ふるさとの手帖

市町村一周の旅

再び快晴の北アルプスが見えてきた。【旧市町村一周の旅(長野県)|10月21日―564日目)】

再び快晴の北アルプスが見えてきた。【旧市町村一周の旅(長野県)|10月21日―564日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【87/171】

87/171
50.88%
訪れた旧市町村の数【1534/2,097】
1534/2097
73.15%
総計【1621/2,268】
1621/2268
71.47%

スーパーカブの総走行距離
38885km

旧坂井村→旧坂北村→旧本城村→旧四賀村→旧明科町→旧穂高町。の6つ。
今日の旅先のこと
週末は前橋に出かけていて、日曜日の夜に長野へ帰ってきました。でも、「長野に帰ってくる」という感覚が不思議です。旅の最中だと、どこが起点になるかわからない。

さて、今日は上田市を出発し、筑北村から四賀村を通って安曇野市へ。山間部を抜けて安曇野市へ入ってからは、雄大な北アルプスも雲ひとつなく姿を見せてくれました。それでは振り返っていきましょう。

坂井村さかいむら(筑北村)(1/6)
寒いのでダウンも着て、8時10分に出発。西の空にはまだ月も残っている。上田市街地から青木村を通過して、筑北村の旧坂井村を目指す。

青木村の市街地までは大丈夫だったけれど、青木村から旧坂井村への峠を越えるときは日陰でかなり寒かった。もしダウンを着てなかったら無理だな、という感じ。

ようやく峠を越えて、旧坂井村の市街地が現れると、山道から景色がひらけた。小さな盆地になっていて、よく見ると山の葉も少し秋の色に移り変わっている。ここ数日の冷え込みが効いたのかな。

市街地は家と畑が広がり、小学校から子どもたちの明るい声が聞こえる。また、麻績村の住宅街も遠く見えて、その奥には北アルプスの山々のてっぺんがわずかに姿を見せていた。
旧坂井村へ。
篠ノ井線。
畑のエネルギー。
坂北村さかきたむら(筑北村)(2/6)
旧坂井村から、麻績村を通過して旧坂北村へ。前回の旅だと、「ここに村があるのかあ」と感じた麻績村も、旧坂井村を訪れたあとだと大きな村に感じられる。

旧坂北村では青柳宿という宿場町を歩いてみた。坂道に並ぶ宿場町で、看板など名残を残しながらも、静かな暮らしの場の印象が大きい。おじいちゃんやおばあちゃんたちも、各々の時間を過ごしていて、そっと会釈した。

ちなみに何街道なのか考えてみたけれどわからない。と、あとから調べてみたら善光寺街道だった。なるほど、善光寺街道もあるのかと。これまで中山道や北国街道が多かったので、盲点だった。
青柳宿へ。
看板もあった。鍛冶屋。
石組用水路。
坂北駅。
本城村ほんじょうむら(筑北村)(3/6)
旧坂北村から移動してまもなく、旧本城村へ。筑北村役場も位置しており、市街地を散策していく。道中、見晴らしの良い道があって、この道は6年前の旅でも通った気がするなあと思った。当時は夏の入道雲がかなり湧き上がっていて、雨に降られないように移動したんだよなあと。その場にいることで思い出せることがあるって面白い。

市街地の裏手には西条駅があり、高校もあってすごく楽しそうな声が聞こえた。高校から元気な声が聞こえるっていいな。まちも落ち着いた雰囲気でゆったりと歩いた。
天日干し はぜかけ米の里 筑北村
市街地を歩く。
遠くに北アルプスだ。
四賀村しがむら(松本市)(4/6)
旧本城村から国道をそのまま進めば安曇野市に入る。ただ、今回はひとつ寄り道をして、松本市の旧四賀村へ向かった。峠越えが少し不安だったけれど、どちらも同じぐらい標高が高かったので、小さな峠だった。

まずは市街地へ出てみると、会田宿という宿場町を発見。なるほど、ここにも宿場町があるのか。やっぱり街道はわからなかったけれど、旧坂北村で訪れた青柳宿と同じ善光寺街道だと知る。「遠くとも一度は参れ善光寺」の影響力は相当だったのだなあと。

さらに、世界最古の「マッコウクジラの化石」に会えるという「四賀化石館」に向かってみる。ただ、もしかしたらと予想していた休館日に当たってしまった。

ちなみに化石館にはバイクがたくさん停まっていて、向かいのカフェにバイク乗りのみなさんが吸い込まれていく。あとで調べてみたら、有名な店主さんがいらっしゃるとのことだった。会いたい人に会う旅もいいなあ。
旧四賀村へ。
会田宿。
四賀でも駅伝大会だ。
四賀化石館。
明科町あかしなまち(安曇野市)(5/6)
今日の道中はずっと山の中を進んでいたけれど、ここでようやく平野部に降りていく。旧明科町の市街地に入ると、これまで降りてきた東側は山が近く、西側の北アルプスは遠く輝いていて、これ以上ない景色だ。

龍門渕公園」に向かうと豊かな川の流れに驚かされる。ストレートに流れる場所でも、水量が豊富で勢いもあり、なおかつ透明で、川がうねって見えた。

また、龍門渕公園の西側には犀川が流れている。あれ、長野市街地にも犀川が流れていたよなあと思って確認すると、確かにそうで、犀川が続いているのだと。最終的には千曲川にまとまっていくわけだけれど、犀川が山の中を突っ切って安曇野市から長野市へ流れている、ということが驚きだった。ぼくは山をかなり登って下ったはずなのに、川は流れていくのだと。

冬に白鳥が飛来するという御宝田遊水池にも立ち寄ってみる。今はまだ季節ではないのでカモさんたちがいっぱいいて、それを撮っている人もいた。ただ、何より御宝田遊水池から眺める見晴らしの良い北アルプスが美しくて、そちらに心奪われたのだった。
小川がとにかく美しい。
市街地を歩く。
御宝田遊水池近く。
穂高町ほたかまち(安曇野市)(6/6)
最後にやってきたのは旧穂高町。まずは観光地として有名な「大王わさび農場」へ。初めての訪問で、駐車場に着くと観光バスも車もいっぱいでびっくり。平日は関係なさそうだ。

施設内には広大な敷地にわさび農園が広がっている。過去に見たことがあるわさび農園は、山が近いイメージだったけれど、大王わさび農場はもう少し見晴らしが良い。わさび畑の多くは黒いシートで覆われていて、あまり直射日光を浴びないようになっていて、独特の景観だ。

そして何より、観光客のお目当てはわさびフードである。確かに、ぼくも食べてみたいなあとわさびソフトクリームを買ってみた。大王わさび付のプレミアムにしたら、ほんとうに辛くて厳しい戦いだった。ソフトクリームそのものは、ほんのりわさびで食べやすい味だ。

レストランもものすごい行列だったし、たとえば長野県の名産の蕎麦もわさびと相性抜群だし、日本人も海外の方もわさびは好きだし、わさびのもたらすパワーに感心させられたのだった。
大王わさび農場へ。
すごいなあ。
わさびソフト。本物のわさび付きは辛い。
次に、穂高神社へ。前回の旅でも訪れた場所。広々とした境内で、ペットの参拝も大丈夫だとあり、ワンちゃんもいた。気持ちよく参拝した後に、神社周辺も散策すると、穂高駅前のレンタサイクルには国内外の観光客が集まっていた。
移動中の風景。
北アルプスはすごいなあ。
穂高神社へ。
穂高駅。
さらに、碌山美術館にも訪れる。旅でルートを決めるよりもずっと前に、Googleマップに碌山美術館をお気に入り保存していた。それがいつなのかは思い出せなくて、たぶん誰かに薦められたのではないかと思う。だから、今回はぜひ行ってみたいと思っていた。

まず、碌山とは誰なのか。彼の名は荻原守衛おぎわらもりえで、号として碌山ろくざんと名乗る。彫刻家であり、日本における本格的な近代彫刻の導入者。しかし満30歳で急逝してしまったと。

美術館の建物は、碌山の精神を育んだキリスト教の教会風になっていて、木漏れ日が差し込みとても美しかった。彼の彫刻作品を見て、満30歳で生涯を閉じたのかと、驚きも隠せなかった。若い時期に海外へ留学した期間も長く、人生はどうなるのかまったくわからないなあと、それでもこうして後世に見守られていることも、美しいなあと。

碌山美術館へ。
特別展は撮影可能だった。
目がとても繊細で。
美しい美術館だ。
というわけで、今日の散策はここまで。先日、大町市周辺を訪れた際は、北アルプスの山並みが完全には見えなくて。それが今日は綺麗に見えて、すごくうれしかったなあ。
本日のひとこと
安曇野市のガソリンスタンドで、北アルプスが綺麗ですねと話をしたら、冬はもっとすごいですよ。目を見張ります! と熱く教えてくれて、やっぱり雪のアルプスもいつか見てみたい。
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(終わり。次回へ続きます)

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