ふるさとの手帖

市町村一周の旅

果物が生活のそばにある。【旧市町村一周の旅(山梨県)|11月3日―577日目)】

果物が生活のそばにある。【旧市町村一周の旅(山梨県)|11月3日―577日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【87/171】

87/171
50.88%
訪れた旧市町村の数【1569/2,097】
1569/2097
74.82%
総計【1656/2,268】
1656/2268
73.02%

スーパーカブの総走行距離
39632km

山梨市→旧牧丘町→旧三富村→旧塩山市→旧勝沼町→旧大和村、の6つ。
今日の旅先のこと
昨日は終日雨でしたが、カブにも乗りました。オイル交換のためにバイク屋さんへ。少しでも良い状態でがんばってもらえたらと思うばかりです。そして、今日は朝から青空が戻って。山梨市と甲州市の旧市町村へ。葡萄や柿といった果物が生活の中にあることを感じながら。それでは振り返っていきましょう。
山梨市やまなしし(1/6)
甲府市から最初に向かったのは、山梨市です。移動中に通ったイチョウの並木道が、かなり黄色く輝いていて、大学の母校を思い出しました。似たような並木道で。そういえば今日は、大学祭をやってるはずだなあということも思ったり。ぼくにとっての大学祭は、お茶会のイメージが大きいです。茶道部だったので。

それはさておき、まずは山梨市駅の周辺を散策しました。すでに市街地からは北側に丘陵地が見えて、「笛吹川フルーツ公園」もあるのだろうなあと思いつつ。市街地そばを笛吹川が通り、川沿いの万力公園も存在感がありました。

駅から降りてきて、バス停で待っている人はトレッキングの格好が多く、どこの山に行くのだろうなあとも。特急かいじ号が停まるようなので、関東からもアクセスが良いのだろうなあと。
山梨市街地へ。
笛吹川。左は万力公園。
その後、「笛吹川フルーツ公園」へ。丘陵地形が近づくと、一面にブドウ農園が広がり、景色に圧倒させられます。徐々に丘陵地をのぼっていけば、今度は見晴らしが素晴らしくて。公園に着いたとき、後ろから車を降りてきたおじさんが、「うわ…まじか…」と、眺望の良さに絶句していました。その気持ちもわかるぐらいの清々しさ。

公園内には広場、噴水、アスレチック、物産館、ホテル、いろいろあるんだなあと。観光地でもあり、地元の方々の憩いの場でもあるようで。野外ステージでは音響の準備をしている人もいて、イベントもあるようでした。
坂を登ると、立ち止まってしまう。
名前のない展望台。
フルーツ公園へ。奥には富士山だ。
公園から旧牧丘町へ移動するとき、裏手に広がっていたまちなみもとても好きだった。
牧丘町まきおかちょう(山梨市)(2/6)
笛吹川上流の西岸へ広がる、旧牧丘町を目指します。甲州市の塩山の地名も移動中に現れたので、お互いに近いのだなあとも。後で行きたいと思っている、恵林寺もすぐ近くで。

まずは牧丘支所のある市街地を散策しました。いくつか商店が並んでいて、家族連れのお客さんの姿も。ささやかな日常が流れています。今日は祝日、文化の日ですが、日の丸を掲揚している建物もひとつではありませんでした。
牧丘支所。
左側が丘陵地。
木金のたのしみ。
また、観光案内の看板を見て、どうやら事前の予想と同じように、支所よりも北西の地域は丘陵地形で、具体的なスポットというよりも、景色を探してみたかったので、えいっ、とダーツの旅方式で行き先のピンを打って、その周辺まで行ってみたのでした。

訪れたのは倉科の真智という地域で、やはり地域一帯に広大なブドウ畑が広がっていて、見事でした。観光農園もあるとは思うけれど、粛々と葡萄が育てられている土地だと感じられて。もちろん収穫期は過ぎていて、葉っぱは茶色くなっていたりもするけれど、それでも存在感があるなあと。
斜面にブドウ畑と住宅と。
倉科の真智富士山も。
三富村みとみむら(山梨市)(3/6)
旧牧丘町から国道140号線に乗り北上していくと、旧三富村へ入ります。この国道ではバイクの往来が非常に多くて、もちろん休日ということもあるだろうけれど、主要な地域を結んでいるのだろうなあと思いました。あとで調べてみると、雁坂トンネル経由で秩父と通じていて、そういうことかあと。

今回は、「一之釜」という景勝地へ行ってみようと駐車場まで行くと、現在は落石の恐れで見に行くことができないと。そっかあ、残念だなと思ったけれど、訪れた集落は歩いてみたいなと散策してみることに。笛吹川の谷間に広がる集落で、深い山に囲まれ、旧牧丘町とはかなり雰囲気が変わります。一之釜までは行けなかったけれど、ここに広がる小さな暮らしを感じられたことは、大きな出会いでした。
旧三富村へ。
一之釜のある、釜口という地区。
笛吹川もだいぶ上流の感じだ。
残念ながら。
塩山市えんざんし甲州市こうしゅうし(4/6)
今度は笛吹川を下り、旧塩山市に入ります。まずは「恵林寺」へ。甲州武田氏の菩提寺で、武田信玄にまつわる武田不動尊像も祀られていると。

そして、駐車場にカブを停めて、売店を通りがかったとき、「ほうとう」の文字が目に留まりました。「あっ、そういえばまだ、ほうとうを食べていない!」実は前回の市町村一周の旅でも、山梨県でほうとうを食べていません。これは、今が、ビッグチャンスなのでは? と、お店に入ってみることに。売店の奥に食事処がありました。

お母さんがお茶を出してくれて、「どこから来たの?」と。岡山県ですと答えて、「ああ、それならほうとうを食べていかないとね。うっふっふ」と。そのあと厨房で、「岡山から来たんだって!」という大きな声も聞こえてきましたが、何よりほうとうをいただけるのですから気になりません。

はいどうぞ〜、と待ちに待ったほうとう。いざ、いただきましょう! 器の上で迎えてくれたのは、かぼちゃ、大根、にんじん、しいたけ、ごぼう…と野菜たっぷり。特にかぼちゃは熱々で、口にするとフォッフォッフォ、と口が細長い形に。

いままでほうとうって、平らな麺のイメージが強かったけれど、どちらかというと野菜の郷土料理だなあと思いました。それぐらい野菜たっぷりだったし、麺は引き立て役と言いますか。いまの季節にもぴったり、心もお腹もいっぱいになりました。お母さんありがとう〜。
恵林寺へ。
自然もいっぱい。
甲州ほうとうが、もうすぐ。
きた!野菜たっぷりだった。
もちろん麺もおいしい。
さて、恵林寺には入館料も支払って建物の中へ。日本庭園がうつくしく、うぐいす張りの廊下もあったり、何も見えない真っ暗な廊下があったり、いろいろありました。奥に鎮座していた武田不動尊は、学術的にも武田信玄が生存中につくられたものだと判明しているとのことで、不動尊が武田信玄の姿だと思うと、いやあ、すごいなあと。いくつか、山梨県で武田信玄の銅像を見たけれど、意味の深さがちょっと違いますよね。
恵林寺の中へ。
この先で入館料を支払いました。
中では写真を撮らず、再び外へ。
とても立派なお寺でした。うつくしさもあり。
また、恵林寺を離れて塩山駅の周辺を散策していたとき、立派な日本家屋にいくつものオレンジ色の柿が干されているではありませんか。トイレに行きたかったのを忘れて、その日本家屋である「甘草屋敷」へ入館しました。

この地域一体、特に先ほど訪れた恵林寺のある地域では、柿を干す風景がまちの風物詩であると。まだ恵林寺辺りでは始まっていなかったけれど、甘草屋敷では昨日、柿を干したばかりとのことでした。「天気にもよるけれど、二、三週間ほど干して乾燥具合を見て。霜に当たることが、大事なんですよねえ」と、品のあるお母さんが教えてくれて。いやあ、果物がつくりだす風景って、ほんとうにうつくしいなあと、心から感動しました。けっきょくトイレに行ったのは、30分後とかです。
塩山駅。
甘草屋敷にて。柿が並ぶ。
すごいなあ。うつくしいなあ。
立派なお屋敷です。
甘草屋敷を出て、周辺をもう一度散策。
塩山駅の南口。
あっ。
いろんなところで干してあるなあ。
勝沼町かつぬまちょう(甲州市)(5/6)
旧勝沼町は旧塩山市の南に接するまちで、日本最古最大のブドウ産地でもあります。かつて、芭蕉も「勝沼や馬子も葡萄を喰いながら」と詠んでいて。その言葉通り、住宅地は広がっているけれど、家と家の間や、ふつうなら庭のようなところにも、ブドウ畑が広がっていました。旧牧丘町ともちょっと違う景観だなあと。「隙間にはブドウ畑あり」という感じで。日差しもしっかりと届いていたので、ブドウの葉がつくりだす影がまたうつくしく、見る度に圧倒させられました。
勝沼支所。
市街地もあちこちにブドウ畑が。
屋根みたい。すごいなあ。
また、観光地である「ぶどうの丘」にも行ってみたけれど、もう満車で遠くの駐車場から歩いている人たちも多くて、中に入るのはやめたのでした。その周辺に広がるブドウ畑も家並みも、言わずもがな綺麗で。
大和村やまとむら(甲州市)(6/6)
最後に向かったのは、旧大和村です。国道20号線を進んだ先に市街地があって、大月市と甲府市の中間辺りに広がるまちでした。すっかり山の中に入ったので、国道もずっと坂道のまま。甲斐大和駅にいた人も、やはり登山の格好が多かったです。
大和村の碑。
甲斐大和駅。
そして、「道の駅甲斐大和」まで行ってみると、午後から日差しはあまり当たらない立地みたいで、3度ぐらい気温が低いんじゃないのかなと思えて、かなり寒かったです。それでも大盛況で、駐車場の車は譲り合い。やっぱり三連休なのだなあとしみじみ感じたのでした。
道の駅甲斐大和。
全体が日陰でした。
というわけで、今日の散策はここまで。山梨市と甲州市、知っているようで知らなかった地域を訪れることができました。特に果物が身近にある風景はほんとうにうつくしくて。もちろん、生育のサイクルがありますし、土地で暮らすことで見えてくる世界もたくさんあるのだろうなあと思いつつ。
本日のひとこと
関東地方の車がとても多かったです。多摩、八王子、大宮、などなど。特に多摩ナンバーがいちばん多いと思いました。
旅を応援してくださる方へ
「どこで暮らしても」の商品ページに飛びます。
今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
写真集の商品ページはこちら

(終わり。次回へ続きます)

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

RECENT ARTICLES

Follow me