ふるさとの手帖

市町村一周の旅

岡山県北の真庭市を進んで行こう。【旧市町村一周の旅(岡山県|7月12日―462日目)】

岡山県北の真庭市を進んで行こう。【旧市町村一周の旅(岡山県|7月12日―462日目)】

今日までの旅メーター

訪れた政令指定都市の区の数 【87/171】

87/171
50.88%
訪れた旧市町村の数【1204/2,094】
1204/2094
57.50%
総計【1291/2,264】
1291/2264
57.02%

スーパーカブの総走行距離
31440km

旧勝山町→旧美甘村→旧久世町→旧落合町→旧北房町、の5つ。

今日の旅先のこと

7月11日から12日にかけて、真庭市の大学の先輩のご実家にお世話になりました。元々、昼に先輩のお母さんにご挨拶できたらという話だったのですが、事前に泊まっていた民宿でお客さんのトラブルがあり、結果的に一泊させていただくことに。

突然にも関わらずありがたいですし、何よりご家族のみなさんとはほぼ初対面なのに、あたたかく接していただきました。

ハプニングのようなものは、できるだけ自分からは起こしたくないという気持ちがあります。それがクセになってもいけないですし。

ただ、今回は急遽相談をして先輩のご実家で食事や洗濯もお世話になってしまいました。そして、ご家族と一緒に過ごさせてもらった時間は、自分にとってありがたいだけではなく、貴重な時間でした。この助けてもらったご恩を、またどこかでお返ししなければと思います。

勝山町かつやまちょう(真庭市)(1/5)
民宿を一日早くチェックアウトして、真賀温泉(旧湯原町)に向かう前、雨も上がっていたので日本の滝百選にも選ばれている神庭かんばの滝に立ち寄った。

受付で入場料を支払うとき、「今日は猿が山から降りてきてますけえ」と。この言葉を聞いて、パッと思い浮かんだのは大分市の「高崎山自然動物園」だった。

高崎山自然動物園は、猿の集団が2グループあって、それぞれ山を移動しながら暮らしている。私たちが観光地として猿に出会う場所は、いわば彼らからすれば「スポットA」みたいなもの。だから、猿の集団が降りてきているときであれば出会えると。

滝を見に行こうと思ったら、まさか猿も出会えるなんてと思ったけれど、受付の方の言葉通り、たくさんの猿が山を降りてきていた。それに、高崎山で出会った猿よりもリラックスしている。

高崎山では「餌を早く!」と猿たちの大合唱だったけれど、ここでは道端にゴロンと寝転んで、人間なら恥ずかしいような姿を見せながら、毛繕いしてもらっている。観光客も少ないし、人間に気を遣う必要もないのだろう。

地べたに寝転んだり座ったりしている猿を右に左に避けながら、滝まで向かった。かなり近い距離をすれ違ったけれど逃げないぐらいに慣れてもいた。

滝はここ数日の雨で増水しており、大きな音とともに流れ出ていた。高さが110mあるそうで、手前には二段目の流れが見えて、勢いが伝わってくる。
翌朝は、大学の先輩のご実家を出発したのち、勝山の町並み保存地区を歩いた。出雲街道の要衝として栄えた町並みだ。

町並みのそばには旭川が流れ、高瀬舟船場跡もあり、水運としての歴史も感じさせる。町並みはまだ朝の静けさに包まれているが、たっぷりと昔ながらの気配を持っていて、気持ちよく散歩することができた。
美甘村みかもそん(真庭市)(2/5)
元々行こうとしていた道が通行止めで、山道を迂回して美甘村へ向かった。細い谷間を走ったあと、国道181号線に合流し、北上していく。

美甘振興局の周辺を歩いていると、「てまり街道」の文字を発見。てまり、どういうことだろう…。と思ったのも束の間、答えはまさに「手毬」だった。

民家の軒先にいくつかのてまりが糸で吊るされて、風に揺れているのだ。一軒に限らず歩く先々の家に、てまりたちが並んでいた。世の中にはいろんな街道があるけれど、てまりの吊るされた街道を見るのは初めてだし、こういうところに日本の面白さがあるよなあと強く思うのだった。
その後、市街地からも近いクリエイト菅谷キャンプへ向かう。ここではもしかしたら会えるかもしれない……と思っていた方がいた。昨年の取材で出会った、門野さんご夫婦だ。

ちょうど、キャンプ場でチャイ喫茶をオープンしたという情報を見ていて、さらには営業日に運良く今日が含まれている。だったら行けば会えるかもしれないと。

いざキャンプ場に着くと、奥さんの門野由貴さんがいらっしゃった。わー! ほんとうにいらっしゃった! お店という場があると、会いたい方に会えるのだなあ。昨年、ご主人のあきおさんがチャイの話をされていたので、ご主人がいらっしゃると予想していたけれど、不思議とその逆だった。

チャイ喫茶「チャイトカ堂」に入ると、レゲエ好きでサックス奏者の弁慶さんという方も居て、エネルギー溢れる話をたくさん伺うこともできた。大阪出身で、地域おこし協力隊で真庭市に移住してきたと。

「昔は移住なんて考えたこともなかったこともなかったけれど、ふとしたきっかけから一気に動き出して」

注文したのはチャイとチャイティーアイスクリーム、レモンケーキ。たっぷりいただいてしまい、これまたぜんぶ美味しかったんだなあ。チャイって原則はホットだけれど、アイスクリームになることで、チャイを感じつつも夏にぴったりだなんて、最高だ。由貴さんとも久しぶりにお話できて嬉しかった。覚えてくださっていて、ありがたいなあと思うばかり。
久世町くせちょう(真庭市)(3/5)
次にやってきたのは、久世町。白い雲の手前にも入道雲がわき上がっていて、不安定な空の中移動した。市役所の本庁舎も位置しており、真庭市の中心地になっている。

チャイトカ堂で出会った弁慶さんに、「宮芝グラウンドから町並みが見えるよ」と教えてもらっていたので、まずはグラウンドへ。仰っていた通り、久世の家並みと緩やかな山が重なり合う景色が広がっていた。

その後、久世中町商店街を歩いてみた。ここには、観光客にとって知られざるお店がいくつかあるという。チャイトカ堂の由貴さんに教えてもらった。今は空いていないのでそのまま通過していく。無理に観光客が知る必要はないのだ。地元にいるからこそ味わえる面白さがあるのだから。

遷喬尋常せんきょうじんじょう小学校も近くにあり、大型バスが停まっていて、観光客で賑わっていた。確か、大学生の頃にここへ来たことがあって、学生服を着た気がするんだよなあ。

落合町おちあいちょう(真庭市)(4/5)
久世から旭川を下流へ進んでいくと、落合町へ入る。朝通過したときは晴れていたものの、午後はすでに曇っていた。むしろ、空模様も少し怪しい。

そして、美作落合駅の周辺を歩いたあと、道の駅の醍醐の里へ向かっている途中。あと1kmのところで、土砂降りの雨が降ってきた。

たった1kmだけれど、それが土砂降りだったら十分に濡れてしまう。合羽も着ていなかったので雨をかぶりながら、ようやく着いた道の駅で雨宿り。ほかの人たちも同じく雨宿りをしていて、阪神の帽子をかぶったおじちゃんもいた。
北房町ほくぼうちょう(真庭市)(5/5)
雨がやむのを待って最後にやってきたのは、北房町。元々、洞窟があるとのことで行こうかなと思っていたけれど、「大谷古墳」という古墳を由貴さんに教えてもらって、そっちへ行ってみることに。

なんでも由貴さんは歴史好きで、古墳を友だちとの集合場所にすることもあったと。

ほとんど大谷古墳がどんな古墳なのかわからないまま現地へ到着し、駐車場から歩いて行くと、想像よりも遥かに巨大な古墳が現れた。ピラミッド型で、積まれた岩に迫力があり、上部の中央は柵があった。

7世紀につくられた古墳だそうだが、まだ謎も多いという。7世紀にこれをつくるの、大変だったんじゃないかなあと素直に思った。
古墳を訪れたのち、市街地を散策する。小学生たちが下校していたり、ワンちゃんと目があったり、ささやかな午後の時間を歩かせてもらった。

というわけで、今日の散策はここまで。真庭市から新見市へ移動し、夕方には晴れてきたので市街地も散策しました。明日の散策と一緒に、記事をまとめられたらと思います。
本日のひとこと
大学の先輩のお母さんがつくってくださったお弁当を、昼食はいただきました。ありがたかったなあ。

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今回の旅をはじめる前に、自費出版の写真集「どこで暮らしても」を製作しました。東京23区を1200kmほど歩いて巡り、撮影した一冊です。売り上げは旅の活動費として、活用させていただきます。
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(終わり。次回へ続きます)

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