街地でもある。旧中津村から移動して、ようやく平野部に出たという感じがした。やはり山間部よりは晴れやすいのか、今日は曇りが多かったものの、日差しも出てきて急にあたたかく感じる。

市街地を散策していると、小学校のグラウンドでは家族連れも遊んでいて、自由な雰囲気がいいなあと感じたり。

そして、先の旧中津村の看板で、道成寺という文字に気づいたのだった。ん〜〜、道成寺って、聞いたことあるな? と少し考えてみて、思い出した! そうだ、国立能楽堂で一度だけ能を観たことがあって、そのときの演目に、「道成寺」があったのである。若手の登竜門とも呼ばれていた演目で、実際ものすごかった。歌舞伎にもある演目だそうだ。ただ、道成寺が日高川町にある、ということはノーマークだった。だから、記憶がギリギリつながって訪れることができた。とはいえ駐車場に着くと観光地らしく門前町もできており、道成寺は有名なのだなあと。

門前町のお店などにはやはり釣鐘の描写やお土産物が多かった。食べ物としては、釣鐘まんじゅう。道成寺はそういうことに関わる伝説である。
旧川辺町へ。
珍しい建物のローソン。
畑だ。
やっと平野部だなあ。
道成寺へ。
石段を登る。
三重塔も。
釣鐘だ。
というわけで、今日の散策はここまで。山道のアップダウンも多く、無事に進めることができてとてもありがたかった一日でした。内陸部へ訪れると、知らない暮らしがあるのだなあと驚かされるばかりです。
本日のひとこと
梅干しが特産品って、ほんとうに健康的だしいいなあ! と思います。
旅を応援してくださる方へ
「どこで暮らしても」の商品ページに飛びます。
今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
写真集の商品ページはこちら

(終わり。次回へ続きます)

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

RECENT ARTICLES

Follow me