ふるさとの手帖

市町村一周の旅

伊予から八幡浜の三崎まで駆け抜けよう。【旧市町村一周の旅(愛媛県)|3月12日―706日目】

伊予から八幡浜の三崎まで駆け抜けよう。【旧市町村一周の旅(愛媛県)|3月12日―706日目】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【170/171】

170/171
99.42%
訪れた旧市町村の数【1906/2,101】
1906/2101
90.72%
総計【2076/2,272】
2076/2272
91.34%

スーパーカブの総走行距離
45511km

伊予市→旧双海町→旧長浜町→旧保内町→伊方町→旧瀬戸町→旧三崎町、の7つ。
今日の旅先のこと
今日は伊予市街地から、八幡浜市の旧三崎町まで進んでいく。直線距離でおよそ80km。それほど距離はないように思えるけれど、そのうち半分は往復するし、カブだと簡単ではないような気がしていた。実際のところ、山道も多くて簡単ではなかったけれど、無事に巡ることができて何よりだ。それでは振り返っていこう。


伊予市いよし(1/7)
昨日、五色浜公園を訪れていたので、今日は伊予市街地を散策した。朝はものすごくいい光が差し込んでありがたい。昔の雰囲気も残っていて、そうした道路を地元の子どもたちが通学していく。ほのぼのとした日常そのものである。

ちなみにほぼ並行して伊予鉄とJRが通っていて、どちらがどう、といった特徴があるのだろうなあと。見た感じ、途中の経由地が若干違うのと、松山市街地で到着する場所が少し違うので、目的地によって利用の仕方が変わるのかなあと思ったり。JRはさらに西へ続くけれど、伊予鉄は伊予市街地の群中港駅が終着駅である。
伊予市街地の朝。
朝日が差し込む。
伊予鉄の郡中駅。
日差しを浴びます。
双海町ふたみちょう(伊予市)(2/7)
国道を道なりに東へ進み、旧双海町を目指した。海がすぐそばにある港町で、双海市街地の案内地図を見て、伊予上灘駅があることを知り、「ああ、だから下灘駅もあるのだ!」と。もう少し西へ進んだ先には、全国的にも海と駅舎の風景で有名な下灘駅がある。ただ、市街地には上灘駅があるのだなあと、ちょっとした雑学みたいに感じられた。

「道の駅 ふたみ」にも訪れると、心地よいピアノがBGMとして流れていて、看板には「まいにちが、『海の日』。」と。いやあ、このことばがとっても似合う場所なのです。穏やかな海を見て、言葉とともにスッと体に沁みた。

また、うまくタイミングを合わせられなかったけれど、教えていただいた「海に恋する泊まれる喫茶店 ポパイ」さんというお店も近くにあって、いつか行ってみたいなあと。
旧双海町へ。
山も結構近い。
静かな朝の通り。
青空だと、また見える景色が違うのだろうなあ。
双海地域事務所。
まいにちが、「海の日」。
長浜町ながはまちょう(大洲市)(3/7)
またまたずーっと道なりに、西へと進んでいく。途中は小雨も降り始めて、朝は晴れていたものの、変わりやすい天気である。

旧長浜町の市街地は、肱川の河口に発達した港町だ。路面の色が違う懐かしい通りもあって、流れている時間の長さを感じた。また、シンボリックな長浜大橋は工事中だったけれど、ここには「肱川おろし」という独特の風が吹く。伊予灘と大洲盆地の気温差によって生じる現象で、寒冷多湿の強風が、肘川を通って伊予灘へ向かって吹き出すのだ。霧の多い秋から冬にかけては雲海となって奔流し、ときには20mにも達する風速に乗って、海へなだれる。

この映像をぼくはのちにYoutubeで見て、自然がつくりだす現象に驚いたし、冷たくて厳しい風を浴びながら散歩していたお父さんが、インタビューで「これで長浜にも冬が来たなぁと。生まれ育った小さい時から見てきたので。あぁこの風や、って。気持ちいい!」と仰っていたことばがとても印象的だった。その土地で生きている、ということを感じられる現象があるって、生きているって感じがするよなあ。
伊予長浜駅。
長浜支所。
懐かしい雰囲気だ。
長浜大橋。赤色が印象的。
ベット、ジュータン。
伊予灘の海だ。出発前に晴れた。
保内町ほないちょう(八幡浜市)(4/7)
海岸線の道を進み、旧保内町に入ったところで、河津桜が一面に咲いていた。まちが変わるので、市が植樹したのかなあと思ったり。

そして、伊予灘から南へ進んでトンネルを2つ抜けると、一気に空気がむわっと暖かくなった。明らかに違うのでビックリしたし、地形によって生まれる気温差なのだろうなあと思う。

市街地は山に囲まれていて、山の斜面には畑が広がっている。たぶんほとんどが柑橘類なのではないだろうか。和歌山で見たみかん畑が脳裏によみがえった。

移動中から「ハイカラな街ほない」という紹介があり、旧保内町の川之石地区へ向かってみると、広々と整備された遊歩道や懐かしい町並みが残り、沿道の花々も美しく、歩いていてとても気持ちがいい。ほかにも周辺は「雁木」と呼ばれる階段状の石積みがたくさんあって、景観の特徴だと感じられた。

かつて、この辺りでは明治期に銀行業、鉱山業、紡績業など様々な近代産業がいちはやく起こり、地域の近代化と発展が進んだという。そうした歴史もあって、ハイカラな街という謳い文句もあるのだった。
旧保内町へ。河津桜かな。
市街地と山と。
山の果樹畑がたくさんあった。
ハイカラな街ほない。
旧白石和太郎洋館。
「雁木」の景観が見事。
地域の偉人かな。
伊方町いかたちょう(5/7)
次に向かったのは、伊方町。少しずつ、佐田岬半島に入っていく形だ。市街地は深い入江のようになっていて、地上から見える海は山で囲まれている。海の直前まで低い山が迫っていて、その斜面や隙間に住宅が広がっているのだった。

ちなみに、伊方町役場の懸垂幕には、高校生の地域創生に関するアイデアコンテストで、全国2位の賞を受賞したことが紹介されていて、その高校生たちのチーム名が「さだ岬爆誕」だった。ああ、これはもう最高だ! いいなあ高校生! という気持ちになったのだった。
伊方町へ。
山と海が隣り合わせ。
伊方町役場。
伊方町公式のチャンネルもあるみたい。
市街地を上から。
亀が池眺望も、壮大だった。
スケールが大きいなあ。
瀬戸町せとちょう(伊方町)(6/7)
前回の旅では伊方町の市街地よりも西へ進んでいないので、ここから進んでいく佐田岬半島は初めてだ。

約15kmほど進んで、旧瀬戸町の市街地へ訪れた。佐田岬半島がとても細いので、南北いずれにも集落があるようだったけれど、今回は北側の集落へ訪れてみることに。北側は少し風が冷たく感じたので、もしかしたら北と南で気温が少し違うのかもしれない。それに、道中の国道は海抜のやや高いところにあり、集落は海沿いなのでかなりギュインと道を下った。

市街地は小さな集落で、旧保内町で見た雁木も多い。地形は少し入江になっており、海も静かでひっそりとした暮らしだと感じた。もし、佐田岬の最西端にある三崎港を利用するのであれば、旧瀬戸町は通過しやすいまちかもしれない。なので、ここにも暮らしがあるのだなあと、今回の旅で知ることができてよかった。海鳥の鳴き声が、とても響いて聞こえた。
旧瀬戸町へ。
海もすぐそばに。
雁木だ。
瀬戸総合支所。
いろんな土地があるなあと。
港では釣りをしている人も多かった。
三崎町みさきちょう(伊方町)(7/7)
旧瀬戸町から、さらに20kmほど西へ進む。道中は高低差が激しくてトンネルも多く、交通量もそれなりに多いので、かなり神経を使ったけれど、ようやく市街地へ着くと疲れも吹き飛んだ。

市街地は海がそばにあり平地となっているものの、まだまだ険しい山が周囲を取り囲んでいて、これだけ岬の先端部でも、こういう地形なのかと驚かされた。

そして、三崎港へ。ここからは大分の佐賀関港へ船が出ている。ぼくはこの便は利用したことがないけれど、「ああ、そういえば、佐賀関には旧市町村の旅で訪れたぞ!」と懐かしい気持ちになった。およそ1年近く前に訪れたのだ。工場群と古いお寺や古い町並みがあったなあ。

乗り場には車もバイクも自転車もキャンピングカーもいて、平日でも利用客がけっこういるみたいだ。ようやくここまで来れたし、お腹がぺこぺこで、お弁当は売り切れていたので、「じゃこかつ」を2種類買ってみることに。じゃこてんをコロッケ風に揚げた食べものである。そして、2種類というのは、生産者さんが違うじゃこかつを買って、食べ比べをしてみようと思ったのだ。

どちらも衣で揚げられているので、だいたい一緒の味かなと思っていたら、具材も味も全然違っていた! これは、非常に奥が深いぞ‥‥。個人的には、ごぼうが入っていたじゃこかつが好きだった。
三崎支所へ。
左手には海。そして、山に囲まれている。
すごい!
じゃこてんと、じゃこかつが有名みたいだ。
三崎港のお店へ。
フェリー乗り場も。
さすがに、佐田岬灯台に行く体力はなかった。
じゃこてんやじゃこかつをいただく。
船もきて、車もけっこう下船したのだった。
というわけで、今日の散策はここまで。その後、旧三崎町から八幡浜市街地まで、ゆっくりと移動した。最後にトンネルを抜けると、風景から「八幡浜だ!」という感じがして、うれしかったなあ。旧保内町もだけれど、八幡浜市街地から見える、山の斜面の果樹畑も圧巻だ。

夜は八幡浜ちゃんぽんを食べた。あっさりとした鶏ガラで、長崎のちゃんぽんとはスープが違うのだなあと思いながら。ご馳走さまでした(散策の写真は明日まとめて)。
夜、八幡浜ちゃんぽんをいただいた。
本日のひとこと
八幡浜港は、九州の別府と臼杵をカーフェリーで結んでいます。別府から八幡浜へのルートは、以前の旅で利用したのでした。
旅を応援してくださる方へ
「どこで暮らしても」の商品ページに飛びます。
今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
写真集の商品ページはこちら

(終わり。次回へ続きます)

LEAVE A REPLY

*
*
* (公開されません)

RECENT ARTICLES

Follow me