ふるさとの手帖

市町村一周の旅

中央市から市川三郷町へ、小さな暮らしを進みながら。【旧市町村一周の旅(山梨県)|11月12日―586日目)】

中央市から市川三郷町へ、小さな暮らしを進みながら。【旧市町村一周の旅(山梨県)|11月12日―586日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【87/171】

87/171
50.88%
訪れた旧市町村の数【1593/2,097】
1593/2097
75.97%
総計【1680/2,268】
1680/2268
74.07%

スーパーカブの総走行距離
39880km

旧田富町→旧玉穂町→旧豊富村→旧三珠町→旧市川大門町→旧増穂町、の6つ。
今日の旅先のこと
朝起きたら「さむー!」と、壁から外の空気が伝わってきて、身構えるわけですが、午後になると、「思いのほか、あつー!」となるので、むずかしい。というここ数日です。

さて、今日は中央市から市川三郷町や富士川町を進んで行きました。それぞれ小さな暮らしが広がっていて、移動距離はコンパクトだけれど、少しずつ雰囲気の違いを感じながら。それでは振り返っていきましょう。

田富町たとみちょう(中央市)(1/6)
朝は雲もなく、ほんとうにスカッとした晴れ方でした。もちろん寒いけれど、これだけ爽やかな青空を見ていたら、気にならないなあと感じられるほど。

さて、旧田富町には宿泊で前日から訪れていました。まずはカブに乗る前に、周辺を散歩してみます。昨夜は飲食店などもいくつかあるなあと思ったけれど、今日は工場が多いなと感じられて。郵便局の名前を見ると、「田富流通団地」とありました。なるほど、だからトラックも多い。
旧田富町。
田富流通団地。
そして、中央市役所まで移動してみると、懸垂幕が掲げられています。近づくと卓球女子の平野美宇選手に向けた、「銀メダルおめでとう!」の文字でした。わあ、平野選手って、中央市出身だったんだ。知らなかったなあ。

旅をしていると、たまに有名なスポーツ選手の横断幕や懸垂幕を見かけます。今、パッと思い浮かんだのは、ソフトバンクホークスの周東選手(群馬県太田市)や、バスケットボールの河村勇輝選手(山口県柳井市)。よく小学校でも掲げられてるんですよね。母校ですと。
中央市役所。
平野美宇選手の懸垂幕。
新山梨環状道路の建設。
鏡張り。
東花輪駅へ。
玉穂町たまほちょう(中央市)(2/6)
旧田富町から東へ進み、旧玉穂町へ。道中は、黒い瓦屋根の家が集まっている地域もあって、少し前の時代を感じました。もちろん、またエリアを変えれば、それらよりも新しい新興住宅も建っています。

立ち寄ってみた「玉穂ふるさとふれあい広場」は広々とした土のグラウンドが気持ちよく、玉穂庁舎周辺は、山王川沿いに穏やかな暮らしが広がっていました。どこからかアンパンマンのマーチが流れていて、こだまして聴こえてきたのが、ちょっと不思議だったといいますか、耳に残りました。
旧玉穂町へ。
玉穂ふるさとふれあい広場。
ふれあい広場は広いグラウンド。
大きなてんとう虫を発見。
玉穂支所。
豊富村とよとみむら(中央市)(3/6)
笛吹川を渡って、旧豊富村へ入りました。この笛吹川が、かつては旧豊富村の境界線だったようです。交差点へ降りていったとき、「ミルクの里」とかかれていて、そうかあ、ここは乳牛なのかあ、と思ったわけですが、若干引っかかる気持ちもあって、それからあとに別の看板を見たとき、よく見ると「シルクの里」だったのでした。「ミルク」と「シルク」を読み間違えてしまったわけ。うん、「シルクの里」の方がしっくりきます。旧豊富村は全国でも屈指の養蚕地帯だったそうです。

そして、「道の駅 とよとみ」へ訪れてみると、外には白菜と野沢菜がどん、と置かれていて、館内にも野菜や商品がいっぱい。コーナーごとに「おみやげ山脈」や「漬物パラダイス」といった秀逸なネーミングも付けられていて、見ていてすごくたのしかったし、すでに駐車場も満車だったのですが、それも納得できるなあと。

また、ねぎみそと野沢菜のおにぎりを買ったのですが、それもおいしくて目が見開いたのでした。ごはんも具も沁みるおいしさ。これがほんとうの旨味というやつか、と。
道の駅とよとみ。
直売所甲子園の初代チャンピオンだ。
おいしそうだなあ。
周辺も散策。
シルクの里。
その後、道の駅を離れて豊富支所周辺まで訪れてみると、まさに「里」らしい風景が広がっていました。深い山間部ではないけれど、緩やかに木々に囲まれていて。昼食の準備でしょうか、どこからかおいしい出汁が香ってきて、たまらんかったです。
豊富庁舎。
浅利与一義成は、那須与一と並ぶ弓の名手だったと。
三珠町みたまちょう(市川三郷町)(4/6)
小さな峠を含んだ広域農道を進んで、旧三珠町へ。この農道が小高い丘陵地だったので、旧三珠町に入って思い切り景色がひらけて、北側にうつくしい甲府盆地が広がりました。これまでもいろんな角度から甲府盆地を見ることができたけれど、見飽きることはなく、毎回いいなあと思ってしまいます。
旧三珠町へ。
甲府盆地だ。
その後、甲斐上野駅へ訪れたときに、看板を発見。そこには「歌舞伎文化公園」の紹介がありました。なぜ、歌舞伎に関する公園なのか? それは初代市川團十郎の出身地が旧三珠町だと発見されたから。今は第十三代の市川團十郎白猿の時代ですが、その初代が、ここだったとは。思えば、“市川”三郷町ですし、つながっているのも頷けます。

というわけで、歩いて「歌舞伎文化公園」まで行ってみました。距離は問題なかったけれど、坂が険しくてちょっとしんどい。そして、公園には上野城址も建っていて、いろいろあるなあと驚かされます。城址も資料館も、金土日が開館日で入ることはできませんでしたが、公園では園児たちがたくさん元気いっぱいで、明るい声が響き渡っていて。
甲斐上野駅。
初代團十郎発祥の地と。
上野城址。
秋ですね。
第十二代目市川團十郎の文字。
市川大門町いちかわだいもんちょう(市川三郷町)(5/6)
旧三珠町からほど近く、旧市川大門町へやってきました。そもそも、市川三郷町ご出身の方の話を聞いていると、三珠、市川大門、六郷の3町がそれぞれのアイデンティティを持っていると仰っていて。三珠は歌舞伎、六郷はハンコ、そして、市川大門は「花火」だと。

なので、旧市川大門町には花火資料館もあって、ぜひ行きたいと思っていましたが、どうやら今日は休館日。ということで、市川大門駅の周辺へ訪れてみます。

駅には高校生たちが集まっていて、ちょうど電車が来るようで「間に合った」とか「やばい、間に合わない」とか賑やかな声が聴こえます。それから市街地を散策していくと、中央通りや文教通り、古倉の通りといった名前をとともになつかしい町並みが広がっていました。「市川大門」というワードも多く見かけて、愛着も感じられます。ちなみにふと見つけたマンホールの絵柄も、花火でした。
市川本町駅。
雑談用かな。
雑談が好き。
懐かしい雰囲気。
不二家だ。
巨摩・市川三郷の100年。
その後、標高850mの四尾連湖しびれこへ向かってみることに。市街地からぐんぐんと山を登り、周辺は市街地よりも紅葉が色鮮やかでした。平日だけれどキャンプでやってきている若い人たちも多くて、車のプレートナンバーも関東方面が多く、とってもたのしそう。いよいよ湖まで歩くと、小さな湖ではあるけれど、秋の空気が満ちた爽やかな気配に包まれていました。ほっとする場所です。
駐車料金は軽トラの窓からお金を入れる、斬新なスタイルでした。
四尾連湖。
ゆったりした時間。
増穂町ますほちょう(富士川町)(6/6)
最後にやってきたのは、旧増穂町。四尾連湖から山を降りて、富士川大橋を渡ります。およそこの辺りで、釜無川と笛吹川、その他の川が合流し、富士川へと名前を変えます。いやあ、これって、ものすごいロマンだと思うんですよねえ。釜無川も笛吹川も、お互いに山奥からここまでがんばって流れてきて、いよいよ富士川になって静岡県へ入り、最後には駿河湾へ流れ出ていくと。それぞれの川の上流を見てきたので、思い入れが強くなったのでした。

川を渡ってからは「道の駅 富士川」、大きなショッピングモールを通過して、市街地へ。富士川町役場の周辺は、落ち着いた暮らしが広がっていて、増穂の地名も何度か見かけました。今度は小中学生の下校時間で、元気いっぱいな声がまちに響きます。
富士川町役場。
なつかしさ。
その後、利根川公園という場所へ行ってみると、イチョウ並木の色が見頃を迎えていました。ひとり、先に写真を撮っていたおじさんは、軽トラに乗っていたので、地元のおじさんかなあと。イチョウ並木のピークの色を見ることは案外少なかったので、すごくうれしかったです。

また、周囲では中央新幹線と看板にかかれた大きな工事が行われていました。中央新幹線、といわれると一瞬考えるけれど、リニアのことだよなあと。リニア工事の箇所は、確かにあちこちで見かけます。これからどうなっていくのでしょう。
イチョウ並木だ。
リニア工事かな。
最後に「道の駅富士川」にも寄った。
というわけで、今日の散策はここまで。四尾連湖へ訪れた以外は、市街地を中心にした散策でした。甲府盆地を支えているのは、小さな暮らしの数々なのだと感じます。
本日のひとこと
富士川町で17時になると「この町に〜」とポップなオリジナルソングが流れました。「明日を生きる」という歌で、女性のすてきな声で。
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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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(終わり。次回へ続きます)

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